- 2024/03/28
- 2024/05/17
メタバース×SNS|その違いやメタバース型SNSを利用するメリット・種類を徹底解説
近頃、「メタバース」という言葉をよく耳にするようになりました。
技術がどんどん進歩し、メタバースによって私たちの前に開かれる世界はとても大きいものになっています。
私たちの生活に浸透していくメタバース。
今回は、メタバースとSNSの関係性について、その違いやメタバース型SNSの紹介など、まるまるっと解説していきます。
「メタバースとSNSはどのような部分が違うのかを知りたい」
「メタバースでもSNSのような使い方ができるのであれば利用してみたい」
このように感じていらっしゃる方がいましたら、ぜひ本記事を参考になさってください。
メタバースとSNSの関係性について、深く理解できるはずです。
メタバースtips編集部です。メタバースをビジネスで活用したい人向けの記事を月間20本制作中。メタバースに関わる情報やトレンドを発信しています。
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目次
メタバースとは
まずは、メタバースについて詳しくみていきましょう。
メタバースとは、インターネット空間に構築された「仮想空間」のことを指します。
利用者は自身のアバターを利用して、他者と交流したり、展示やゲーム、イベントを楽しんだりと、出来ることはまさに無限大。
近年では、エンターテイメント業界をはじめ、医療や観光業など様々な分野で活用され始めています。
SNSとの違い
メタバースとSNSの違いは一体なんなのでしょうか。
SNSは主にテキストや写真、動画などをベースにして、画面上で「一対一」または「一対多数」のコミュニケーションが行われる二次元のプラットフォームです。
一方、メタバースでは、自身のアバターを操作して仮想空間を移動することが主体となり、より立体的なコミュニケーションが可能となります。いわば、三次元のコミュニケーションといえます。
「メタバースはSNSの進化系である」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、決してそういうわけではなく、それぞれが独自の役割を果たしているため、メタバースが発展しても、二次元のSNSが完全に消滅するというわけではありません。
むしろ、メタバース内で知り合った人々が手軽に連絡を取り合うために、依然として二次元のSNSが活用されることは多々あります。
今後も、SNSは重要なコミュニケーションツールとして存在し続けるでしょう。
VRとの違い
よく混合されるものに、「VR(仮想現実)」という言葉があります。
しかし、両者には決定的な違いがあります。
メタバースは「仮想空間」であり、反対にVRは「技術」です。
メタバースは仮想空間そのものを指し、一方のVRはその空間への没入感を高める「手段」とみなすことができます。
具体的な例として、VRゴーグルをはじめとするVR技術を使用してメタバース空間に入ることで、より深い体感を得ることができるというケースが挙げられます。
メタバースとVRの違いについて詳しく説明している記事はこちら
メタバースの活用事例
現在でも、ビジネスでメタバースを利用して大きな利益を得ている会社は数多く存在します。
大日本印刷
大日本印刷はAKIBA観光協議会と連携し、「バーチャル秋葉原」を発表しました。このプロジェクトは、世界中のどこからでも秋葉原の文化や魅力を体験できるもので、国内だけでなく海外からも多くのアクセスがあり、国籍を問わず多くの人々に楽しまれています。
ANA
ANAホールディングスは、2022年5月に新会社「ANA NEO」の設立を発表しました。
この新会社は、仮想空間上で様々なアトラクションを楽しめるサービスなどを提供します。
リプロネクスト
株式会社リプロネクストは、鹿児島大学教育学部付属小学校様からの依頼を受け、高学年の英語学習に活用されるメタバース空間を制作しました。
この空間は、生徒たちがより馴染みやすい環境を提供することを目標として、スーパーマーケットやフードコートなどが配置されたショッピングモールを模した空間となっています。
生徒たちはアバターを使って参加し、店員と客役に分かれて、英語での買い物を楽しむ授業を行います。
メタバースでできること
メタバースできることには以下のようなものがあります。
・仮想空間でのイベント体験(ライブ、上映会など)
・仮想空間での新たなビジネス創出(商品・サービス販売、展示会、セミナーなど)
・ゲーム
・ユーザー同士のコミュニケーション
メタバースの特徴は、これまでの二次元オンラインミーティングツールやSNSとは異なり、自分のアバターが仮想空間で社会生活を再現できる点です。
これにより、「画面越しになんとなく映像を見ているだけ」という二次元世界とは異なり、実際にその場にいるような感覚を味わうことができます。
そのため、音楽ライブや映画の上映会、ビジネスでの会議、商品の販売、展示会など、様々な用途に活用することができます。
また、仮想通貨を用いることで、メタバース上で実際の収益を上げることも可能です。
そのため、メタバースは企業の販売促進やマーケティングの場としても利用が期待されています。
中には、メタバースを投資の場として活用したり、資産運用の目的で利用したりする人もいらっしゃいます。
メタバースの種類
メタバースの種類は、以下の4つに分類することができます。
ゲーム型
メタバースを利用したゲームは、沢山存在します。
他のプレイヤーとのマルチプレイが可能であることも、ゲーム型の特徴の一つです。
具体的な例としては、以下のようなゲームが挙げられます。
・Fortnite・Minecraft・あつまれどうぶつの森・Roblox |
ソーシャル型
ソーシャル型とは、他のユーザーとのコミュニケーションを重視したメタバースのことを指します。
・Bondee・ZEPETO・VRChat・cluster |
その特性を活かし、イベントやビジネス活動にも広く活用されることが増えてきています。
ビジネス型
主にビジネス活動を行うメタバースを指します。
・XR CLOUD・DOOR by NTTXR・Horizon Workrooms・oVice |
to B向けであるため、ゲーム等の機能は乏しいものの、コミュニケーションが簡単に取れる機能や画面共有機能などといった、ビジネスで利用できるような特徴が多々あります。
Web3.0型
Web3.0型とは、ブロックチェーン技術を利用して作られたメタバースを指します。
ユーザーは空間内でNFTや仮想通貨を用いて商業活動をすることができ、収益を得ることができます。
・The Sandbox・Decentraland・Axie Infinity・XANA |
最近では、ビジネスとしても利用されることが増えており、今後も発展していくことが期待されている種類のメタバースです。
メタバース型SNSのメリット
メタバース型SNSのメリットとして以下のようなものが挙げられます。
・非日常体験が可能であること
・現実に近いコミュニケーションができること
・新しい経済圏を開拓できること
・距離を感じることなくイベントやミーティングに参加できること
メタバースの最大のメリットは、物理的な距離を感じることなく、世界観やリアル感を体験できる点にあります。
また、仮想空間でイベントやビジネスを行うことで、移動費や時間、光熱費、家賃などのコスト削減につながるというメリットもあります。
メタバース型SNSのデメリット
メタバースには、もちろんデメリットも存在します。
主なデメリットとしては、
・参入への敷居が高いと感じる人が多い
・高い依存性がある
・法律がまだ十分に整備されていない
・セキュリティの脆弱性
などが挙げられます。
特に、メタバースの高い依存性は懸念される点のひとつです。
没入感が高いため、長時間メタバースで過ごすと現実世界でのコミュニケーションが希薄になる可能性もあります。
また、法整備が追いついていないことやセキュリティの脆弱性から、仮想通貨の取り扱いに慎重にならざるを得ない点などが、デメリットとして挙げられます。
メタバース要素を持つSNSは従来のSNSとどう違う?
従来のSNSとメタバース型SNSとの最大の違いは、仮想空間の有無です。
メタバース型SNSでは、バーチャル世界に入り込み、アバターを通じてコミュニケーションを取ることができます。
仮想空間をSNSに組み込むことで、3つのメリットが生まれます。
・身体操作によって表現の幅が広がる
・現実世界と仮想空間の区別が可能になる
・仮想空間内で経済が形成される
平面上のコミュニケーションから次元が拡張され、現実世界と同じように意思疎通が可能になる点が魅力です。
さらに、仮想空間内で経済活動が生まれるなど、コミュニケーションツールの枠組みを超えた活用方法も期待されています。
表現の幅の広がり
従来のSNSではテキストを通じてコミュニケーションを行いますが、メタバース型SNSではボディランゲージによる意思疎通が可能です。
また、相手のアバターと握手をするなど、距離感の近いコミュニケーションもできるようになります。
自己表現が現実世界に近い形で行えるだけでなく、テキストやボイスチャットを通じた会話も、もちろん可能です。
従来のSNSと同様に利用できるため、ユーザーのリアクションが増えることも魅力的。
トラッキング技術の発展により、アバターの動きが、現実世界により近づいています。
また、デバイスの進化によって表情の変化が反映されるようになり、バーチャル空間内での感情表現も一層豊かになっています。
現実と仮想空間の切り分け
メタバース型SNSは、仮想空間内でコミュニケーションが生まれるため、自身がその世界に没入している感覚が特徴です。
一方、従来のSNSは主にメッセンジャーアプリとしての側面が強く、現実世界の延長として使用されています。
また、両方のSNSを利用するユーザーの声をリサーチした結果、以下のような意見が多く寄せられました。
従来のSNS:現実世界の延長として活用する
メタバースSNS:仮想空間で理想の自分を表現するために利用する
従来のSNSとメタバースSNSを比較すると、それぞれの利用シーンが大きく異なることが明らかです。
従来のSNSは現実世界のコミュニケーションツールとして活用される一方、メタバースSNSはバーチャル世界を楽しむために利用される傾向があります。両方のアプリを利用するユーザーの中には、現実世界と仮想世界の境界が明確になっており、それぞれ異なるツールとして活用されています。
仮想空間内での経済
既に仮想空間内での雇用が始まっており、メタバース型SNSを通じてビジネスが成立している事例も増えています。
3Dクリエイターがアバターに使用する服装やアクセサリーを制作するなど、新たな市場が形成されつつあるといえるでしょう。
従来のSNSが持つコミュニケーションツールとしての枠組みを超えて、メタバース領域で独自の経済が発展する可能性もあります。仮想現実で1日の大半を過ごすユーザーも珍しくなく、市場規模の拡大が予想されています。
さらに、2022年5月にInstagramがNFTに対応することを公表しました。これによりデジタル資産の需要が高まり、SNSを中心としたNFT市場に注目が集まっています。
メタバース要素を持ったメタバース型SNSアプリ5選
アバターを作成し、仮想空間でコミュニケーションが楽しめるSNSを紹介します。
・ZEPETO・Bondee・cluster・パラレル・instagram |
メタバース型SNSの特徴は、現実世界と切り離された空間で会話を楽しめる点です。
表面上のコミュニケーションツールではなく、アバターを介して仮想空間内で意思疎通する部分が従来のSNSとの相違点といえます。
スマホがあれば簡単にアカウント作成ができるため、気になる方はチェックしてみてください。
ZEPETO
ZEPETOは、韓国企業『NAVER Z Corporation』が開発したメタバースプラットフォームです。
3億人を超えるユーザー基盤を持ち、主にZ世代の女性を中心に人気を博しています。
従来のSNSとの違いは、「ワールド」と呼ばれる仮想空間が存在する点です。
自分のアバターでワールドに飛び込み、バーチャル空間で現実世界と同様のコミュニケーションが可能です。
さらに、多くの大手企業とのタイアップがあり、有名なファッションブランドであるGUCCIやディオールとのコラボ事例もあります。
また、大手通信会社である「ソフトバンク」がZEPETO内にバーチャルショップを開設するなど、多くの企業がメタバース事業の一環としてZEPETOを活用しています。
Bondee
Bondeeは、2023年にリリースされた最新のメタバースアプリです。
ゆる可愛いアバターを作成し、友人とコンタクトを取るためのメッセンジャーアプリとして利用されています。
このSNSは、友達の上限が50名と少なめに設定されており、他のSNSよりもクローズドなコミュニケーションが可能です。ホーム画面から友人の様子を確認できるなど、実生活に近い距離感で会話を楽しむことができます。
Bondeeは、LINEなどのメッセンジャーアプリと同様の立ち位置にありますが、相手の状態に合わせて連絡を取りやすい点が特徴です。また、現実世界とのリンクによってアバターが変化するなど、メタバースを取り入れた新しいSNSとして注目されています。
cluster
clusterは、日本最大規模のメタバースプラットフォームです。
このプラットフォームは、家から音楽ライブに参加したいという欲求から発足し、「引きこもりを促進させる」というユニークなコンセプトを持っています。
バーチャル渋谷として東京都渋谷区公認の仮想都市や、国民的な知名度を誇るポケモンとのコラボレーションである「ポケモンバーチャルフェスト」など、大規模なイベントを積極的に開催しています。
clusterは、仮想空間で楽しむためのコンテンツ作りに力を入れており、地域のプロモーションや企業のPRイベントにも積極的に活用されています。
パラレル
パラレルは、Z世代に大人気のメッセンジャーアプリです。
スマートフォンでも、PCと比べてスペックが劣っている場合でも、複数人での会話を楽しむことができるため、広く支持されています。
このアプリには、スマホ画面を共有して会話を楽しむ機能などが搭載されています。
また、ゲームのマルチプレイ時にも利用されるなど、SNS上での交流の場としての役割も果たしています。
一部のネット記事では、パラレルをメタバースSNSとして紹介しているものもありますが、実際にはパラレルにはメタバース要素は含まれていません。このアプリは通話アプリとして利用されており、仮想現実を楽しむためのツールではないので、注意が必要です。
Instagramは、写真共有を主軸としたSNSです。
TwitterやMeta(旧facebook)と比べて、画像や動画に重点を置いており、ハッシュタグやインフルエンサーを活用したマーケティングの先駆けとも言えます。
メタバース分野への参入動向がますます強まっており、仮想空間を商品のPRやブランディングに活用する事例も増えています。
AR技術を用いて家具の配置シミュレーションを行ったり、カタログにスマートフォンをかざすと3Dモデルが表示されるなど、拡張現実を活用した取り組みも見られます。
また、Instagramを運営する「Meta社」では、仮想空間内でのNFT売買を可能にする環境を整備していることを公表しています。
メタバース分野での経済活動を促進するために、着実に準備が進められていると言えるでしょう。
メタバース型SNSが秘める可能性
ここまでSNS型メタバースついてご紹介してきましたが、最後にSNS型メタバースが秘めている可能性をご紹介します。
SNS型メタバースを利用するか否か悩んでいるという方は、是非参考にしてみてください。
理想の自分に
空間内での自身の分身となるアバターは、必ずしも現実の自分を完全に再現する必要はありません。人種や障害の有無など、外見に関係なく「理想の自分」を表現する人が多いでしょう。
メタバースでは外見を自由に決めることができ、その外見によって性格や声のトーン、言葉遣いなども自在に変えることができます。
また、同じ空間でも異なるアバターを使って別の自分を表現することができるため、より多くの人が利用すれば、多様性に富んだ空間になり、新たな楽しみ方が見つかるかもしれません。
クリエイターとしての活動
SNS型メタバースには、自分で空間を作成することができるものもあります。
例えば、clusterの空間制作ツールを使用すれば、誰でもクリエイターになることができます。
制作は難しいですが、自分の作った空間を世界に発信し、その魅力に共感した人々が集まってくる喜びは計り知れません。
SNSメタバースに対する期待が高まる中、世界的な注目を浴びるメタバースを作るのは、あなたかもしれません。
まとめ
メタバース型のSNSは、主にZ世代を中心に普及が進み、新たなプラットフォームとして認知されつつあります。
その没入感はまるで別世界にいるかのようであり、従来のSNSでは得られなかった体験を可能にしました。
しかし、デバイスの価格帯やメタバースの認知度など、まだまだ普及には時間がかかると予想されます。それでも、メタバース要素が次世代のSNSを形作る日は、そう遠い未来ではないかもしれません。
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自治体・企業様それぞれに向き合い、メタバースの力を使って、共に新しい世界を構築していきましょう。
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