- 2023/12/27
- 2024/07/26
フォトグラメトリはiPhoneでも利用可能?おすすめのアプリも紹介
建物や人物などを撮影し、3DCGモデルとして再現できる「フォトグラメトリ」ですが、iPhoneでも利用できるか気になる方もいるのではないでしょうか。
結論としてiPhoneでも利用でき、一眼レフカメラなどを用意しなくても気軽にフォトグラメトリの作成が可能です。また、フォトグラメトリに対応したアプリを利用することで、本格的な3DCGモデルの編集もできます。
今回は、iPhoneを使用しての3Dスキャナー技術やフォトグラメトリの撮影方法について解説します。おすすめのアプリも紹介しますので、iPhoneでフォトグラメトリを利用したい方は、ぜひご覧ください。
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建物や人物などを撮影し、3DCGモデルとして再現できる「フォトグラメトリ」ですが、iPhoneでも利用できるか気になる方もいるのではないでしょうか。
結論としてiPhoneでも利用でき、一眼レフカメラなどを用意しなくても気軽にフォトグラメトリの作成が可能です。また、フォトグラメトリに対応したアプリを利用することで、本格的な3DCGモデルの編集もできます。
今回は、iPhoneを使用しての3Dスキャナー技術やフォトグラメトリの撮影方法について解説します。おすすめのアプリも紹介しますので、iPhoneでフォトグラメトリを利用したい方は、ぜひご覧ください。
目次
1.iPhoneを使用した3Dスキャナー技術は2種類ある
引用:STYLY
iPhoneを使用して3DCGモデルを作成する技術には「フォトグラメトリ」と「LiDAR」の2種類があります。それぞれ異なる特徴を持っているため、3DCGモデルを作成する際に把握する必要があります。
ここでは、フォトグラメトリとLiDARの特徴について解説します。
1-1.フォトグラメトリとは
フォトグラメトリ(Photogrammetry)とは「Photo(光・写真)」「gram(記録)」「metry(測定)」を組み合わせた造語で「写真を使って測定する」といった意味を持ちます。
建築や工学、地質学などで利用されている技術で、特徴としては撮影した複数枚の写真を使用して、3D形状で表された地形の測量が可能です。撮影の際は特殊な道具を使用する必要はなく、通常の写真からでも測距ができるほか、多方面から撮影した写真を用いることで、建物の測距もできます。
現在では実在する場所や建物をデジタル空間に再現できる「デジタルツイン」が作成できる点においても注目されています。
1-2.LiDARとは
LiDAR(Light Detection And Ranging)とは、レーザー光を照射し反射光を利用して対象物までの距離や形などを計測する技術です。
自動車の自動運転をサポートする際に用いられるミリ波(周波数が30〜300GHzと非常に高い電波)レーダーよりも、人や障害物を高精度に検知できる点が特徴です。そのため、航空測量や地形図の作成、ゴルフでの距離の測定などにも用いられています。
LiDARは以下のiPhoneやiPadシリーズに搭載されています。
- iPhone12 Pro
- iPhone12 Pro Max
- iPhone13 Pro
- iPhone13 Pro Max
- iPhone14 Pro
- iPhone14 Pro Max
- iPhone15 Pro
- iPhone15 Pro Max
- iPad Pro(12.9インチ 第4世代以降)
- iPad Pro(11インチ 第2世代以降)
過去には2021年の東京オリンピックの体操競技で、演技の難易度を測定する際に用いられるなど、さまざまな用途に活用されています。
2.iPhoneを使用したフォトグラメトリの撮影方法
iPhoneを使用してフォトグラメトリを撮影する際、主に以下のような方法を用いるとスムーズに撮影できます。
- オブジェクトを中心として撮影する
- ターンテーブルを使用して撮影
- オブジェクトそのものを動かして撮影
2-1.オブジェクトを中心として撮影する
iPhoneを使用したフォトグラメトリの撮影では、オブジェクトを中心とした撮影方法が最も簡単です。オブジェクトの周辺を一周しながら撮影するだけなので、特別な機材を用意する必要もありません。
注意点としては、移動できるだけの空間が必要であることや、周囲の迷惑にならないよう配慮が必要な点です。専用のスタジオを借りると、周囲を気にすることなく撮影ができるでしょう。
2-2.ターンテーブルを使用して撮影
ターンテーブルを使用した撮影方法も、フォトグラメトリの撮影に適しています。ターンテーブルに載せたオブジェクトを回転させ、三脚などでカメラを固定することでブレずに撮影が可能です。
撮影の際は、ターンテーブルの側面を単色系の布などで隠すようにしましょう。隠さないまま撮影すると、ターンテーブルもオブジェクトの一部と認識してしまいます。
移動しながら撮影する必要がないことから、省スペースで撮影が完了できる点がターンテーブルを使用するメリットです。
2-3.オブジェクトそのものを動かして撮影
オブジェクト自体を動かしながら撮影する場合、フォトグラメトリアプリの「Polycam」や「Metascan」に搭載されている「Object Masking」と呼ばれる機能を使用する必要があります。
こちらの方法も省スペースで撮影できる点がメリットですが、撮影の精度は先に紹介した方法よりも劣る点に注意が必要です。しかし、Object Maskingの使用によって360度すべてをフォトグラメトリ化できるため、オブジェクトの土台部分も3Dモデル化できます。
3.iPhoneでスキャンができないもの
iPhoneを用いたフォトグラメトリでは、以下のようなものがスキャンできません。
- 透明または半透明のオブジェクト
- 表面に光沢があり反射しやすいもの
- 細かいものや薄いもの
- 複雑な形状のもの
- 動いている動物や子ども、走行中の車など
- 表面が単色系や特定の模様が連続しているもの
フォトグラメトリは透過されていないものはスキャンできますが、透明なガラスや半透明の容器をスキャンすることには向いていません。
光沢があるものや反射するものも、撮影した際に模様が異なって見えてしまいます。そのため、撮影後に編集しようとした場合に別の物体と認識してしまい、処理ができない場合があります。
細かいものや薄いものは、角度によってはうまく撮影できることもありますが、ほとんどのケースで正常に処理できないため、編集に苦労してしまうでしょう。
複雑な形状のものに関しては、撮影枚数を増やすことによって正常にスキャンできるケースもあります。しかし、iPhoneで撮影する場合、撮影枚数に制限があることを把握する必要があります。
iPhoneでスキャンする場合、基本的にオブジェクトが止まっていることが前提であるため、動いているものをスキャンすることはほぼ不可能です。
フォトグラメトリは、模様にさまざまな変化があるものがスキャンに適しています。そのため、単色系や同じような模様が続いているオブジェクトは正常に処理できないことが多いです。
4.iPhone向けおすすめフォトグラメトリアプリ5選
iPhoneに対応したフォトグラメトリアプリは、さまざまなものが用意されています。ここでは、以下の5つのアプリを紹介します。
- WiDAR(ワイダー)
- Metascan
- Polycam
- Scanverse
- PIX4Dcatch:3D scanner
4-1.WiDAR(ワイダー)
引用:WiDAR
「WiDAR」は、株式会社WOGOが提供する国産の3Dスキャンアプリです。専門知識がなくても直感的に3Dモデルの作成が可能で、編集機能やシェア機能を豊富に備えている点が特徴です。
フォトグラメトリとLiDARどちらにも対応しており、1度タップをするだけで切り替えられるため、オブジェクトに応じてスムーズに撮影ができます。撮影の際は一定速度で自動的にシャッターをきれるので、動画を撮影するような感覚でオブジェクトの特徴を捉えられます。
建物や広い空間のスキャンにも対応しており、データの保存や共有はクラウド上での管理も可能です。また、日本の企業が開発したアプリであるため、日本語でのサポートに対応している点も特徴の一つです。
4-2.Metascan
引用:Apple
「Metascan」は、LiDARセンサーを搭載したiPhoneやiPadでは空間のキャプチャを素早く行えるほか、3DCGモデルを細かく作成できる点が特徴のアプリです。空間の生成に適しており、建物内や屋外の撮影もスムーズに行えます。
そのほかの特徴として、VR表示が容易にできるほか上空から見下ろしたアングルからLiDARスキャナの利用が可能です。また、クラウド共有リンクを「Meta Quest2」のブラウザから開けるため、VR上で3Dスキャンモデルが閲覧できます。
最大5回まで無料で利用できますが、それ以降は有料オプションへの加入が必要です。
4-3.Polycam
引用:Apple
「Polycam」は、インターネットへ接続することなく3Dデータを作成できるほか、初心者でも利用できるよう操作方法が簡単な点が特徴のアプリです。
空間や物体のスキャンも可能で、生成後は直接3Dプリントできる点もポイントです。スキャンの速度が遅いなど品質は高くありませんが、データの品質が高い点が特徴です。
月額プランと買い切りプランが用意されており、月額プランは450円/月、買い切りプランは4,900円で購入できます。
4-4.Scaniverse
引用:Apple
「Scaniverse」は、無料でアプリ内の全機能が利用できるほか、高速で処理ができる点が特徴の3Dスキャンアプリです。また、LiDARセンサーを搭載していない機種でも利用できる「No LiDARスキャン」に対応。LiDARを搭載した機種と変わらないレベルでのスキャンも可能です。
スキャンをする際に人や家具、建物などさまざまな対象物に適したモードの選択も可能。スキャンが完了した後も質感の保持や、スキャンの確認ができるモードを備えている点もScaniverseの特徴です。
4-5.PIX4Dcatch:3D scanner
引用:Apple
「PIX4Dcatch:3D scanner」は、画像を「PIX4Dcloud」へアップロードすることにより、精度の高い3Dデータの取得ができるアプリです。LiDARセンサーを搭載した機種の場合、ビデオフレームに3Dメッシュを表示できるため、AR(拡張現実)を用いてスキャンデータの保管もできます。
そのほかの機能として、関連するパソコン用のソフトを利用することでさまざまな機能が利用できます。例えば「PIX4Dmatic」へデータを移すと、パソコン上でデータの処理が可能です。深度または高密度点群のいずれかを使用、もしくは両方を一体化させるかを選択できます。
5.まとめ
iPhoneを使用して3Dモデルを作成する場合、フォトグラメトリもしくはLiDARのいずれかを使用することになります。iPhoneでフォトグラメトリを作成する場合、オブジェクトを中心として周囲を移動しながら撮影する方法や、ターンテーブルを使用して撮影する方法などがおすすめです。
iPhoneでは、透明や半透明のオブジェクト、複雑な形状をしたオブジェクトなどはスキャンが困難です。そのため、模様が統一されていないものや動いていないものを撮影するよう注意しましょう。
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