- 2024/02/21
- 2024/07/26
メタバースとバーチャル(VR)の違いとは?メリットや事例も紹介
近年、技術の進化により、メタバースやバーチャル(VR)がさまざまなシーンで活用されるようになりました。しかし、メタバースとバーチャルの違いを明確に理解できていない方が多いことも現状です。
メタバースの世界における「バーチャル」とは「VR=バーチャル・リアリティ(仮想現実)」をさし、没入感のある体験ができるツールといえます。両者の違いを正しく把握しなければ適切に活用するのは困難でしょう。
そこで今回は、メタバースとバーチャル(VR)の違いについて解説しつつ、メリットや事例などもご紹介します。
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目次
メタバースとは
メタバースとは、コンピュータ内で構築された3Dの仮想空間やそれに関連するサービスをさすものです。メタバースという言葉は、1992年にニール・スティーヴンスンのサイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ』で初めて登場した造語であり、その後、テクノロジーの進歩により実際にさまざまなサービスが登場したことで、これらの総称や仮想空間自体の名称として使用されています。
ここでは、メタバースが注目されている理由とできることを解説します。
メタバースが注目されている理由
近年、メタバースが注目されている理由は、以下のとおりです。
- 大企業の参入
- 技術の進歩
- 新型コロナウイルスの影響
- ブロックチェーンと仮想通貨、NFTの登場
Facebookが社名をMetaに変更し、メタバースの構築に注力すると表明したことなど、大企業が次々とメタバース関連事業に参入しており、メタバースが世界中で注目されるようになりました。また、AR(Augmented Reality:拡張現実)やVRの進歩により、現実世界と仮想空間が共存し始めています。
さらに新型コロナウイルスの流行により、リモートワークやオンラインでの会議、パーティーなどが当たり前になったことで、仮想空間を人々が受け入れる素地ができあがりました。
そしてビジネス面においては、ブロックチェーン(取引記録を残しておく分散型の台帳で、暗号技術により取引履歴を過去から1本の鎖のようにつなげることが可能な技術)の技術によって仮想通貨やNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)が登場したことで、メタバースの浸透に拍車をかけています。NFTはデジタルコンテンツの所有権を証明するもので、デジタルアートやコレクターズアイテムなどの所有権が証明され、取引されている状況です。
これらの技術は、メタバース内での大規模な経済活動を可能にし、仮想空間上でも価値と所有権を確立できます。
メタバースでできること
メタバースは、仮想空間上でさまざまなことを実現することが可能です。例えばゲームや他のユーザーと交流、イベントの参加・主催、好きな部屋・世界の制作、あらゆる世界の探索、NFTの売買、ビジネス利用、Eコマース・サービスの提供などが挙げられます。
メタバースは場所に囚われることなく、オンラインで世界中の人とリアリティを持って接触できる点が特徴です。また、現実世界では体験できないような、新しい体験ができます。
さらにメタバースは、新しいビジネスを展開できる場所としても注目を集めています。
ただしウォレットの脆弱性や敷居の高さ、メタバースへの依存といったデメリットもあるため注意しなくてはなりません。
VR(バーチャル・リアリティ)とは
VRとは「Virtual Reality」の略で、日本語では仮想現実や人工現実などと訳されます。具体的には、専用のゴーグルを使用して360度の映像を視界に映し出すことで、現実の空間にいるかのような感覚をシミュレートする技術です。VRを介して、現実世界とほぼ同じような知覚体験を実現します。
ここでは、VRでできることをご紹介します。
VRでできること
VRの技術を活用することにより、以下のようなことが実現可能です。
- 立体的な映像が見られる
- VR空間の物体に触れる、動かせる
- VR空間内を移動できる
- ユーザーの動きに連動して映像が変わる
- 場所や顔の向きによって音の聞こえ方が変わる
また、VRは大きく視聴型と参加型の2つに分かれます。視聴型では3D映像を鑑賞するだけで、例えば授業や医療のサポートなどが行えます。一方、参加型のVRでは映像内を歩き回るだけでなく、映像内の対象物に触ったり操作したりできることがメリットです。
メタバースとVRの違い
メタバースとVRは、どちらもデジタル技術によって生み出される仮想世界ですが、その概念や利用方法、体験の質には大きな違いがあります。
メタバースは、インターネット上に存在している仮想的な「空間」です。現実世界を模倣したり、全く新しい世界を創造したりできます。また、ユーザー同士が自由にコミュニケーションを取りながら、仮想空間を探索することや活動できる点が特徴です。
一方、VRは仮想的な世界を体感できる「技術」をさします。VRの技術によって、仮想的な世界に没入しながら、現実のように感じられる体験を実現することが可能です。つまり、メタバースは「仮想空間そのもの」をさし、VRは仮想空間を体験するための「手段・技術」といえるでしょう。
メタバースでVRを活用するメリット
メタバースとVRを組み合わせることにより、さまざまなケースで活用できます。ここでは、メタバースでVRを活用するメリットをご紹介します。
対面に近いコミュニケーションの実現
メタバースでVRを活用することで、ユーザーは他のユーザーと対面のようなコミュニケーションを取ることが可能です。これにより遠隔地にいても、まるで同じ場所にいるかのようなリアルなコミュニケーション体験が実現できます。
現実世界でできないような体験が可能
メタバースは現実世界とは異なる仮想世界であり、その中における体験は現実世界の制約に縛られません。例えばVRゲーム内では、現実では不可能な飛行体験や、異なる時代や場所への旅行など、ユニーク、かつ新しい体験が可能です。
ビジネスでの活用ができる
ビジネス領域においても、メタバースとVRの活用が期待されています。例えば、仮想空間内でショッピングモールを立ち上げ、ユーザーが自由に商品を選び購入できるメタバースの活用例が一般的です。
また、不動産業界ではVRによって物件を仮想内見したり、医療分野では遠隔手術などのシミュレーションが行われたりするなど既にさまざまなシーンで活用されています。
VRやメタバースを用いた活用事例
VRやメタバースは、実際にはどのように活用されているのでしょうか。ここでは、VRやメタバースを用いた活用事例を6つご紹介します。
MiraVerse「バーチャル空間にショールームの作成が可能」
MiraVerseは、企業の製品や理想の環境をメタバース上で再現するサービスです。TOPPAN(旧凸版印刷)が培った色再現技術や質感計測技術、3DCG/VR技術、制作ノウハウをベースに、バーチャル空間で商品を自由に確認することや、さまざまな組み合わせのシミュレーションを実施できます。
バーチャルマーケット「世界最大級のVRイベント」
バーチャルマーケットとは、メタバース上の会場でアバターや3Dデータ商品、現実の商品(服、PC、飲食物など)を取引できる世界最大のVRイベントです。100万人以上が世界中から参加し、ギネス世界記録も達成しています。
福岡ソフトバンクホークス「メタバース空間に本拠地球場を再現」
福岡ソフトバンクホークスは、福岡PayPayドームをメタバース空間に再現し、来場体験ができるサービスを立ち上げました。この取り組みは、仮想空間と現実空間を連動させたメタバースを提供することを目指しています。こちらでは、コンサートなどを再現することが可能です。
公益財団法人日本サッカー協会「日本代表戦をメタバースで配信」
日本サッカー協会は、KDDIのαU metaverseを活用した「SAMURAI BLUE(日本代表)メタバース応援イベント」を開催しました。このイベントはSAMURAI BLUEの特別仕様で彩られたメタバース空間で参加者がつながり、さまざまなアクティビティを通じながら、アジアの頂点を目指して戦う日本代表を応援する企画です。
大阪府「メタバースやVRを活用して大阪の魅力を発信」
大阪府は、大阪の魅力を国内外に発信するためにメタバースを活用しています。「City of Emergence(創発する都市)」をテーマに多くの人々が集まり、新たな体験や表現を通じて大阪の新しい文化を生み出し、コミュニティを形成することを目指しています。
鹿児島大学教育学部附属小学校「メタバースとVRを活用した英語授業を体験」
鹿児島大学附属小学校では、児童たちがアバターを通じて学び、日常生活を再現した空間で楽しみながら英語を学ぶために、英語授業でメタバースを活用しています。児童たちが外国語科のコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら、やりとりを工夫できるようになることが目的です。
なお、リプロネクストはメタバースやVRを活用した多くの実績があります。詳細は以下でご確認ください。
まとめ
メタバースはインターネット上の仮想空間で、現実世界を模倣したり新しい世界を創造したりでき、ユーザー同士が自由にコミュニケーションを取ります。一方、VRは仮想世界を体感する技術で、現実のような体験を可能にする点が特徴です。したがって、メタバースは「仮想空間そのもの」、VRはその空間を体験する「手段・技術」といえます。
メタバースでVRを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- 対面に近いコミュニケーションの実現
- 現実世界でできないような体験が可能
- ビジネスでの活用ができる
両者の特徴やメリットを正しく理解することで、さまざまなシーンで活用できるようになります。本記事の内容が、貴社のビジネスやサービスの発展に寄与できれば何よりです。
メタバースとVRの活用を検討している場合は、ぜひリプロネクストへお気軽にご相談ください。
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