- 2024/05/31
メタバースの発展に欠かせないUnityアセットとは?
もし、あなたがメタバースの世界に興味を持っているなら、必ず知っておくべき情報があります。それは、Unityアセットという存在です。
Unityアセットとは、Unityというゲームエンジンを活用して、3Dモデルやエフェクト、サウンドなどを簡単に追加することができるツールのことです。
これにより、メタバースのクオリティが格段に向上し、よりリアルな体験が可能になります。
この記事では、メタバースの発展に欠かせない要素である、Unityアセットとは何か、どのような役割を果たしているのかを詳しく解説します。
メタバースの未来の中で必要不可欠な要素について一緒に考えていきましょう。
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目次
Unity(ユニティ)って何?
Unity(ユニティ)は、Unity Technology社が開発したマルチプラットフォーム対応のゲーム開発統合開発環境です。3Dグラフィックス、リアルタイムシミュレーション、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)など、幅広い領域で活用されています。
Unityの特徴は、他のゲームエンジンと比べて初心者でも比較的ゲーム開発が可能なことです。効率的なゲーム開発が可能であるため、ゲーム開発者に広く採用されています。
マルチプラットフォーム対応
Unityは、家庭用ゲームからPCゲーム、スマートフォンゲームまで、幅広いプラットフォームに対応しています。開発者は、プラットフォームに縛られることなく、自由に開発を行うことが可能です。
例えば、Switch や PlayStation のようなゲーム機から、Windows や Mac のデスクトップ OS、iOS や Android のモバイルOS まで、Unityは多様なプラットフォームをサポートしています。このように、Unity は開発者にとって、プラットフォームの制約を受けることなく、自由な制作が可能なツールといえます。
プログラミングなしでもゲーム開発が可能
Unity は、コードを一から書くことなく、ゲーム開発を行うことができます。具体的には、アセットストアからアセットを使用することで、特定のプログラミング言語を使わずにゲームを開発することが可能です。そのため、プログラミング初心者にも人気があります。
アセットストアのアセットデータが充実
アセットストアは、開発者が3Dモデルやプラグインなどのコンテンツを登録・販売できる場所です。Unity開発者が多いため、アセットストアには豊富な素材が揃っています。
メタバースとは
メタバースは、インターネット上に構築された仮想的な世界です。利用者はアバターを操り、他者と交流することができます。メタバース上での購買行動が現実世界とつながり、商品が自宅に届くなど、現実と仮想の融合が進んでいるだけでなく、さらに、仮想のワークスペースとしての企業向けの活用なども期待されています。
メタバースは、現在、様々な業界で使用されており、活躍の場を広げています。その中でも、今回は教育業界でメタバースを使用した例をメタバース活用事例としてご紹介します。
教育業界でのメタバース
株式会社リプロネクストは、新潟工科大学のバーチャルオープンキャンパスの制作に携わりました。アバターを使って自由に大学内を探索できるため、自宅から大学の魅力を十分に体験できるようになりました。
メタバースのメリット
メタバースは、現実世界と同様の体験を仮想空間で提供することができます。例えば、音楽フェスティバルに自宅から参加できるなど、臨場感を味わえるメリットがあります。
また、外出を必要としないため、感染症対策としても有効です。メタバース事業はまだ発展途上にあり、新しいユーザー体験やビジネスの創出が期待されています。
メタバースのデメリット
技術やコストの負担、専用のセキュリティ対策の必要性、法整備の遅れ、これらがメタバースのデメリットと言えるでしょう。環境構築には高い技術力とコストがかかり、インターネットを活用するためのセキュリティ対策はもちろん、メタバース特有の対策も必要不可欠です。
さらに、ハラスメントや青少年の問題など、法的な整備が十分ではありません。今後、法整備が進むことが期待されますが、現時点ではこれらの課題に留意する必要があります。
Unityでできること
Unity は、ゲーム開発以外にも様々な分野で活用されています。Unity を使えば、ゲーム制作はもちろん、VR/AR を使った表現やクロスプラットフォーム対応などが可能になります。
ゲーム開発×Unity
Unityは、2Dや3Dのゲーム開発に幅広く活用されるゲームエンジンです。画像や文字の描画、音声再生、3Dモデルの配置といった機能が事前に組み込まれており、開発に必要な「ふるまい」や「機能・処理」がすでに用意されています。
このため、ゲーム開発に費やす時間を短縮でき、開発やキャラクター設定といったクリエイティブな作業に注力することができます。簡易なゲームであれば、初心者でも比較的容易に取り組めるでしょう。
VR/ARを用いた表現×Unity
3Dオブジェクトの操作には高度なスキルが必要とされてきましたが、Unity の登場によりそうした障壁が大幅に下がりました。初心者でも3Dオブジェクトの制作が可能になったのです。
一方で、VR 市場の急成長も注目に値します。2028 年には 46 兆円にも達すると予測されており、ゲーム業界全体の規模(約 6 兆円)を大きく上回る勢いです。つまり、3D コンテンツ制作の敷居が低くなり、急拡大が見込まれる VR 市場への参入機会が広がっているといえるでしょう。
クロスプラットフォーム対応
「クロスプラットフォーム対応」とは、様々なプラットフォームで同一のコンテンツを提供することを意味します。これまでは、それぞれのプラットフォーム向けに個別に制作を行っていたため、人件費や工数が大きくかかっていました。
しかし、Unityを使えば、iOS、Android、Windows、Macなどの複数のプラットフォームに対して、ほぼ同一のコンテンツを同時に提供することができます。プラットフォームごとの微調整は必要ですが、同じコンテンツを繰り返し制作する手間がなくなるため、効率的で迅速な開発が可能になります。
Unityの特徴3点
Unityの特徴は以下の3つです。
オープンソース
Unityは、開発者にとって自由に使用できる無料かつオープンソースのライセンスで提供されています。オープンソースリポジトリを通して、プロジェクトに合わせてカスタマイズすることが可能です。
Unity独自のコードに問題点や使いづらさがある場合は、それらを改善し、改善点を共有することもできます。これにより、開発者コミュニティが共同で改良を重ね、開発の効率性を高め、機能性の向上に貢献できます。また、Unity は初心者でも自由に利用できるため、ゲーム制作の入門教材としても適しているといえるでしょう。
プログラミング言語を分からなくても大丈夫
従来の3Dゲーム開発では、専門的なプログラミング言語「C」や「C++」の習得が必要不可欠でしたが、Unityの登場により、これらの言語を知らなくてもゲーム制作が可能になりました。これが、Unityが人気を博した大きな要因の1つです。
しかし、より精緻なゲームを作成するには、「C#」や「JavaScript」といったプログラミング言語の習得が求められます。
Unityアセットストア(Asset Store)が大変便利
Unity アセットストアは、ゲームやアニメーション制作に必要な3Dモデル、テクスチャ、アニメーション、オーディオなどの素材を提供する販売サイトです。ユーザーは、「村人の小屋」や「主人公の車」、「電脳都市」といったさまざまな素材を組み合わせることで、比較的簡単に理想のゲームを制作することができます。
つまり、アセットストアは創造性を高め、制作の効率化を図るための重要なリソースと言えるでしょう。Unity アセットストアには無料のリソースが数多く存在するため、まずはそれらを探索することをおすすめします。
さらに、ユーザー自身が作成したプログラムパーツや3Dアセットなどを登録・公開し、販売することも可能です。その際のメリットとして、他のユーザーがそれらのリソースを容易に活用できるということが挙げられます。
Unity で開発された注目のプロジェクト5選
Unityは、ゲームやアプリの開発において非常に人気のあるツールです。その使いやすさと豊富な機能により、多くのプロジェクトで活用されています。ここでは、代表的なプロジェクトとして、以下の5つのゲームやアプリを紹介します。
PokemonGO
大人気のポケモンスマートフォンアプリは、現実世界と仮想世界を融合させた拡張現実(AR)ゲームです。ユーザーはスマートフォンを使ってポケモンを捕獲し、トレーナーとして育成することができます。
捕獲や育成に加え、現実の位置情報と連動したポケストップやジムバトル、各種イベントなど、多彩な要素が人気の理由となっています。
ヒューマンフォールフラット
ヒューマンフォールフラットは、不安定な人間キャラクターが、様々な移動手段を駆使してパズルステージを進む斬新なゲームです。ゴールを目指すためには、プレイヤーは創造的な思考と行動が必要になります。
キャラクターのカスタマイズ機能や、マルチプレイ対応など、魅力的な要素が備わっていることも特徴です。ユニークな設定と、プラットフォーミングメカニクスの組み合わせが、このゲームの人気の秘訣となっています。
ドラゴンクエストウォーク
ドラゴンクエストの世界を現実世界で体験できるロールプレイング型位置情報ゲームアプリです。ゲームをプレイしながら、近くに出現したモンスターとのバトルを通してキャラクターを育成したり、回復スポットで体力を回復したりと、ゲームと健康管理が両立できるのが特徴です。ユーザーは現実の世界でドラゴンクエストの世界を存分に楽しむことができます。
ウマ娘
出典:ウマ娘公式サイト
社会現象を巻き起こしたウマ娘は、競走馬を擬人化したキャラクターを育成し、レースでの勝利を目指すゲームです。ガチャシステムを通じて、様々なウマ娘を獲得し、彼女たちの能力を育成していくことがこのゲームの大きな目玉です。
さらに、イベントも多数開催されており、キャラクターのかわいらしいビジュアルが人気を呼び、推し活動やグッズ展開など、幅広いファンコミュニティが形成されています。
白猫プロジェクト
スマートフォン向けのアクションRPG「白猫プロジェクト」は、キャラクター編成とスキル発動順序の組み合わせを楽しむことが可能で、その楽しみ方は無限大です。多様なキャラクターから選択ができ、最大4人での同時プレイが可能なのも魅力的です。
また、他のプロジェクトとのコラボレーションにも積極的に取り組んでいるのも、長い間人気を集める秘訣といえるでしょう。
メタバース開発におけるUnityの重要性
最後に、Unityがメタバース開発における重要なポジションである理由についてお話していきます。どうしてUnityはメタバースと相性がいいのか、両者の関係性についてみていきましょう。
Unityが優れたメタバース開発ラプットフォームである5つの理由
Unityは、メタバース開発に最適な選択肢といえます。その理由は以下の5つです。
メタバース構築に必要なツールキットが整備されている
Unityの機能そのものが素晴らしいことは間違いありません。しかし、Unityの最大の魅力は、さまざまなメタバースプラットフォームがUnityのSDKを公開していることにあります。SDKとは、Unityに追加できるプログラムのことを指します。
このSDKを使うことで、各メタバースに最適な開発環境を構築できます。テストプレイやデバッグ、さらには本番環境へのアップロードといった工程も、非常に簡単に行うことが可能です。
一般的に、メタバース開発には専用のソフトウェアを使うか、UnityのSDKを使うかの2つのオプションがあります。後者の場合、Unityの操作に習熟すれば、他のメタバース開発にも応用できるというメリットがあります。
メタバースはどうやって作る?制作・開発の流れや必要スキルを紹介
有料・無料で使えるアセットが豊富である
Unityは開発者にとって魅力的な選択肢です。その理由は、豊富なアセットストアが多様なリソースを提供し、必要な素材を容易に見つけてカスタマイズできるからです。
さらに、Unityのマルチプラットフォーム対応性は、一度作成したコンテンツを様々なデバイスやプラットフォームで活用できるため、メタバースの可能性をより広げることに繋がっています。
リアルタイム3Dの表現力
Unityは、ゲームに優れた3D表現力を提供するエンジンです。また、メタバースにはリアルな3D表現が必要不可欠です。結果、Unityは、高品質な3Dモデルやアニメーションの制作が可能であるため、メタバース開発に最適なツールといえるでしょう。
豊富なコミュニティとリソースが存在する
Unityは、世界中の開発者に支持されている有力なゲームエンジンです。その豊富なコミュニティとリソースを活用することで、まだ新しい技術であるメタバース開発の取り組みを後押しすることができます。
一方で、メタバース開発に関する情報やノウハウは十分とは言えません。Unity は、充実したコミュニティとリソースによって、メタバース開発のハードルを軽減することができます。豊富な支援を活用すれば、初心者でも容易にメタバース作成に取り組めるでしょう。
VR/ARとの親和性が高い
Unityは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の開発にも広く活用されています。メタバースは、VR/ARとの密接な関係を持つ技術であり、VR/ARを使ってメタスバースを体験することが今後一般的になると考えられています。
Unityは、VR/ARの開発に必要な機能を備えているため、メタバースの構築にも最適なツールといえるでしょう。
メタバース構築への第一歩 ・Unityを活用する方法と重要なポイント
Unityを使ったメタバース開発を始めるには、まず基本操作と開発の流れを理解することが重要です。Unityは直感的な操作画面と豊富な機能を備えており、開発者は自由に創造的な作業を行えます。
ただし、メタバース開発の際は、そのプラットフォームの開発環境を確認することを忘れないでください。多くの場合、UnityのSDKか独自の開発ツールが用意されています。後者の場合、Unityで作成した内容を独自の開発ツールに移す必要があるので注意が必要です。
Unityでのプロジェクトの始め方
Unityでプロジェクトを始めるには、まず Unity Hub をインストールします。Unity Hub は、プロジェクトの管理、Unityエディタのインストール、アップデートの管理を容易にするツールです。
次に、適切なUnityエディタのバージョンを選択し、インストールします。これにより、プロジェクトの開発環境が整います。新規プロジェクトを作成する際は、プロジェクトのタイプ(2D、3D、VR/ARなど)を選択し、プロジェクト名と保存場所を指定します。
Unityインターフェースには、シーンビュー、ゲームビュー、ヒエラルキーウィンドウ、インスペクターウィンドウなどの基本的な構成要素があり、これらを理解することが重要です。また、アセットストアを利用して、プロジェクトに必要なアセットを追加することもできます。
Unityでのプロジェクト開発には、オブジェクトの作成と配置、スクリプトの追加、アニメーションの設定などの基本操作が含まれます。これらの操作を学習することで、ユーザーは自分のメタバース環境を構築できるようになります。
基本操作とユーザーインタフェースの理解
Unityのインターフェースは、初めは複雑に感じられるかもしれませんが、基本的な要素を理解すれば、効率的にプロジェクトを進めることができます。
主要なインターフェース要素には、シーンビュー(3Dプロジェクト空間の表示)、ゲームビュー(実際のゲーム画面のプレビュー)、ヒエラルキーウィンドウ(シーン内のオブジェクト一覧)、インスペクターウィンドウ(選択したオブジェクトの詳細設定)などがあります。
Unityの基本操作には、オブジェクトの作成と配置、テクスチャやマテリアルの適用、ライティングの設定、アニメーションの追加などが含まれます。これらの操作をマスターすることで、ユーザーは独自のメタバース環境を創造することが可能です。
Unityのインターフェースと基本操作に慣れるには、実際にプロジェクトを作成し、様々な機能を試すことが最も効果的ですので、ぜひ色々と試してみてください。また、Unityの公式チュートリアルやオンラインコミュニティからのサポートも大変有用です。
まとめ
今回はメタバースの発展に欠かせない要素であるUnityアセットについて解説しました。Unityアセットは、ゲームやアプリの開発に必要なリソースや機能を提供するものであり、メタバースの構築にも欠かせません。
Unityアセットには、3Dモデルやテクスチャ、エフェクトなどのグラフィック素材が含まれており、これらを活用することでリアルな世界を再現することが可能です。また、AIや物理演算エンジンなどの機能も提供されており、より高度なメタバースの構築を支援しています。
さらに、Unityアセットはコミュニティによって作成されるものもあり、多くの開発者が自身の作品を公開しています。これにより、開発者同士の情報共有やアセットの改良が行われ、より高品質なメタバースの構築が可能です。
これらの理由からも、Unityアセットは、メタバースの発展に欠かせない要素であり、開発者にとっては非常に重要な存在です。今後もさらなる進化が期待されるUnityアセットを活用し、より魅力的なメタバースを作り上げていきましょう。
株式会社リプロネクストは、自治体や企業のお客様に向けて、XRやメタバースのサービスを提供しています。全国的にも注目を集めている事例に多数関与しており、企画から開発、運営まで一貫して行うことができるのが私たちの強みです。
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