- 2023/01/19
- 2023/03/27
オフィスはメタバース空間に移り変わるのか?活用方法・事例を紹介
新型コロナウイルス感染症の影響で、オフィスを持たないまたは縮小する企業が増えました。
「リモートワークで仕事が捗った。」「好きな場所に住みながら仕事ができる。」といったメリットの裏では、出社していた頃のような気軽なコミュニケーションが取れないという課題も出てきています。
『月刊総務』の調査データによると新型コロナウイルスの感染拡大以降における、従業員のメンタル不調の要因は「テレワークによるコミュニケーション不足・孤独感」が最も多いです。
このようなコミュニケーションや孤独感の解消に向けて注目されているのが「メタバースオフィス」。
この記事ではメタバースオフィスについて、メリットや事例など含めて紹介します。
目次
1.メタバースオフィスとは
メタバースオフィスとは、言葉の通りメタバース空間に設置したオフィスのことを指します。
オフィス内を動きながら、アバターを通じて他のスタッフと気軽なコミュニケーションをとることが可能で、オンライン会議より気軽かつ対面のような雰囲気を感じることができます。
2.メタバースオフィスでできること
プラットフォームによってできることは異なりますが、メタバースオフィスは下記の3つの特徴があります。
2-1.自由度の高い空間づくり
メタバースオフィスでできることの1つ目はバーチャル上に仮想のオフィスをつくれることです。
このオフィスは実際に存在するオフィスを再現することもできますし、理想のオフィスや空想上のオフィスにすることも可能です。
2-2.アバターを通じてコミュニケーションがとれる
オンライン会議ツールと異なるのは、アバターを通じて音声やチャットでコミュニケーションがとれることです。自身のアバターを他の人のアバターに近づけると音声での対話ができ、離れると会話ができなく(または声が小さく)なります。
さらに、メタバースオフィスに接続している人からは、誰が誰とコミュニケーションをとっているかが可視化されます。
2-3.画面や資料の共有が可能
メタバースオフィスでは気軽なコミュニケーションだけでなく、会議なども実施が可能です。オンライン会議ツールでは当たり前な資料を画面共有することができます。
実際のオフィスでよくある、企画資料を用意して上司に持っていくということをメタバースオフィスでも行うことができます。
3.メタバースオフィスのメリット
次にメタバースオフィスのメリットをいくつか紹介していきます。
導入を検討される際には 、現状感じている課題の解決に繋がるのかという視点で見てください。
3-1.賃料の削減
メタバースオフィスは、現実にオフィスを構える賃料と比べると大幅なコストダウンになります。
仮想空間であれば広くつくることもできますし、賃料だけでなく備品などを購入する必要もありません。
3-2.密状態の回避・感染リスクの軽減
メタバースオフィスは対面で話すことがなく、密状態にもならないので当然感染リスクがありません。
会社で新型コロナウイルスの感染者が出て、感染が蔓延したり濃厚接触者で対応をしないといけなかったりという負担が軽減されます。
3-3.コミュニケーションの活性化
「テレワークにしたら、社員同士のコミュニケーションが少なくなった」とう声を耳にします。
とはいえ、オンライン会議ツールでわざわざ話すことでないような内容は気が引けるということもあるでしょう。
メタバースオフィスだとふらっとアバターで近寄り、挨拶のみして離れるなど、コミュニケーションの回数を増やすことにつながります。
3-4.勤務状況の可視化
管理職などマネジメント側の視点では「リモートワークでちゃんと働いているのか?」「わからないことで立ち止まっていないか?」「残業をどれくらいしているのか?」など、部下が見えないことによる不安やストレスを感じることもあるでしょう。
メタバースオフィスは接続している人のアバターが見えるため、誰と誰が話しているとか残業しているかを視覚的に知ることができます。
4.メタバースオフィスが普及するまでの課題
メタバースオフィスのメリットを紹介しましたが、普及するまでにはいくつかの課題があるのでこちらにまとめています。
4-1.初期設定の手間
メタバースオフィスを行うには新たなツールを導入することになるため、初期設定の手間があります。特に企業は年齢層・職種によって様々な人が働いているため、一部の人だけが積極的に使っているなどという状況もあり得ます。
メタバースオフィスを導入する際には、担当を決めて手間取った人をサポートする体制作りが必要です。
4-2.慣れるまで時間がかかる
初期設定と同じように、日常でスムーズに使うまでには時間がかかる場合があります。
慣れるまでは「出社したら必ず全員に挨拶する」など、積極的に動かしてコミュニケーションをとるようなルールがあるとよいでしょう。
4-3.デバイス・環境の問題
テレワークを行っているのであればデバイスや通信環境が問題になることは少ないかもしれませんが、古いデバイスやネット環境が繋がりにくいと、コミュニケーションをとる上でストレスが発生する可能性があります。
メタバースオフィスの導入前に確認しておくことをおすすめします。
4-4.職種によっては非効率になる
メタバースオフィスというよりは、テレワークを導入する上での課題になりますが、職種によってはメタバースオフィスを導入することで生産性が落ちるリスクはあります。例えば、製造業など現場で物をつくる仕事や、セキュリティ上自宅では仕事ができない場合です。
テレワークそのものが全ての会社にメリットがあるわけではないので、導入前にメリット・デメリットを比較する必要があります。
4-5.法整備の課題
メタバースなどの新しいテクノロジーは法整備が追いついていない場合が多いです。
メタバースオフィスはあくまで、オンラインツールの一つであって、実在するオフィスの機能を全てカバーすることはできません。
元々のオフィスを解約した代わりにシェアオフィスや自宅オフィスを用意した上で、メタバースオフィスをつくる必要があります。
5.メタバースオフィスの活用事例
ここからはメタバースオフィスの活用事例をいくつか紹介していきます。
- 伊藤忠商事株式会社:新卒内定者向けイベント
5-1.伊藤忠商事株式会社:新卒内定者向けイベント
2022年度新卒内定者向けに、メタバース空間でワークショップを実施しました。
学生は自分の分身である「アバター」を動かし、現役社員や内定者を紹介する執務フロアを見学し、オフィスの雰囲気を感じながら主体的に情報を収集しています。
「次世代の採用イベント」の事例として、注目を集めました。
▶︎▶︎伊藤忠商事株式会社 プレスリリースはこちら
5-2.GMOペパボ:社内の合宿でのメタバース利用
新型コロナウイルスの蔓延でリモートワークが増える中、社員が集まる機会が減ったためにメタバース空間でペパボバーチャルオフィスを開設しました。
ペパボの東京オフィスを模したもので、合宿中にはポスターセッション形式でイベントを開催。
日頃作っているものについて説明したポスターを3枚ずつ用意し、バーチャルオフィスに展示して社内の方が自由に見て回れるようにしました。
会場内に運営スタッフを必ず一人配置し、いつでも質問に答えられるような体制を整備。
イベント展示者の方からは「自分が普段何をやっているか知ってもらえる機会になった」と好評だったようです。
▶︎▶︎GMOペパボ 詳細情報はこちら
5-3.ドラマ『オールドルーキー』:出勤体験
TBSで放映されていた「オールドルーキー」内に出てくるオフィスをメタバース空間で再現し、オフィスの出勤気分が味わえます。
このオフィスは、スポーツマネジメント会社を表現していて、ドラマが放映される日の20時〜23時までに入ることができました(ドラマは毎週日曜21時〜22時)。
ドラマの違った楽しみ方ができるユニークな事例です。
▶︎▶︎日曜劇場オールドルーキー 公式サイトはこちら
5-4.リプロネクスト:バーチャルオフィス
メタバースtipsの運営会社「リプロネクスト」は、新潟オフィスを再現したメタバースオフィスを制作しました。
今後も空間はアップデート予定ですが、アバター同士で会話・チャットができるため、新卒採用説明会や採用イベントを行っていく予定です。
メタバース空間内では、資料の共有や動画の同時視聴などもできるため、リモートワーク中の社員同士のミーティングの場としても使えます。
現代の働き方のニーズや、コロナ禍の非接触のコミュニケーションにもマッチしており、Zoomのようなビデオコミュニケーションとはまた違う実在感のある交流ができます。
▶︎▶︎リプロネクスト メタバースオフィスはこちら
6.メタバースオフィスが作れるサービス7選
ここからはメタバースオフィスが実現できるプラットフォームをいくつか紹介していきますが、メタバースオフィスには大きく2Dタイプと3Dタイプの2種類があります。
※各プラットフォームの説明は各サイトから引用しています。
2Dメタバースのプラットフォーム
2Dメタバースとは、3Dのような立体型ではなく平面のメタバース空間です。
マップ上にいるアバターを動かし、アバター同士が近づくとオンライン会議ツールのような会話ができます。
Ovice
oViceは相手の様子を見て気軽に話しかけたりなど、まるで隣で話しているようなコミュニケーションを取ることができます。
▶︎▶︎oVice 公式サイトはこちら
Oasis
Oasisは、自宅でもオフィスでもオンライン上の仮想空間で”会話したい時に会話したい相手をすぐに見つけて話せる”クラウドオフィスです。
▶︎▶︎Oasis 公式サイトはこちら
MetaLife
MetaLifeは、オフィスやイベントスペース、教室として利用できる新しいコミュニケーションツールです。
▶︎▶︎MetaLife 公式サイトはこちら
RISA
リモートワークシーンで”いつでも会話できるオフィスコミュニケーション体験”をオンラインでも提供します。
▶︎▶︎RISA 公式サイトはこちら
3Dメタバースのプラットフォーム
3Dメタバースのプラットフォームは多数ありますが、一部を紹介してきます。
Virbela(ガイアリンク)
Virbelaは、リモートワーク、学習、およびイベントのための魅力的なメタバース(3D仮想世界)です。
行動心理学者のチームによって2012年に設立されたこのサービスの使命は、組織と人々がリモートとリアルが絶妙に絡み合うニューノーマルの常識下で反映するのを支援することです。
※ガイアリンクはVirbelaの公式販売代理店です。
▶︎▶︎ガイアリンク 公式サイトはこちら
Mesh for Microsoft Teams
Mesh for Microsoft Teams は、物理的に異なる場所にいる人々が、共通のホログラフィック エクスペリエンスを通して共同作業に参加できる Microsoft Mesh の Mixed Reality (複合現実) 機能と、仮想会議への参加やチャット送信、共有ドキュメント上でのコラボレーションなどを可能にする Teams の生産性ツールが融合されたものです。
▶︎▶︎Microsoft 公式サイトはこちら
Horizon Workrooms
Horizon Workroomsは、メタバース内でチームが集まるためのバーチャル空間です。最先端のコラボレーションツールを使って、同僚と一緒にいるように感じながら、生産性をアップしましょう。
▶︎▶︎Horizon Workrooms 公式サイトはこちら
7.まとめ
メタバースオフィスについて理解を深めていただけましたか。
働き方の多様化により、オフィスのあり方もメタバースに移行している企業もあります。
また、イベントや展示会など一部をメタバースで実施する方法もあるので、是非みなさんもメタバースの可能性について触れてみてください。
メタバースtipsを運営しているリプロネクストでは、法人・自治体向けメタバースについて企画・プラットフォーム選びから開発までを一貫してサポートしています。「こんなメタバースは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。