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  • 2024/08/02

メタバースの空間デザインとは?活用するメリットや必要な要素、プラットフォーム、事例、手がける企業などをご紹介

メタバースでビジネスやサービスを行う場合、仮想の3D空間内に建物や施設などを構築しなくてはなりません。そのため、メタバースにおける空間デザインが必要です。しかし「メタバースの空間デザイン」といわれても、どのように取り組むべきなのかがわからない方も多いでしょう。そこで今回は、メタバースの空間デザインとはどのようなものなのか、活用するメリットや必要な要素、プラットフォーム、事例、手がける企業などをご紹介します。


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目次

メタバースの空間デザインとは

メタバースの空間デザインとは、インターネット上の3次元の仮想空間を設計することです。メタバース空間では、ユーザーがアバターと呼ばれる自身の分身の姿でアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行えます。企業にとってメタバースの空間デザインは、新たなビジネスチャンスを創出するための重要な手段といえるでしょう。

企業がメタバースを活用するメリット

企業がメタバースを活用するメリットは、以下のとおりです。

それぞれの内容を確認しておきましょう。

新たな顧客層の開拓

メタバースは現実世界とは異なり、どこからでも好きなワールドにいつでもアクセスできます。そのため、今まで実店舗やリアルイベントに足を運んだことのないユーザーとも、容易に接点を持つことが可能です。

地理的な制約を超えて、全世界の顧客層にアクセスできるという大きなメリットをもたらします。また、メタバースはさまざまな興味や趣味を持つ人々が集まる場所でもあるため、ターゲットとする顧客層により効率的にアプローチすることが可能です。

没入感の高い顧客体験の提供

メタバースはオンライン上でも高い没入感を提供します。例えば、3Dで再現された商品を展示することで、ユーザーは実店舗で商品を手に取るのに近い感覚でショッピングを楽しめるようになるでしょう。

顧客が商品を詳細に確認し、購入する前に商品についてより深く理解することを可能にします。またVR技術を活用すれば、顧客は商品を試着したり、商品を使用するシミュレーションを体験したりすることも可能です。

ユーザーデータの収集・分析の容易化

一部のメタバースプラットフォームには、ユーザーの行動履歴を詳細に追跡する機能があります。このデータを活用することで、より精度の高いマーケティング施策を実施できるのは大きなメリットです。

具体的には、ユーザーの行動パターンや嗜好を分析し、それに基づいてパーソナライズされたマーケティング戦略を策定することが可能になります。顧客満足度の向上や、リピート購入率の向上を期待できるでしょう。

リモートワーク環境の向上

メタバースプラットフォームをバーチャルオフィスとして活用することで、従業員により快適なリモートワーク環境を提供できます。例えば、従業員がバーチャル空間内にいることで、リアルタイムでのコミュニケーションを可能にし、チームの生産性の向上が期待できます。

また、メタバースの活用により、従業員が自宅からでも会議に参加したり、プロジェクトに協力したりすることが可能になる点もメリットです。

物理的コストと手間の削減

メタバース上でバーチャルオフィスや店舗、施設を運営することで、実店舗やオフィスの維持費を大幅に削減できるというメリットをもたらします。また、物理的な移動時間も削減できるため、企業はより効率的にビジネスを運営できるようになるでしょう。

メタバースの空間デザインにおいて必要な要素

メタバースの空間デザインには、以下の3つの基本要素が必要です。

ここでは、それぞれの内容を解説します。

バーチャル空間

メタバースは、基本的にバーチャル空間で構成されます。バーチャル空間内では、現実世界の物理的な制約から解放され、ユーザーの想像力や個性が最大限に発揮されます。

バーチャル空間は現実世界の再現もできますが、現実では不可能な空間や環境を作り出すことも可能です。例えば重力のない空間や、水中で呼吸できる世界など、ユーザーが自由に探索し、体験できる空間を提供できます。

アバター

アバターは、ユーザーが操作するキャラクターで、バーチャル空間内でのユーザーの存在を表現します。ユーザーの個性やスタイルを反映し、他のユーザーやオブジェクトとのインタラクションを可能にします。

アバターは、ユーザーがバーチャル空間内で自己表現し、他のユーザーとコミュニケーションを取るための重要な手段です。また、ユーザーがバーチャル空間内での体験をよりリアルに感じるための重要な要素でもあります。

オブジェクト

オブジェクトは、アバター以外の構造物で、バーチャル空間を形成します。オブジェクトは3Dアセットによって構成され、エフェクト、アニメーション、サウンドなどのコンポーネントを追加することで、よりリッチな世界観の表現が可能です。

オブジェクトは、建物、家具、植物、動物、乗り物、道具など、バーチャル空間内での活動や体験を豊かにするための要素です。ユーザーが空間内で行う活動やインタラクションに直接影響を与え、空間の雰囲気やテーマを華やかに彩ります。

メタバースの空間デザインに適したプラットフォーム

メタバースを開発する際には、既存のプラットフォームを活用することをおすすめします。各プラットフォームは特有の機能や特性を持っており、目的に応じて選択することが重要です。

また、これらのプラットフォームを使用する際は、ポリゴン数の調整やテクスチャ、ライトベイクをうまく工夫しながら、表現したい世界観に必要なディテールを意識し、同時に軽量化についても考えて作っていくスキルが求められます。

ここでは、メタバースの空間デザインに適したプラットフォームを7つご紹介します。

Maya

Mayaは、プロ向けの世界最大手のメタバース空間作成プラットフォームです。映画やゲーム業界で広く使用されており、その高度な3Dモデリング、アニメーション、レンダリング機能は、メタバースの空間デザインにおいて非常に有用でしょう。

Blender

Blenderは、無料で一通りの機能が利用できる新興メタバース空間作成プラットフォームです。オープンソースであり、コミュニティによる強力なサポートがあります。3Dモデリング、アニメーション、レンダリング、コンポジティング、モーショントラッキングなど、多岐にわたる機能を提供している点が特徴です。

3ds MAX

3ds MAXはMayaと並ぶ、プロ向けの大手メタバース空間作成プラットフォームです。建築、製造、ゲーム開発など、さまざまな業界で使用されています。強力な3Dモデリングとアニメーションツールを提供し、リアルタイムのビジュアライゼーションとVR体験の作成を可能にします。

Comony

Comonyは、建築や空間設計にフォーカスしたメタバースプラットフォームです。ユーザーは、自分だけのバーチャル空間を設計し、他のユーザーと共有できます。また、リアルタイムでのコラボレーションや、VRでの体験も可能です。

Mona

Monaは、アーティストやデザイナーに向けたメタバースプラットフォームで、建築と空間の美的な側面に焦点を当てています。ユーザーは、自分だけのバーチャルギャラリーや展示スペースを作成し、自分の作品を展示することも可能です。

DOOR

DOORは、気軽にメタバースを制作できるプラットフォームで、NTTドコモによる提供です。ユーザーは、自分だけのバーチャル空間を作成し、他のユーザーと共有できます。また、リアルタイムでのコラボレーションやVRでの体験も可能です。

XR CLOUD

XR CLOUDは、BtoCやBtoBのビジネスに向いているメタバースプラットフォームです。企業は、自社の製品やサービスをバーチャル空間で展示し、ユーザーに体験してもらえます。また、リアルタイムでのコラボレーションやVRでの体験も可能です。

企業や自治体におけるメタバースの空間デザイン事例7選

メタバースの空間デザインはどのように実施されているのかについては、実際の企業や自治体の事例を確認するとわかりやすいでしょう。ここでは、企業や自治体におけるメタバースの空間デザイン事例を7つご紹介します。

1.河内長野市

大阪府河内長野市が市制施行70周年を記念して開催する記念式典に使用するメタバース空間の構築を、当社リプロネクストが手がけました。こちらのメタバース空間は、新しく建設されるサッカースタジアム一体型の公園をモデルに構築され、市民や市政の推進に尽力する方々が気軽にアクセスできるように設計されています。

また、市民参画型のコンテンツや遊び要素も盛り込まれており、多くの人々が参加できるようになっているのが特徴です。このメタバース空間の構築により、市制施行70周年を市民とともに祝うことが可能になりました。

本取り組みの詳細は、以下でご確認ください。

大阪府内初!河内長野市、市制施行70年記念式典をメタバース空間で令和6年4月1日~30日開催

2.日亜鋼業株式会社

日亜鋼業株式会社の若手有志チームがリプロネクストと協力して、ワイヤーに特化したメタバース上のテーマパーク「NICHIA METAVERSE WIRE WORLD」を制作しました。本テーマパークは、日亜鋼業の製品が日常生活においてどのように活用されているかを、楽しみながら学べる空間となっています。

また、物理的制約がないため、日本全国はもちろん海外からもアクセス可能で、維持管理や拡張も容易です。多くの人々が日亜鋼業製品について理解を深めることが期待されます。

NICHIA METAVERSE WIRE WORLDの詳細は、以下をご参照ください。

ワイヤーに特化したメタバース上のテーマパーク「NICHIA METAVERSE WIRE WORLD」2024年3月15日開設。日亜鋼業若手有志とリプロネクストがタッグを組んで制作

3.静岡県

リプロネクストは、静岡県の広報・公聴活動に活用するメタバース空間「Metaverse SHIZUOKA」を構築しました。本空間は、静岡県を丸ごとスキャンした3次元点群データを活用して精細な町並みを再現し、一部は24時間利用可能な常設空間としています。

今後、広報・公聴活動のテーマに合わせた空間等を随時構築していく予定です。「Metaverse SHIZUOKA」の構築により、県民の声を県政に反映する新たな拠点が生まれ、多くの人々が県政に関する意見交換や交流を行うことが期待されます。

なお、本取り組みの詳細は、以下でご紹介しています。

静岡県様【広報・公聴活動に活用するメタバース空間構築】

4.日産自動車

日産自動車は、2022年5月に新型軽電気自動車「日産サクラ」をメタバース上で発表。発表に伴い、日産サクラにいち早く試乗できるワールド「NISSAN SAKURA Driving Island」も同時に一般公開されました。また、同社はメタバース上のバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」の公開や、地球温暖化の影響を体感して考える「日産アリアとめぐる環境ツアー」の公開など、デジタル上での新たなコミュニケーションの場を拡大しています。

5.国土交通省

国土交通省は、横浜・みなとみらいエリアで3D都市モデルを活用したXR技術および高精度位置認識技術によるXR観光バスツアーという新しい観光体験アトラクションを提供し、そのサービス価値を検証しました。この取り組みは、観光庁と国土交通省都市局が連携して行い、旅行者に対する消費機会の拡大や旅行者の消費単価の向上を目的としています。

6.ラストマイルワークス

ラストマイルワークスは、建築特化型メタバース「comony」のティザーサイトを公開しました。同プラットフォームでは、ユーザーは自分自身の建築ポートフォリオの作成・公開が可能です。公開した空間は、自分だけでなく世界中から招いたゲストと共に閲覧し、コミュニケーションを取れます。そのため、建築家やデザイナーは自身の作品を広く公開し、フィードバックを得られるのがメリットです。

7.奥村組

奥村組は、奥村組技術研究所内の室内環境実験棟を活用して「メタバース技術研究所」を構築しました。同研究所では、メタバース上のVRシミュレーションを通じて、各種実験のための増改築工事の検討精度を向上させることを目指しています。具体的には、VRシミュレーションを用いて、建築物の設計や施工のシミュレーションを行い、それに基づいて設計・施工工数の削減を図っているのが特徴です。これにより、建築物の設計や施工の効率性を向上させることが可能になります。

メタバース空間の開発に必要な費用・期間

メタバース空間を作るためには、どの程度の費用や期間が必要なのでしょうか。ここでは、メタバース空間の開発に必要な費用と期間をご紹介します。

費用相場

メタバース空間の構築費用は、プロジェクトの規模や複雑さ、要求される機能によって大きく異なります。以下で、一般的な費用の相場をご紹介します。

ただし、これらの費用はあくまで一般的な相場であり、具体的な費用は制作会社やプロジェクトの詳細によって異なります。メタバース開発の費用詳細は、以下の記事もご参照ください。

メタバースの導入に必要な費用は?メタバースを導入している企業も紹介

開発期間と必要なステップ

メタバース空間の開発にかかる期間は、プロジェクトの規模や複雑さ、要求される機能によって異なります。具体的な期間については、以下のステップを参考にして算出してください。

資料収集・設計

メタバース空間の全体像を決めるために必要な情報を収集し、設計を行います。具体的には、どのような空間を作りたいのか、どのような機能を持たせたいのか、どのようなユーザー体験を提供したいのかなどを明確にしましょう。この段階は通常、数週間から数ヶ月かかることがあります。

3D素材の作成

Blenderなどの3Dモデリングツールを使用して、空間自体やその中に配置する素材、アバターなどを作成します。これらの素材は、メタバース空間の見た目や雰囲気を決定する重要な要素です。このステップは、素材の複雑さや量によりますが、数週間から数ヶ月かかることがあります。

3D素材の配置

このステップでは、Unityなどのゲームエンジンを使って作成した素材を配置し、アバターの動作設定などを行い、メタバース空間が形になります。空間の規模や複雑さによりますが、数週間から数ヶ月かかることがあります。

プラットフォームごとの設定

空間の形ができたら、次にプラットフォームごとの設定を行います。具体的にはユーザーのログイン機能や、空間内でのコミュニケーション機能などが含まれます。このステップは、必要な機能の数や複雑さによりますが、数週間から数ヶ月かかることが一般的です。

メタバース空間のアップロード

最後に、空間をアップロードして公開することで、ユーザーが実際にメタバース空間を体験できるようになります。この段階は通常、数日から数週間かかるでしょう。

これらのステップを経ることで、メタバース空間の構築が可能となります。ただし、具体的な期間はプロジェクトの詳細や制作会社によって異なるため注意が必要です。

メタバース開発の流れについては、以下もご参照ください。

メタバースはどうやって作る?制作・開発の流れや必要スキルを紹介

企業がメタバース空間を構築する際には、これらの要素を考慮に入れることが重要です。また、専門的な知識や技術が必要となるため、適切なパートナーを選ぶことも重要なポイントだといえます。

メタバースの空間デザインを手がける企業

自社で実施したいサービスやビジネスが決まり、実際に開発を始める際には、メタバース開発に特化した企業へ発注する選択肢も考えられます。ここでは、メタバースの空間デザインを手がける企業を5社ご紹介します。

株式会社リプロネクスト

リプロネクストは、メタバース空間制作やオリジナル機能の開発などを行っており、自治体や法人向けにメタバースを多数提案している企業です。企業イベントや会社見学、オープンキャンパス、提携校との交流、セミナー、講演、イベント、音楽ライブ、観光案内、PRイベントなど、さまざまなシーンで活用されています。

リプロネクストは、お客様のニーズに合わせたプラットフォームを選定します。ヘッドマウントディスプレイで体験する本格的なものから、PCやスマートフォンで体験する気軽なものまでご提案が可能です。また、既存のプラットフォームに求めている機能がない場合には、独自のプラットフォーム開発も承ります。

パーソルマーケティング株式会社

パーソルマーケティングは、2022年1月よりメタバースデザイン事業部を設置し、PwCコンサルティング合同会社との協業によりメタバース市場での人材サービス事業へ参入しました。メタバースを活用した活動の企画立案、環境構築、運営サポートなどのサービスを提供する一方で、メタバース内で働く人材の育成環境を整えている点が特徴です。

株式会社船場

内装ディスプレイ業界大手の株式会社船場は、リアル空間づくりの知見と建築ビジュアライゼーションで培ったデジタルデザインの経験を活かして、富士フイルムの「House of Photography in Metaverse」の開発も実施しました。同社は、商業施設や飲食店からオフィス、ホテルまで幅広い分野の空間づくりを手がけており、その豊富な経験が富士フイルムのメタバース開発に活かされています。メタバース内の建築物の設計にはAutodesk Revitが活用され、実際の建築プロジェクトと同様の方法で進められるのが特徴です。

株式会社PsychicVR Lab

同社の社名でもあるPsychicVR Labは、XR時代のクリエイティブプラットフォームとして知られています。ブラウザだけでXR空間を作り上げ、VR/AR/MRコンテンツを配信できるクラウドサービス「STYLY」を開発・提供しているのも同社の特色です。STYLYには、作成したXRコンテンツを他のユーザーと共有する機能があります。

株式会社Synamon

Synamonは、メタバース領域で法人向けにサービス提供を行うテックカンパニーです。メタバースブランディングプラットフォーム「SYNMN」を開発・提供しています。SYNMNは、マルチデバイスでIPやブランドの3D空間を楽しめるメタバースプラットフォームで、企業やクリエイターのブランディングやファンマーケティングを最新のテクノロジーでサポートすることを目指しています。

まとめ

メタバースの空間デザインは、仮想3D空間を設計することで、新たなビジネスチャンスを創出します。企業は新規顧客の開拓、高い没入感の提供、ユーザーデータの収集・分析、リモートワーク環境の向上、物理的コストと手間の削減などのメリットを得ることが可能です。空間デザインにはバーチャル空間、アバター、オブジェクトの3つの要素が必要で、これらを活用してユーザーの体験を豊かにします。

メタバースは、現実世界の制約を超えて、ユーザーの想像力を最大限に発揮する場です。これらのメリットと活用事例を通じて、企業はメタバースの空間デザインを活用して、新たなビジネスチャンスを創出し、顧客体験の向上を期待できるでしょう。メタバースの市場規模は年々拡大しており、企業にとっては無視できない重要な領域となっています

メタバースをビジネスに活用したい場合は、ぜひリプロネクストにご相談ください。数多くのメタバースのサービスを立ち上げた経験と実績がありますので、貴社のビジネスの成長や経営課題の解決をお手伝いいたします。

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