- 2024/09/12
- 2024/09/13
個人によるメタバースでのNFTの売り方とは?事例やプラットフォーム、売るコツ、注意点などもご紹介
個人によるNFTの取引が頻繁に実施されるようになった近年、自身でNFTを制作してメタバース内などで販売する方も増加傾向です。
しかし「NFTでビジネスをしたい」と思うものの、具体的にどのようにアクションを起こしたらよいのかがわからないという方も多いでしょう。
そこで今回は、個人によるメタバースでのNFTの売り方を解説します。また、事例やプラットフォーム、売るコツ、注意点などもご紹介するので、ぜひご参照ください。
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目次
そもそもNFTとは?
NFTとは「Non-Fungible Token」の略称で、日本語では「非代替性トークン」や「代替不可能なトークン」という意味です。NFTはブロックチェーン技術を基盤としたデジタル資産であり、以下のような特徴を持ちます。
独自性のあるデジタルデータ
NFTは「独自性を持つデジタルデータ」もしくは「デジタルデータに独自の価値を付加する技術」を指します。これにより、デジタルデータに対して他にはない資産価値を付与できるようになりました。
所有権の証明
NFTは、データの改ざんや複製を難しくするブロックチェーン技術により、著作権や所有権を証明することが可能です。言い換えれば、NFTは「このデータは自分のものである」と証明するためのタグや証明書の役割を果たします。
自由な取引
NFTはブロックチェーン上で管理されているため、保有しているNFTを自由に売買できます。
誰でも作成可能
NFTは、誰でも簡単に作成できます。自作のデジタルアートやゲームデータをマーケットプレイスに出品できるため、参入のハードルは低いといえるでしょう。
NFTはアート、音楽、ゲーム、トレーディングカードなどさまざまな分野で利用されており、投資対象としても注目されています。将来的に価値が上昇する可能性を見越して購入する方もいます。
メタバースとは
メタバースとNFTはどのような関係があるのでしょうか。ここでは、メタバースの概念と両者の関係性をご紹介します。
メタバースの概念
メタバースは、「メタ(超越した)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語で、仮想空間やデジタル世界を指す概念です。具体的には、インターネット上に構築された共有の仮想空間やデジタル環境で、ユーザーがアバターを通じて他のユーザーと交流したり、さまざまな活動を行ったりできます。
メタバースの詳細については、以下もあわせてご確認ください。
メタバースとNFTの関係性
メタバースとNFTは、デジタル世界における相互に関連した重要な要素です。簡単に説明すると、メタバースは仮想空間そのものであり、NFTはその中で使われるデジタル資産を表します。
両者の関係性を理解するうえでは、以下のポイントが重要です。
デジタル所有権
メタバース内でユーザーが持つアイテムとして、例えばアバターの衣装や仮想不動産などはNFTとして存在できます。ユーザーはデジタルアイテムの所有権を証明でき、そのアイテムを売買したり、他の仮想空間で使用したりすることが可能です。
経済活動の基盤
メタバース内では、NFTがデジタル経済の基盤として機能します。NFTを使ってアート作品やアイテム、土地などを売買することで、メタバース内に経済圏が形成され、現実世界の経済活動と同様に、仮想空間での商取引が行われる点が特徴です。
相互運用性の強化
NFTはブロックチェーン技術に基づいているため、メタバース内の異なるプラットフォーム間で相互にアイテムを移動させることが可能です。ユーザーは1つのメタバースから別のメタバースへ、自分のデジタル資産を持ち込んで利用できます。
このように、メタバースがデジタル世界の「場所」としての役割を果たす一方で、NFTはその中でユーザーが所有し、取引できる「資産」を提供します。この関係性により、メタバース内での経済活動や社会的な価値が生まれ、デジタルと現実が融合した新しい体験が可能となっています。
メタバースとNFTの関係については、以下の記事もご参照ください。
メタバースとNFTの違いとは?両者によって実現できることと注意点も解説
個人によるメタバースでのNFTの売り方
個人がメタバースでNFTを売るためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここでは、個人によるメタバースでのNFTの売り方をご紹介します
NFTの売り方
メタバースにNFTを販売するためには、以下の手順が必要です。
NFTアートの作成
まず、PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトを使ってオリジナルのデジタルアートを制作します。
暗号資産取引所でのアカウント作成
NFTは仮想通貨で取引されるため、暗号資産取引所に口座を開設し、仮想通貨で取引できるようにします。
仮想通貨ウォレットの作成
取引所に口座を開設した後、MetaMaskなどの仮想通貨ウォレットを設定します。
マーケットプレイスでのアカウント作成
NFTを販売するために、OpenSeaなどのマーケットプレイスでアカウントを作成します。
NFTアートのアップロード
作成したデジタルアートをマーケットプレイスにアップロードし、NFTとしてミント(登録)します。ミントが完了すれば、その作品をマーケットプレイスで売ることが可能です。
NFTを転売する方法
メタバース内でNFTを転売するためには、以下の手順を踏むことが一般的です。
NFTの購入
最初に、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスで転売目的のNFTを購入します。
NFTの価格確認
購入したNFTの価値が上昇したら、売却のタイミングを検討します。
NFTの転売
再びOpenSeaなどのマーケットプレイスでNFTを出品し、販売します。
日本円への換金
MetaMaskにあるイーサリアム(ETH)を取引所に送金し、日本円に換金します。
以上が、メタバースでNFTを売買・転売するための基本的な手順です。ただし、使用するプラットフォームやサービスによって具体的な手順が異なる場合があるため、事前に十分な情報収集と理解を行った上で取引を進めなくてはなりません。また、NFT取引にはリスクが伴うことも理解しておく必要があります。
NFTの買い方についての詳細は、以下の記事もあわせてご確認ください。
NFTの買い方を初心者にもわかりやすく解説|購入時の注意点も紹介
個人によるNFTの売り方事例5選
個人でNFTを売る場合、どのようなケースが想定されるのでしょうか。ここでは、個人によるNFTの売り方の事例を5つご紹介します。
1.CryptoPunks:ドット画像
CryptoPunksとは、2017年にLarva Labs社によって発行されたNFTで、ユニークなドット絵が特徴です。人間の男女の顔のドット絵がほとんどですが、中には宇宙人や、類人猿のような生き物の顔もあります。これらのNFTは、イーサリアムブロックチェーン上で販売されており、購入が可能です。
CryptoPunksのNFTの価値は、仮想通貨市場やイーサリアムの高騰とともに高まることが期待されています。例えば、2022年2月には、CryptoPunk 5822というアイテムが8,000ETH(当時のレートで約27億円)で取引されました。
ソースコード
「ソースコード」をNFTとして売ることも可能です。Webの創設者であるティム・バーナーズ=リーが生み出した「World Wide Web(www)」のソースコードが、2024年6月30日にサザビーズのオンラインオークションにおいて、約6億円で落札されました。オークションにかけられたのは、電子的なタイムスタンプ付きのHTMLなどのソースコード9555行、リー氏が開発について書いた手紙などでした。
オークション開始価格は1,000ドル(約11万円)でしたが、その価値は急速に上昇し、最終的には約6億円という高額で落札されました。ただし、オークションにかけられたソースコードの中にはエラーが見つかったという報告もあったそうです。それにもかかわらず、このオークションは大きな注目を集め、Webの歴史的な価値を改めて認識させるきっかけとなりました。
個人のツイート
2021年3月22日、Twitter(現「X」)の創業者であるジャック・ドーシーが、自身の最初のツイートをNFTとして販売したところ、約3億円で取引されました。このツイートは「just setting up my twttr」という内容で、2006年に投稿されたもので、Twitterの歴史を象徴するアイテムとして注目を集めました。
このNFTは、オークション形式で販売され、最終的にはイランの仮想通貨関連の起業家であるシーナ・エスタビ氏が291万5,835ドル(約3億1,640万円)で落札しました。エスタビ氏は落札後に「これは単なるツイートではない。数年後には、これが『モナ・リザ』と同じ価値を持つことに、誰もが気づくはずだ」とツイートしました。
柴犬「かぼすちゃん」の写真
インターネットで「Doge」として広く知られる15歳の柴犬、かぼすちゃん(メス)の写真が、NFTのチャリティーオークションに出品され、4億円を超える価格で落札されました。オークションに出品されたのは、かぼすちゃんのさまざまな表情を写した画像NFTで、その中には「Doge」のミームとして有名になった写真も含まれていたそうです。
このオークションは、かぼすちゃんの飼い主である「かぼすママ」が、かぼすちゃんの写真をNFT化し、その収益の一部を世界中の慈善団体に寄付するという目的で開催されました。その結果、かぼすちゃんの写真は4億7000万円で落札され、その収益は国内外の子どもの人権を守る団体に寄付されたそうです。
EtherRock:岩の画像
2011年8月23日、「EtherRock」と呼ばれる岩をテーマにしたロックアートのJPEG画像のNFTが、400ETH(約130万ドル=約1億4,200万円)で取引されました。2017年から100個限定で販売されており、ブロックチェーン上でもっとも古いNFTの1つです。
EtherRockは、基本的にはイーサリアムブロックチェーン上にトークン化されたデジタルな岩のコレクションで、全ての岩はデザインと形状は同一で、色調のみが異なります。これらのNFT岩は持ち運びや売買が可能で、100個の岩のうちの1つの所有者であることに強い誇りをもてること以外の目的はないと、EtherRockの公式Webサイトにはユーモアを交えた説明が掲載されています。
個人がNFTを販売できるメタバースプラットフォーム
個人がNFTを販売できるメタバースプラットフォームは、The SandboxとDecentralandが挙げられます。以下で、それぞれについて解説します。
The Sandbox
The Sandboxは、イーサリアムのブロックチェーンを基盤としたユーザー主導のメタバースプラットフォームです。ユーザーは3Dオブジェクトやアニメーションを作成し、それをNFTとして売買できます。
また、土地やゲームの売買も可能で、ユーザーは自由にゲームを作り、そのゲームで遊べる点も特徴です。特に、ボクセル(3次元のピクセル)を積み重ねてメタバース内でゲームを構築でき、ユーザーが作成したゲームで遊ぶことや、他のユーザーとのコミュニケーションを楽しめます。
Decentraland
Decentralandはブロックチェーンを活用したメタバースプラットフォームです。ユーザーは自らの体験を仮想空間上に作成・公開し、それを収益化することが可能です。
Decentralandの特徴としては、MANAという独自の仮想通貨が存在し、ゲーム開発経験がない人でも簡単にゲームやアイテムを作成できるなど、クリエイター機能が充実している点や、DAO(分散型自立組織)による運営が行われている点が挙げられます。さらに、ユーザーは土地を探索して他のユーザーと交流したり、コンテンツを作成・販売して収益を得たりすることも可能です。
個人がメタバースでNFTを売るコツ
個人がメタバースでNFTを効率良く売るためには、以下の5つのコツを押さえなくてはなりません。
- 作品の質
- プロモーション
- コミュニティ参加
- 価格設定
- 適切なプラットフォーム選択
ここでは、それぞれの内容を確認しておきましょう。
作品の質
NFTはデジタルアート作品としての価値が重要です。独自性と創造性を持つ作品を作ることが不可欠です。ご自身の作品が他の作品と区別でき、視覚的または感情的な魅力を持つことを意味します。また、技術的なスキルも重要です。例えば、デジタルアートの場合、高度なグラフィックデザインのスキルや3Dモデリングのスキルが欠かせません。
プロモーション
作品を広く知ってもらうためには、SNSやブログなどで積極的に自己PRを行うことが重要です。このとき、作品の背後にあるストーリーやインスピレーションを共有すること、作品の作成過程を示すこと、または作品が視覚的に魅力的であるかを強調する必要があります。また、インフルエンサーや他のアーティストとのコラボレーションも、効果的なプロモーション戦略となるでしょう。
コミュニティ参加
NFTやメタバースに関するコミュニティに参加し、情報交換を行うことも有効です。最新のトレンドや機会を把握し、他のアーティストやコレクターとのネットワーキングを可能にします。また、自分の作品を紹介する場としての利用も可能です。作品の露出を増やし、潜在的にバイヤーとの接触を増やすための良い方法だといえます。
価格設定
NFTの価格は、市場の動向や自身の評価、作品の質などを考慮して設定します。高すぎても安すぎても売れにくいため、適切な価格設定が必要です。自身の作品がどの程度の価値を持つかを理解し、それに基づいて価格を設定することを意味します。また、他の類似した作品がどのように価格設定されているかを調査することも有益です。
適切なプラットフォーム選択
NFTを販売するためのプラットフォームは多数存在します。自分の作品に合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。自身の作品がどのようなオーディエンスに魅力的であるか、またはどのプラットフォームがあなたの作品の種類にもっとも適しているかを把握しなくてはなりません。また、各プラットフォームの手数料や利用規約も考慮に入れるべきです。
個人がメタバースでNFTを売るときの注意点
メタバースとNFTは新しい技術のため、販売するときには留意すべき点があります。ここでは、個人がメタバースでNFTを売るときの注意点をご紹介します。
法律と規制
NFTの取引は法律や規制の対象となる可能性があります。国や地域によっては、NFTの販売や購入が制限されている場合もあるでしょう。また、税金の問題も考慮する必要があります。専門家の意見を求めることがおすすめです。
市場の変動性
NFT市場は非常に変動性が高く、価格が大きく上下することがあります。そのため投資のリスクを理解し、慎重に行動することが重要です。
詐欺と偽造
NFT市場では、詐欺や偽造の問題が報告されています。購入者が本物の作品を購入しているかどうかを確認するために、信頼できるプラットフォームを使用することが重要です。
デジタルウォレットのセキュリティ
NFTの取引にはデジタルウォレットが必要ですが、これらのウォレットはハッキングの対象となる可能性があります。パスワードの管理やセキュリティの更新を定期的に行うことが重要です。
知的財産権
自分が販売するNFTが、他人の知的財産権を侵害していないか確認することも重要です。著作権法や商標法を理解し、適切に行動することが求められます。
まとめ
メタバース内で個人がNFTを売買する方法について、手順やプラットフォーム、売る際のコツや注意点を解説します。NFTはデジタルアートやゲームアイテムなどのデジタル資産として売買可能で、メタバース内での経済活動の基盤となります。
売却の際には、作品の質、プロモーション、コミュニティへの参加、価格設定、適切なプラットフォーム選びが重要です。また、法規制や市場変動、詐欺対策、知的財産権の確認など、注意すべき点も多く存在します。
リプロネクストは、数多くの自治体や企業におけるメタバース施策をお手伝いした実績があります。また、NFTでビジネスを行いたいと検討している企業のサポートも可能です。メタバースやNFTを活用してビジネスを実施したい場合は、リプロネクストへお気軽にご相談ください。
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