- 2024/06/06
Unityで3Dモデルを作る方法!簡単に作成できる無料ソフトも紹介
3Dモデルの作成は、ゲーム開発やアニメーション制作、さらには建築デザインなど、さまざまな分野で導入されています。
なかには、3Dモデルの実装を検討しているものの、「3Dモデリングなんて難しそう…」と思っている企業の方もいるでしょう。
そんな方に朗報です!Unityを使えば、初心者でも手軽に3Dモデルを作成できます!また、無料で使える優れた3Dモデル作成ソフトも多数存在します。
そこで本記事では、Unityで3Dモデルを作る方法をわかりやすく解説し、簡単に始められる作成ソフトもご紹介します。
これから3Dモデリングを始めたいと思っている方や、既にUnityを使っているけれど3Dモデルの作成方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
そもそもUnityとは?
そもそもUnity(ユニティ)とは、主にゲーム開発に使用されるクロスプラットフォームのゲームエンジンおよび開発環境です。
Unity Technologies社が開発したツールで、開発者が2Dおよび3Dのゲームやシミュレーションを作成するために利用されます。Unityは使いやすさと柔軟性から、プロのゲーム開発者から趣味で開発する個人まで、幅広いユーザー層に利用されているツールです。
そんなUnityの最大の特徴は、そのマルチプラットフォーム対応能力です。開発者は一度ゲームを作成すれば、PC、コンソール、モバイルデバイス、ウェブ、VR/ARヘッドセットなど、さまざまなプラットフォーム向けに簡単にエクスポートできます。つまり、同じゲームを異なるデバイスでプレイできるようになります。
Unityはまた、初心者にも優しい設計がされているのが魅力です。直感的なインターフェースと豊富なドキュメント、チュートリアル、コミュニティサポートが用意されているため、プログラミング経験の少ないユーザーでも簡単に習得できます。
上記の特徴から、Unityは現代のデジタルコンテンツ制作において欠かせないツールです。
3Dモデルの種類
3Dモデルを作ると言っても、そもそもモデルにはいくつかの種類があります。
- ポリゴンモデル
- スカルプトモデル
- CAD
- 曲面モデル
主にゲームにおいて使用されるのは、最も一般的な3Dモデルの形式で、三角形や四角形のポリゴンで構成されるポリゴンモデルです。
スカルプトモデルは、デジタル彫刻によって作成される3Dモデルです。粘土を彫るようにモデルを作成するもので、特にキャラクターやクリーチャーの詳細なディテールを表現するのに適しています。
CAD(キャド)とは、「Computer Aided Design」の略で、コンピュータを使用して図面や設計を行う技術のことを指します。自動車や航空機などの工業製品や、家電製品のモデリングなどで広く利用されています。
曲面モデリングとは、スプライン曲線やNURBS曲線などの数学的なカーブを利用して形状を作成する手法です。ポリゴンモデリングのように多くのポリゴンを組み合わせる必要がなく、少ない情報量で滑らかな曲線を描ける点がメリットです。主に、設計図、建築デザインなどでよく使われています。
ゲーム開発での3Dモデルに用いられるのは主にポリゴンモデルですが、3Dモデルにはいくつか種類があるのは把握しておきましょう。
3Dモデルを作成できる無料ツール
3Dモデルを作成できるツールは様々あり、無料のものもあれば、有料のものもあります。
初心者の方は、まずは無料ツールを使ってみて、もっと充実した機能が欲しければ有料ツールに切り替えるのが良いでしょう。
ここで紹介するツールは、無料と言っても有名で評判が高いものなので、ぜひ使ってみてください。
Blender
Blenderは、統合型3DCGソフトです。
3Dモデルだけではなく、アニメーション、シミュレーション、モーショントラッキングなど、幅広い機能を持つオープンソースの3D制作ツールです。
強力な機能を備えているため、プロのアーティストやデザイナーにも人気があります。初心者向けのチュートリアルも豊富で、コミュニティも活発です。
また、拡張性にも大きな魅力があります。ユーザーがカスタムツールやアドオンを作成して機能を追加できるため、自分のプロジェクトに最適な環境を構築が可能です。
Tree it
「Tree It」は、無料で利用できる3Dツリー生成ツールです。ゲーム開発や3Dアニメーション制作において、自然でリアルな樹木モデルを簡単に作成するために設計されています。
Tree Itの最大の特徴は、その直感的な操作性です。ユーザーはパラメータを調整して、様々な種類の樹木を簡単に生成できます。例えば、樹木の高さ、幹の太さ、枝の広がり具合、葉の密度などを調整すれば、自分のイメージにあった樹木の生成が可能です。
また、生成された樹木モデルは、OBJ形式でエクスポートできるため、他の3Dモデリングツールやゲームエンジンと互換性があります。
Tree Itは、樹木で覆われたステージをゲーム内で作成するのに重宝されるツールです。
Sculptris
「Sculptris」は、無料で利用できる3Dスカルプティングツールで、Pixologic社が提供しています。特にデジタルアートやゲームデザインの分野で、直感的に3Dモデルを作成するために設計されています。
Sculptrisの最大の特徴は、その使いやすさと、細部まで詳細にモデリングできるスカルプティング機能です。ユーザーフレンドリーなインターフェースを持ち、初心者でもすぐに使い慣れます。
粘土をこねるような感覚でモデルを形作れるため、アーティストが思い描く形状を自由に表現できます。ブラシツールを使って、モデルの表面を細かく調整し、複雑なディテールを追加するのも可能です。
また、Sculptrisは動的トポロジーという技術を採用しており、モデルのメッシュを自動的に最適。これにより、モデルの形状を変形させる際にメッシュの品質を保て、スムーズな作業ができます。
Sculptrisは、無料で利用できるにもかかわらず、強力なスカルプティング機能が実装されています。趣味程度で使いたい初心者から、細部にこだわりたいプロフェッショナルまで、幅広いユーザーにとって価値のあるツールです。
ProBuilder
「ProBuilder」は、Unityに組み込まれている無料の3Dモデリングツールで、ゲーム開発者やデザイナーにとって非常に便利です。Unityエディタ内で直接3Dモデルを作成、編集、テクスチャリングできるため、プロトタイピングから最終的なモデル作成まで幅広く利用されています。
ProBuilderの最大の利点は、その使いやすさとシームレスな統合です。ユーザーフレンドリーなインターフェースを持ち、直感的な操作で3Dオブジェクトを迅速に構築できます。
Unityエディタ内で動作するため、開発者は他のプラグインやソフトウェアを使用することなく、ゲームシーンに直接モデルを追加し、編集が可能です。
また、ProBuilderは他のUnityツールと連携して機能します。たとえば、ProGridsを使用すると、精密なグリッドスナップ機能を活用し、正確なモデル配置ができます。これにより、複雑なレベルデザインや建築物の作成が容易です。
ProBuilderは、Unityと同じ操作感で簡単にモデリングできるため、普段Unityしか使わないクリエイターにとっても非常に便利です。BlenderやSculptrisなどの他のソフトの使い方を新たに習得する手間を省きたい方に特におすすめです。
3Dモデルを作成できる有料ツール
ある程度使い慣れて、より高度な機能が欲しい方は有料ツールの検討をしましょう。
ここでは、3Dモデルを作成できるおすすめの有料ツールを紹介します。
MAYA
Mayaは、業界標準として広く使用されている高度な3Dモデリング、アニメーション、レンダリングソフトウェアです。
映画、テレビ、ビデオゲーム、アニメーション、建築などの分野で幅広く使用されており、任天堂やバンダイナムコなどが全面的に導入しているほどです。
キーフレーム、シミュレーションなどのアニメーション機能、高品質なレンダリング、テクスチャペイント、パーティクルエフェクトなど、豊富な機能を備えています。
これらの機能を組み合わせると、非常に強力な3D制作ツールとして、Mayaは役立ちます。
ZBrush
ZBrushは、デジタル彫刻ツールとして知られ、高度な3Dモデリングを可能にする有料ソフトウェアです。リアルタイムスカルプトやテクスチャペイント機能を備え、キャラクターや生物のディテールを細かく表現できます。
さらに、ZBrushには、カスタムブラシを作成できる機能があります。形状やテクスチャ、色をリアルタイムでデジタル粘土に適用し、即座に効果を確認が可能です。ZBrushは、業界標準のツールとして、キャラクターデザイン、ゲーム開発、アニメーション制作などで広く使用されています。
SpeedTree
SpeedTreeは、有料の3Dモデリングソフトウェアであり、リアルな植物や自然環境のモデリングに特化しています。無料ツールで紹介した「Tree it」の有料版と言えます。有料なので、Tree itよりもより高度な機能が充実。植物の形状、テクスチャ、動きをリアルタイムで調整でき、高度なカスタマイズや詳細な制御が可能です。
SpeedTreeは、モデリングからテクスチャリング、アニメーションまで、植物の制作プロセスを効率化し、リアルな結果を反映。また、様々な樹木種や季節変化、風の影響など、多彩な要素を扱えます。SpeedTreeは、高品質な植物モデルを迅速に作成するためのツールとして注目されています。
3dsMax
最後に紹介するのは、広範な3Dモデリングとレンダリングに特化した有料ツールである「3dsMax」です。アニメーション、エフェクト制作においても優れた機能を持ち、プラグインの豊富さが最大の魅力です。
映画やゲーム業界で多く利用され、専用プラグインの充実が、制作の幅を広げます。なんと「君の名は」や「鬼滅の刃」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」などの作品制作に活用されています。
3dsMaxはハイレベルな制作を可能にするツールです。しかし、一部のプラグインは高価であり、活用するのにも高度な技術も必要になってきます。
メタバース開発におけるUnityの役割
Unityはメタバース開発においても重宝されます。主な理由は、対応しているプラットフォームの豊富さです。UnityはPC、モバイル、VR、ARなどの複数のプラットフォームに対応しており、開発したコンテンツを幅広く展開できます。
ここでは、メタバース開発におけるUnityの役割について紹介します。
リアルタイム3Dの表現力
Unityは、メタバース開発においてリアルタイム3Dの表現力を担う重要な要素です。Unityの強力なグラフィックスエンジンとアニメーション機能により、リアルな世界やキャラクターをダイナミックに表現できます。
また、物理エンジンを活用すると、よりリアルな挙動や物理法則のシミュレーションが可能です。Unityによって、ユーザーは臨場感ある体験を得られ、メタバースの魅力を最大限に引き出せます。
メタバース開発に必要なSDKが提供されている
Unityが幅広いSDK(Software Development Kit)を提供しているのもメタバース開発において重要な役割を果たしています。
含まれているのは、VR、AR、クロスプラットフォーム対応、ネットワーキング、人工知能など、メタバース開発に必要な機能です。
UnityのSDKは豊富で使いやすく、開発者が素早く効率的にメタバースを構築できるので、メタバース開発において不可欠なプラットフォームです。
VR/ARとの親和性
VRやARとの親和性もUnityの大きな特徴です。Unityは、これらの技術をサポートするための豊富なツールを備えており、開発者が簡単にVRやARコンテンツを作成できる環境を提供しています。
また、Unityのクロスプラットフォーム対応性も重要であり、様々なデバイスやプラットフォームでVRやAR体験を展開することが可能です。
さらに、Unityは強力なグラフィックスエンジンと物理エンジンを備えており、リアルなVR/AR体験を実現するための基盤を構築しています。
そのため、UnityはVRやARを含むメタバースの開発において、信頼されるプラットフォームとして広く利用されています。
有料・無料で使えるアセットが豊富
Unityは、有料・無料のアセットが豊富に揃っているのもメタバース開発において大きな役割です。
Unity Asset Storeには、3Dモデル、テクスチャ、エフェクト、スクリプトなど、様々なアセットが揃えられています。これらのアセットを活用すると、素早くかつ効率的にコンテンツ構築が可能です。
また、有料アセットの中には高品質でより専門的なものも含まれており、プロジェクトのニーズに合わせて選択できます。
さらに、無料アセットも多数存在し、開発コストを抑えながら高品質なコンテンツを利用可能です。Unityのアセットストアは、開発者がメタバースをより魅力的で多彩なものにするための貴重なリソースとなっています。
豊富なコミュニティと情報資源
Unityはメタバース開発において、豊富なコミュニティと情報資源を取り揃えています。
Unityの公式フォーラムやコミュニティサイト、SNSグループなど、多くの場で開発者が情報を共有し、相互にサポートしあっています。
また、Unityのドキュメントやチュートリアル、ビデオコースなど、豊富な学習資源が豊富です。
Unityのコミュニティと情報資源は、開発者がスキルを向上させ、新たなアイデアを実現するための重要な支援システムとなっています。
Unityを使ったメタバースの具体例
ここまで、Unityのメタバースに与える重要な役割を解説しました。
では実際に、Unityを使ったメタバースの事例についていくつか紹介します。
VRChat
VRChatは、ユーザーが3Dアバターを使って仮想空間内で交流やイベントを楽しめる、Unityをベースにした仮想世界プラットフォームです。
Unityを使用して様々なカスタムワールドやアバターを作成し、ユーザーが独自の体験を共有できるようになっています。
VRChatは、世界的に最も使われているメタバースプラットフォームです。
Cluster
Clusterは、Unityを使用して構築されたオンラインメタバースプラットフォームです。ユーザーが仮想空間内で3Dアバターを操作し、リアルタイムで他のユーザーと交流できます。
特徴は、Unityの強力なグラフィックスエンジンとアニメーション機能を活用して構築された魅力的な仮想空間です。ユーザーは、自分のアバターをカスタマイズしたり、他のユーザーとのインタラクションを楽しんだりできます。
さらに、Clusterでは様々なアクティビティやイベントが定期的に開催されており、Unityを使ったリアルタイムのプログラミングによって、ユーザーが参加できるゲームやアクティビティを体験できます。
Spatial
最後に紹介するのは、ユーザーが仮想空間内でリアルタイムでコラボレーションし、仮想オフィスやイベントスペースを構築できる「Spatial」です。
Unityのグラフィックスエンジンと物理エンジンを活用して、魅力的な仮想環境が実現されています。ユーザーは、自身の3Dアバターをカスタマイズし、他の参加者とリアルタイムで会話や作業が可能です。
さらに、Spatialではホログラムや3Dオブジェクトの共有、リアルタイムの手書きノート機能など、Unityを活用した機能も備わっています。
SpatialはUnityを使った先進的なAR/VRメタバースプラットフォームです。ユーザーが仮想空間内で効果的にコラボレーションし、生産性を高めるためのツールとして注目されています。
メタバースの作成事例
最後に、私たちリプロネクスト株式会社が実際に制作したメタバースの開発事例を紹介します。
弊社は、税理士事務所向けのメタバースオフィスを開発しました。このオフィスは、全国のお客様や求職者との交流を促進し、広報活動や採用活動に活用されます。
注目すべきは、オフィス内の会議室エリアです。細部にわたる配慮がされ、リアルなオフィス環境を再現しました。これによって、よりオフィスにいるような感覚での円滑なコミュニケーションが可能です。
コロナ禍でのリモートワークの普及に伴い、メタバース技術の活用は別の場所にいながら密接なコミュニケーションを実現します。
この取り組みは税理士業界における国内初の試みであり、注目されている事例です。
まとめ
今回はUnityで3Dモデルを作成するツールやメタバースにおけるUnityの役割を解説しました。Unityで3Dモデルを作成するツールは無料から有料まで様々あります。初心者の方はまずは無料のものを試すのがおすすめです。
しかし、より高度な機能を実装したい場合には有料ツールに切り替えると良いでしょう。もしも、「どのツールが良いのかわからない」、「Unity を使った開発を依頼したい」方は、株式会社リプロネクストまでご相談ください。
リプロネクストでは、自治体や企業向けのXR・AR、メタバースの開発と運営を行っています。地域・会社のリアルな魅力を届けるためコンテンツ作りから発信までをトータルでサポートするので、ぜひお気軽にお問い合わせください。また、メタバースについてもっと知りたい方は、下記もご覧ください。
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ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。