- 2024/09/20
- 2024/09/27
NFTの仕組みについて詳しく解説!メタバースとの関係性も
近頃、NFTというワードをよく耳にする方も多いと思います。
ですが、「難しくてよく分からない」「NFTやメタバースに興味があるけど、あまり理解できていない」といった方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、この記事では、NFTの仕組みについて詳しく解説します。
また、NFTとメタバースの関係性についても触れていきます。
この記事読むことで
「メタバースやNFTの仕組みを理解して、自身のビジネスやプロジェクトへの応用につなげる」
「メタバースプラットフォームのアカウントを作成してNFTの作成や販売をする」
といったことが可能となります。
NFTがもたらす新たな可能性について、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
NFTについて
NFT(Non-Fungible Token)とは、非代替性トークンの略称で、デジタル資産の所有権を証明する技術です。ブロックチェーン上で取引されるため、デジタルアートやゲームアイテムなど、他の資産とは異なる独自の価値を持つものに利用されます。
NFTの特徴は、従来のデジタルデータとは異なり、資産的価値を持つことです。これらは、「NFTマーケットプレイス」と呼ばれるオンラインプラットフォームで活発に取引されており、NFTを売ることで収益を得ることも可能です。
NFTには高額で取引されているものもあります。例えば、2021年3月には世界的に有名なオークションハウス「クリスティーズ」のオンラインオークションにて、デジタルアーティストのBeeple氏のNFTアートが約6,935万ドル(約75億円)で落札され、大きな話題を呼びました。
このように、NFTは、デジタル資産の新しい形態として注目を集めています。その独自性と価値は、ブロックチェーン技術によって支えられています。
NFTの仕組み
NFTは、ブロックチェーン技術を基盤としたデジタル資産です。ブロックチェーンは、データの改ざんや重複を防ぐ分散型台帳技術で、NFTの中心的な役割を果たしています。NFTは、デジタルアート、音楽、ゲーム内アイテムなどの形で存在し、それぞれに固有の情報によって唯一性が保証されます。
ブロックチェーン技術は、複数のコンピューター間でデータを共有し、記録するシステムです。各データブロックは厳密な暗号化プロセスによって保護され、前のブロックに連結されてチェーンを形成します。
そのため、一度ブロックチェーンに記録されたデータは改ざんが非常に困難になります。NFTを作成・管理するためには、ブロックチェーンのプラットフォームが必要です。
最も代表的なのはイーサリアムですが、Polygon(Matic)、Polkadot、FLOW Blockchainといった他のブロックチェーンもあり、NFTの発展に寄与しています。これらのブロックチェーンはそれぞれ異なる特徴を持ち、NFTの多様性を支えています。
NFTにはどんな特徴がある?
NFTには以下のような重要な特徴があります。
- 唯一性を証明できる
- 改ざんが難しい
- さまざまな情報を記録できる
唯一性を証明できる
NFTは、デジタル世界における所有権の概念を根本的に変革しています。従来のデジタルファイルは簡単にコピーできるため、オリジナルとコピーの区別がつきませんでした。
しかし、ブロックチェーン技術を活用してデジタルデータに固有の識別情報を付与することで、所有権を明確にできるようになりました。これにより、アーティストやクリエイターは、デジタル作品に対して実質的な価値を持たせることが可能となったのです。
改ざんが難しい
NFTの大きな魅力の1つは、改ざんが極めて難しいことにあります。ブロックチェーン技術により、NFTの作成履歴が永続的に記録されるのです。
このことは、NFTが作品の真正性を保証することを意味します。つまり、購入者は本物の作品を所有していることが証明されることとなります。
さまざまな情報を記録できる
NFTは、デジタルアート作品以上のものを表現することができます。
作品の作者、制作日、所有者の履歴、販売価格など、作品に関連するさまざまな情報をブロックチェーン上への記録が可能です。このようにして、NFTはデジタル資産の透明性と信頼性を高めています。
暗号資産(FT)との違いは?
暗号資産には代替性のあるものと、代替性のないものが存在します。代替性とは、常に一定の価値を保ったまま交換できることを意味します。
暗号資産のうち、仮想通貨は代替性を持っています。つまり、ある仮想通貨のトークンは他の同種のトークンと同じ価値を持っているため交換が可能です。これは、お金の交換と同じような性質です。
一方で、NFTと呼ばれる暗号資産は非代替性を持っています。NFTは、それぞれが独自の特徴を持った唯一無二のデジタルアイテムであり、他のNFTと交換できません。これは、同じ額面の紙幣でも、発行番号が異なれば価値が変わるのと同じ原理です。
このように、暗号資産には代替性の有無が存在する点が大きな特徴です。
NFTの歴史と市場規模
NFTは比較的新しい分野ですが、その背景にはブロックチェーン技術の進化とデジタルアートの変遷があります。この記事では、NFTの歴史的経緯を振り返ります
起源と初期の動き
NFTのブロックチェーン技術の登場と密接に関わっています。ビットコインの登場が2009年頃であり、その後イーサリアムのスマートコントラクト機能の登場により、2015年頃からデジタルアセットとしてのNFTが注目を集めるようになりました。
初期のNFTは、デジタルアートやコレクティブアイテムとしての側面が強い状態でした。特に、2017年に登場した「CryptoKitties」というゲームは、NFTの可能性を多くの人に知らしめるきっかけとなりました。このゲームでは、ユーザーが育てた猫をNFTとして交換や販売ができる仕組みが採用されていました。
同年には、NFTアートの代表例とも言えるCryptoPunksがリリース。CryptoPunksは、カナダのエンジニアであるMatt Hall氏とJohn Watkinson氏が設立したLarva Labsから発表されたイーサリアム最古のNFTプロジェクトの1つです。
CryptoPunksでは、Punkと呼ばれる24×24pixelで作成された1万個のNFT画像を開発し、世界に1つだけのドット絵として発表されました。
その希少性と唯一性から、NFTアートの中でも高額で取引され、中でも7,523番目に発行された「#7523」は、2021年6月に約1,180万ドル(当時の相場で約13億円)で落札されました。
取引所とプラットフォーム
2018年、OpenSeaがNFT取引所としての地位を確立。2020年にはRaribleが新しいトークンを導入するなど、NFT取引の新しいスタイルを提案しました。
これらのプラットフォームにより、ユーザーは自身の作品をNFTとして販売したり、他者のNFTを購入できるようになりました。
市場規模の推移
2017年に登場した「CryptoKitties」の大ヒットを受けて、NFT市場は急速に拡大しました。アート、音楽、ゲーム、スポーツなど、さまざまな分野でNFTの活用が広がっています。特に2020年以降、NFTの取引額が大幅に増加し、多くのアーティストや企業がこの市場に参入しています。
世界のNFT取引額は、2019年が約2,453万ドル、2020年が約8,250万ドルでしたが、2021年には176億ドルと、わずか1年で約200倍にも膨らみました。この急激な成長の背景には、注目すべき出来事や作品が数多く登場したことが挙げられます。
NFTの活用事例も多様化しています。音楽業界では、アーティストが自身の楽曲やアルバムをNFTとして販売する動きが見られるようになりました。これにより、アーティストは中間業者を介さずにファンと直接つながり、新しい収益源を確保することができるのです。
2021年には、デジタルアーティストBeepleの作品「The First 5000 Days」がクリスティーズで約70億円で落札されるなど、NFTの価値と可能性が世界的に認知されるきっかけとなりました。
また、Twitterの創業者ジャック・ドーシーの初ツイートがNFT化され、3億円で落札されるなど、NFTへの関心は高まり続けています。
NFTでの稼ぎ方
ここでは、NFTを使って収益を得る方法について解説します。
NFTの売買
NFTで利益を得る方法の一つは、NFTの売買です。購入したNFTの価格が上昇すれば、その差益から利益を得ることができます。
そのためには、人気のあるNFTプロジェクトや、これから注目されそうなプロジェクトに常に注目し、情報収集を行うことが重要です。一方で、NFTの価格が予想に反して下落してしまうといったリスクもあるため、十分な注意が必要です。
NFTを発行する
NFTを活用して収益を得る方法の一つは、自身でNFTを発行することです。人気のある自作のアートや写真をNFT化し、購入者を見つけることができます。
NFTの価値は、作品を欲しがる人が増えるほど高まっていきます。ただし、NFTの発行や販売には一定の知識が必要なため、その点に注意する必要があります。
NFTの始め方
NFTの始め方は、二次売買に取り組むか、自ら発行して販売するかによって異なります。
二次売買に取り組む場合は、まずOpenSeaなどの大手NFTマーケットプレイスに出品し、作品を販売します。一方で自ら発行して販売する場合は、自身でNFTを制作し、OpenSeaなどのマーケットに出品して販売することになります。
それぞれのアプローチには長所短所があるため、自身のスキルや目的に応じて適切な方法を選択することが重要です。ここでは、両者の具体的な始め方ややり方について解説します。
NFTの売買で投資を始める方法
NFTの二次益を得たい場合は以下の手順をおすすめします。
- 利用するNFTマーケットプレイスを選定する
- 仮想通貨取引所でイーサリアムなどを購入する
- 仮想通貨ウォレットを用意する
- NFTマーケットプレイスとウォレットを接続する
- 購入したいNFTを探す
- 利益が見込める価格でNFTを売却する
これらの手順に沿って取り組むことで、NFTの二次売買で収益を得られるでしょう。
利用するNFTマーケットプレイスを選定する
NFTマーケットプレイスは、パブリックブロックチェーンを基盤としています。そのため、取引時の決済通貨やガス代の支払いに使う通貨は、その基盤となるブロックチェーンによって異なります。
まずは、自分が使いたい仮想通貨を用意できるNFTマーケットプレイスを選びましょう。OpenSeaは、イーサリアムチェーンだけでなく、SolanaチェーンやPolygonチェーンなど、複数のブロックチェーンに対応しています。出品者が、アイテムごとに決済通貨を指定できるのが特徴です。
その中でも、イーサリアム(ETH)が指定されているアイテムが多いので、特に初心者の方は、決済用にイーサリアムを用意するのがよいでしょう。
イーサリアムなどを購入する
NFTマーケットプレイスを選択したら、そこで使用する仮想通貨を仮想通貨取引所で入手しましょう。例えば、OpenSeaで取引する場合は、SBI VCトレードでイーサリアムを購入することをおすすめします。
SBI VCトレードはスマートフォンアプリから簡単に取引できるほか、500円から仮想通貨の投資を始められます。まだ口座をお持ちでない方は、この機会に公式サイトをチェックしてみてください。
仮想通貨ウォレットを用意する
NFTマーケットプレイスを利用するには、仮想通貨ウォレットとの連携が必要です。各マーケットプレイスで対応するウォレットが異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
例えば、OpenSeaでイーサリアムチェーンを基盤としたNFTを取引する場合、MetaMask、Coinbase Wallet、WalletConnect、Ledger、Fortmatic、Bitski、Venly、OperaTouch(モバイルのみ)、Trust(モバイルのみ)などのウォレットが使用できます。
ウォレットの選択に迷う場合は、無料で汎用性の高いMetaMaskがおすすめです。
NFTマーケットプレイスとウォレットを接続する
ウォレットとNFTマーケットプレイスの接続手順は以下の通りです。
OpenSeaの場合、トップ画面右上にあるウォレットのアイコンをクリックすると、利用可能なウォレットの選択肢が表示されます。お使いのウォレットを選んでクリックするとウォレットが起動し、接続の許可(署名)を求められます。この許可に応じれば、ウォレットとの接続が完了します。
購入したいNFTを探す
ウォレットに接続できたら、次はNFTの購入へ移ります。購入方法は各NFTマーケットプレイスで異なりますが、OpenSeaでは3つの方法があります。
- 出品者が提示している価格で直接購入する
- 出品者に対して希望の購入価格を提示し、承諾を得る
- オークションで入札して落札する
売買差益を狙う場合は、できるだけ安く買い付けられるよう、これらの方法から最適なものを選択しましょう。
利益が生まれる価格でNFTを売却
NFTを売却する際は、購入価格と付随するコストを十分に考慮する必要があります。
OpenSeaなどのマーケットプレイスでは、クリエイター手数料やガス代など様々な費用がかかります。これらのコストを見落とすと、結果的に赤字となる可能性があります。
売却価格を設定する際は、コストを適切に織り込んで、確実に利益が出るよう慎重に検討することが重要です。
NFTを発行して販売する方法
NFTを発行して売る方法は以下の通りです。
- NFTマーケットプレイスが選ぶ
- NFT化したいデータを用意する
- NFTを発行する
- NFTを出品する
NFTマーケットプレイスが選ぶ
NFTマーケットプレイスでは、必ずしも誰もがNFTを発行したり一次販売できるわけではありません。多くの場合、運営側が承認したクリエイターや企業にのみ、そうした権利が与えられています。
特に国内のNFTマーケットプレイスでは、公認クリエイターに選ばれないと一次販売ができないことが多く、これからNFTを販売したい人にとってはハードルが高いでしょう。
そのため、まずはNFTの発行と一次販売が可能なマーケットプレイスを探し、自分に合ったところを選ぶ必要があります。OpenSeaなら誰でも無料でNFTを発行し、一次販売することができます。
NFT化したいデータを用意する
デジタルデータがすべてNFTとして扱えるわけではありません。各NFTマーケットプレイスでは、NFT化可能なデータの種類やサイズが定められています。
事前にそれらを確認しておき、NFT化したいデータを用意することが重要です。
OpenSeaの場合
- 画像(JPG、PNG、GIF、SVG)
- 音声(MP3、WAV、OGG)
- 動画(MP4、WEBM)
- 3Dモデル(GLB、GLTF)
といったデータが100MB以内であれば、NFT化することができます。
NFTを発行する
データの準備が完了したら、次はNFTマーケットプレイスでNFT化しましょう。OpenSeaを使えば、イーサリアムチェーンやPolygonチェーンといった基盤ブロックチェーンから選択できます。
OpenSeaでは、NFTに名前をつけるだけでなく、以下のような様々な設定が可能です。
- 外部リンクの設定
- 商品説明文の追加
- コレクションでの表示プロパティの設定
- 所有者限定のコンテンツ公開
- センシティブ設定など
これらの機能を活用してNFTを最適な形で発行しましょう。
NFTを出品する
NFTをNFTマーケットプレイスで販売する方法は2つあります。
まず、固定価格で出品する「イングリッシュオークション」と、徐々に価格を下げていき、最初に買い手が現れた時点で売買が成立する「ダッチオークション」の2種類から選べます。
OpenSeaを例にすると、初回出品時にはウォレットとトークンの承認手数料としてガス代の支払いが発生するので注意が必要です。
NFTの二次売買や自身で発行した作品の一次販売を行う際は、決済やガス代の支払いに使用されるため、イーサリアムなどの仮想通貨を用意しておく必要があります。
NFTの課題
NFTの広がりに伴い、その抱える課題も明らかになってきました。環境への影響や、NFT市場の将来性への懸念が大きな話題となっています。ここでは、これらの問題点について詳しく説明します。
大量の電力が消費される
ブロックチェーン技術は、NFTの基盤となっています。この技術では、取引の妥当性を確認し、データの整合性を維持するためにコンセンサスアルゴリズムを使用しています。「Proof of Work (PoW)」や「Proof of Stake (PoS)」などの手法がその一例です。
PoWは、ビットコインなどで広く採用されており、多くのブロックチェーンで使用されています。PoWによる取引の検証には大量の計算処理が必要で、それに伴う電力消費が問題視されてきました。
具体的には、PoWを用いたブロックチェーンでの「マイニング」プロセスが、CO2排出量の増加に寄与していると指摘されています。このため取引がNFTの環境に与える影響に対する懸念が高まっています。
一方、PoSは電力消費を大幅に削減できる新しいコンセンサスアルゴリズムとして注目されており、導入が進んでいます。多くのNFTが発行されているイーサリアムも、2022年にPoWからPoSへの移行を行いました。このような取り組みが進めば、NFTの環境問題との関連性は低減する可能性があります。
コンセンサスアルゴリズムとは
コンセンサゴリズムは、暗号資産(仮想通貨)のブロックチェーンが新しいブロックを追加するために、参加者全員が合意できる方法を定めたものです。
ビットコインでは、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)がその役割を果たしています。
価値の不安定性
NFT市場は急速な成長を遂げています。しかし、その未来には様々な懸念点も存在します。その一つが、NFTの価値の不安定性です。
NFTの価値は、その希少性や一意性に由来するとされています。しかし、市場の過熱や投機的な動きによって、価格が大きく変動してしまうことがあります。
法的な枠組みがまだ不十分
NFTの取引には法的な課題が残されています。著作権の問題や詐欺事件など、さまざまなトラブルが報告されています。健全なNFT市場の発展には、適切なルール作りと教育の普及が不可欠です。
消費者のNFTに対する理解が追いついていない
企業はNFTを活用したマーケティング手法を増やしつつありますが、消費者のNFTに対する理解が十分ではないのが現状です。
企業側がNFTの活用方法を理解し、それを消費者に適切に説明することが、これからの重要な課題になると考えられます。
多岐にわたるNFTの活用領域
NFTは、ゲーム、デジタルアート、マンガ、トレーディングカード、音楽、メタバースのアイテムや不動産、会員権といった分野で広く活用されています。
NFTにより、デジタル資産の所有者が明確になり、管理が容易になりました。NFTのデジタルデータは一つとして同じものがなく、相対的な価値付けが可能です。
そのため、アート作品やトレーディングカードなど、希少性に価値が生まれやすい分野で特に活用されています。
ゲーム
NFTを活用したゲームは、ユーザーがゲーム内のアイテムやキャラクターを実際に所有できるという点で画期的です。これらのアイテムは、ブロックチェーン上でNFTとして記録され、一意のIDが付与されます。
この仕組みにより、ユーザーはゲーム内での取引やコレクションを通じて、リアルな価値を持つデジタル資産を手に入れることができます。
注目されている理由は、ゲームそのものが資産形成の手段となり得るため、従来のゲームの概念を超えた新しい体験が提供されているためです。
デジタルアート
NFTデジタルアートは、アーティストが作成したデジタル作品を独自のアイテムとして販売できるようにしたことで注目を集めています。
この分野の特徴は、ブロックチェーン上で作品の所有権を確認できるため、作品の真正性が保証される点にあります。NFT化は、アーティストにとって新たな収益機会を生み出し、デジタルアート流通の方法を変革しています。
マンガ
NFTを活用したマンガは、従来の出版物とは異なる形態で読者に提供されています。
マンガの各ページやストーリーがNFTとして売買されることで、作者は作品の独自性を維持しつつ、グローバルな市場から直接収益を得ることができます。
さらに、マンガのNFT化により、ファンが自分の作品の一部を所有できる機会が生まれ、読者の作品への愛着が深まっています。
トレーディングカード
NFTトレーディングカードは、デジタル世界にカードゲームの新しい可能性をもたらしています。各カードがNFTとして存在することで希少性が保証され、コレクションの価値が高まります。
さらに、ブロックチェーン上での取引は、カードの真正性を簡単に確認できるため、偽造や詐欺のリスクが大幅に減少しています。
音楽
NFTは、音楽業界に革新的な変化をもたらしています。アーティストは、自身の楽曲やアルバムをデジタル資産として直接ファンに販売できるようになりました。
これにより、伝統的な流通チャネルを経由せずに、作品を届けられるようになり、収益の大部分を自身で獲得できるようになりました。
一方、ファンにとっても、お気に入りのアーティストを直接サポートし、限定版の音楽や特典を手に入れられるという魅力があります。このように、NFTは音楽業界に新たな可能性を生み出しており、大きな注目を集めています。
メタバース内のアイテムや不動産
メタバースで、NFTを使ってバーチャル空間内の不動産やアイテムを所有できます。ユーザーはこれらの土地を購入し、自分だけのバーチャル空間を作り上げることができます。
これらのデジタル資産は、現実世界の不動産と同様に取引可能です。特に、バーチャルイベントやコミュニティの形成においてNFTは重要な役割を果たします。
会員権
NFTを活用した会員権は、デジタル形式で限定イベントへのアクセスや特別なサービスへの参加権を提供しています。これは、ブランドやクリエイターが独自のコミュニティを築く新しい手段として注目されています。
このシステムでは、所有者に特別な体験やサービスを提供することで、顧客の忠誠心を高めることができます。
NFTの活用事例
NFTは海外だけでなく、日本でも徐々に普及しつつあります。ここでは、日本や海外での事例について紹介します。
- NFTアート:香取慎吾
- NFTアート:Zombie Zoo Keeper(ゾンビ飼育員)
- NFTスポーツ:埼玉西武ライオンズ
- NFTトレカゲーム:NBA Top Shot
- NFTトレカ:SKE48
- NFTゲーム:CryptoSpells(クリプトスペルズ)
- NFTミュージック:Linkin Park
NFTアート:香取慎吾
2021年9月、香取慎吾さんがNFTアートを活用したチャリティイベントを開催。彼が2015年のパラサポ開催記念に描いた壁画「i enjoy」をNFTアート化し、3,900円の寄付をした参加者に付与しました。
各NFTアートには「No00001NFT i enjoy!」といったシリアルナンバーが付与されており、限定数やシリアルナンバーを持つオリジナル作品として価値を持っています。
このイベントの大きな特徴は、従来のイーサリアムブロックチェーンに頼るNFT市場ではなく、LINEが独自に開発したブロックチェーンを利用して開催されたことです。
日本人にとって日常的に使用しているLINEによるブロックチェーンは、既存のサービスに簡単に導入できるため扱いやすくなっています。
パラスポーツを応援する1万人の想いが寄付に! 「香取慎吾NFTアートチャリティプロジェクト」寄付贈呈式レポート
NFTアート:Zombie Zoo Keeper(ゾンビ飼育員)
Zombie Zoo Keeper は、小学3年生の男の子が描いたドット絵(ピクセルアート)が、NFTマーケットで高い評価を得ている事例です。
夏休みの自由研究として、マインクラフトや動物や昆虫の図鑑・絵本をもとに、ピクセルアートを制作。その作品がNFTマーケットプレイスで出品されたところ、有名DJの目に留まり、一気に知名度が高まりました。
結果として、この作品は80万円で落札され、さらに700万円で二次出品されるなど高額で取引されるようになりました。NFTアートの特性上、転売も可能で、その際には作者にロイヤリティが支払われるシステムになっています。
このように、小さな子供の創造性がデジタルアートの分野で高い評価を得られた点は、興味深い事例といえるでしょう。
NFTスポーツ:埼玉西武ライオンズ
埼玉西武ライオンズは日本プロ野球界初の試みとして、2021年9月より、「ライオンズコレクション」としてNFTコンテンツの販売を開始しました。コンテンツには選手のサイン入りパネルなどが含まれており、落札価格は最低20万円以上となっています。
今後、他球団もNFT市場に参入することが予想され、人気選手の希少性の高いアイテムは高額で取引されることが期待されます。
NFTトレカゲーム:NBA Top Shot
NBA Top Shotは、NBAとDapper Labsが提供するデジタルトレーディングカードサービスです。各カードには選手の試合中のハイライトが動画で収録されており、オンラインではカードゲームとして楽しめます。
人気の高い選手や希少性の高いカードは、非常に高額で取引されることがあります。このサービスは、パッケージ形式で販売されており、カードはランダムに入っています。
カードの希少性は、コモン、レア、レジェンダリーの3つに分類されており、レアやレジェンダリーのカードほど資産価値が高い傾向にあります。
NFTトレカ:SKE48
SKE48のトレーディングカードは、国内で実績のあるCoincheckが運営・販売しています。
配信ライブや成人記念、卒業コンサートなどをテーマにしたNFTトレカには、オリジナルの画像、音声、映像が収録されています。パック販売で中身はランダムです。
販売価格は1パック約1,000円で、人気メンバーのカードは高値で取引されるのが特徴です。
NFTゲーム:CryptoSpells(クリプトスペルズ)
CryptoSpellsは、Crypto Games株式会社が提供するユニークなブロックチェーンゲームです。プレイヤー同士で自由にデジタルトレーディングカードをやり取りできるのが特徴です。
「ゲームに投資した時間やお金、情熱が資産となる」というコンセプトで、オリジナルカードの発行や、他のゲームでも使えるカードなど、従来のカードゲームの概念を覆す斬新な要素が備わっています。
さらに、ウォレットやイーサリアムなどが不要である点も大きな魅力といえるでしょう。
NFTミュージック:Linkin Park
人気バンド「Linkin Park」のボーカル、ギター、ラップ、キーボード担当のマイク・シノダ氏が、自身の音楽作品をNFTプラットフォームでオークションに出品しています。
実験的に出品された楽曲は、1万ドル(約115万円)で落札されました。落札者はこの楽曲の所有者となり、自由にリッピングすることができます。
NFT化により、万人に好まれる楽曲ではなく、より個性的かつニッチな作品を表現する機会が生まれています。たとえ世界で1人しか価値を認めなくても、NFTを通じて市場が成り立つというのが、音楽とNFTを組み合わせる利点といえるでしょう。
メタバースとNFT
メタバースは仮想空間における企業や商業の新しい領域です。ユーザーは、オンラインに構築された3次元コンピューターグラフィックスの空間に、世界中からさまざまなアバターで参加し、相互に交流しながら、買い物や商品の制作・販売などの経済活動を行ったり、新たな生活を送ったりすることが予測されています。
メタバースの定義は多様で、統一された解釈はまだ存在しません。しかし、オンラインの仮想空間として「空間性」「自己同一性」「大規模同時接続性」「創造性」「経済性」「アクセス性」「没入性」という7つの要素を満たすものとして捉えられています。
つまり、メタバースはデジタルの新しい領域であり、現実世界と同様の活動が可能な場所といえるでしょう。
株式会社リプロネクストでは、メタバース空間の開発に取り組んでいます。
その中でも、鹿児島大学教育学部付属小学校からの依頼を受け、高学年生徒向けの英語学習用メタバース空間を制作しました。
この空間は、生徒にとってなじみやすい環境を提供することを目標に、スーパーマーケットやフードコートなどが配置されたショッピングモールを模したものとなっています。
生徒たちはアバターを使って参加し、店員と客の役割を演じながら、英語での買い物を楽しむことができる授業を行うことができます。
鹿児島大学教育学部附属小学校 様 【英語授業向けメタバース制作】
メタバースとNFTの違い
メタバースは、人々が集まって楽しむデジタル空間を指しています。一方、NFTはデジタルアートやゲームアイテムなどの希少価値を証明できるデジタルアセットです。
メタバースでは、NFTを使って買い物したり、アイテムを装備したりすることができます。今後、メタバースとNFTの関係がさらに深まり、新しいビジネスモデルやエンターテインメントの形が生み出されることが期待されています。
メタバースとNFTによって実現できること
メタバースとNFTの融合により、以下のようなことが実現できる可能性があります。
- デジタル資産の所有権の明確化
- トレードと経済活動を促進
- 独創的な芸術作品やコンテンツの生み出しと提供
- ゲーム内アイテムの価値向上
- 新たなビジネスチャンスの可能性
デジタル資産の所有権の明確化
NFTは、デジタル資産の所有権を明確にする技術です。特に、一意性、不可分性、ブロックチェーンの活用により、デジタルアートやコレクティブルの証明に役立ちます。
メタバース内では、NFTを使えばゲーム内アイテムやデジタルアート、仮想ランドなどのデジタルアセットの所有権を明確にして取引を促進できます。
これにより、ユーザーは自身の資産を保護し、新しいビジネスの機会を開拓できます。つまり、NFTはメタバースにおけるデジタル資産の所有権を透明化し、活性化させる重要な技術なのです。
トレードと経済活動を促進
メタバースとNFTの連携により、ユーザー間の取引と経済活動を活性化することができます。ユーザーはNFTを所有し、メタバース内でそれらのアセットの売買が可能です。例えば、仮想土地の所有権をNFTとして表現し、他のユーザーに売却できます。
さらに、メタバース内での仮想的な労働も成立します。デザイン、プログラミング、建築、アート制作などのスキルを持つユーザーは、他のユーザーに対して仮想アセットの制作やカスタマイズを提供できます。これにより、ユーザー間の取引が生まれ、NFTや仮想通貨が報酬として支払われることも可能です。
メタバースは、リアルタイムで3Dの仮想空間を提供するため、ユーザー間の経済活動が活発に行われます。仮想アセットの価値の変動や、需要と供給のバランスの変化により、新たな経済圏が形成されます。
独創的な芸術作品やコンテンツの生み出しと提供
NFTアートは、ブロックチェーン技術を活用して、デジタルアート作品の真正性を証明することができます。改ざんが困難なため、作品の所有者を明確にし、作品の価値を保証することができます。これにより、アーティストの作品が独自のものであり、複製されることがないことが保証されます。
NFTアートは、OpenSea、Coincheckなどのプラットフォームを通じて簡単に売買することができるほか、クレジットカードでの購入も可能です。
さらに、NFTアートは将来的に価値が上昇する可能性があるため、購入した作品を売却することで利益を得られる可能性があります。また、ブロックチェーンに記録されているため、物理的な劣化や盗難のリスクがありません。
ゲーム内アイテムの価値向上
NFTの登場により、ゲーム内アイテムの価値が大きく高まっています。主な理由は以下の通りです。
- 一意性と希少性の証明
ゲーム内アイテムをNFT化することで、そのアイテムが唯一無二のものであることを証明できるようになりました。これにより、コレクターやプレイヤーにとって、より魅力的な存在となっています。
- デジタル資産の所有権の明確化
従来は、ゲーム内アイテムの所有者を特定するのが難しかったのですが、NFTの登場によって、自分が正当な所有者であることを明確に示せるようになりました。
- 二次販売による利益
ゲーム内で取得した土地やアイテムをNFT化し、高値で売却することで、プレイヤーが利益を得られるようになりました。これは、メタバースとNFTの融合を象徴する代表的な活用事例と言えるでしょう。
新たなビジネスチャンスの可能性
メタバースは、仮想空間ながらも独自の経済圏を持つ特徴的な存在です。インターネット経由で他者と即時交流できるのが大きな魅力です。現実世界との密接な連携により、新たなビジネス機会として注目を集めています。
NFTはメタバース内で新しいデジタル資産を生み出し、ユーザー間のコミュニケーションを活性化させることで、メタバースにおけるビジネスの可能性を広げています。
例えば、メタバース上で開催されるイベントや展示は、実世界の観光と連動することで、新しい顧客体験を提供し、地域の魅力を国内外に発信することができます。
まとめ
NFTは、ブロックチェーン上で管理される代替不可能なデジタルデータです。NFTには資産的価値があり、NFTマーケットプレイスで取引されています。
一般的にNFTを取引するには、イーサリアムなどの仮想通貨が必要です。そのため、送金手数料の低い仮想通貨取引所を利用するのがおすすめです。
また、NFTやNFT×メタバースにご興味のある方は、ぜひ株式会社リプロネクストにご相談ください。
株式会社リプロネクストは、自治体や企業向けにメタバース・XRソリューションを提供しています。企画から運営まで一貫したサービスを提供し、お客様のあらゆるニーズにお応えしますので、NFT×メタバースにご関心がある方は、お気軽にお問い合わせください。
「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。