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メタバースの基礎知識

  • 2022/07/11
  • 2024/04/11

メタバースとは?仕組みやメリットなどわかりやすく解説

2023年現在「メタバース」市場が急速に成長を遂げており、インターネットの次なるインフラとも言われるほどに注目を集めています。

新型コロナウイルス感染症による在宅傾向の動きが、メタバースの成長を促進する要因になったとも言えますが、5G・6Gという通信環境の高速化、インターネット技術の進歩によりメタバース市場は急速に広がりを見せています。

この記事では、今こそ知っておきたいメタバースについてわかりやすく解説します。
どんな使い方ができるのかはもちろん、メリットやデメリット、一緒に覚えておくと良い用語などを紹介していきます。

目次

1.メタバースとは

メタバース イメージ

まずは、メタバースという名前の由来から見ていきましょう。メタバースは「メタ(meta)=超越した」と「ユニバース(universe)=世界」の2語を合わせた造語です。

直訳すると「超越した世界」となり、統一された定義はありませんが、私たちメタバースtipsでは、「インターネット上で、アバターを通じて人と人が繋がる3次元の仮想空間」のことをメタバースと定義しています。

映画「サマーウォーズ」を見たことがある方は、作品内で出てくる「仮想都市空間OZ」を
思い出してもらえるとイメージしやすいでしょう。

メタバースを体験するにはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)だけでなく、パソコン、スマートフォン、タブレットなどを使いアバターで交流することができるため、SNSのように誰でも気軽に利用することもできます。

インターネット上の空間でコミュニケーションを取り、移動ができる強みを活かし、旅行や会議を行うことはもちろん、メタバース上で広告を出したり、商品を売買したりと幅広いビジネスで広がっていく可能性を秘めています。

世界の市場調査を行うEmergen Research(エマージェン リサーチ)の最新レポートによると、世界のメタバース市場規模は2020年に476.9億米ドル(約5.4兆円)に達し、2028年には8289.5億米ドル(約94.8兆円)まで成長すると予想されています。

▶︎▶︎参考:Emergen Researchレポート

2.メタバースの仕組み

メタバースは3DCGモデルで構築されており、現実世界にある空間を再現したものや、現実には存在しない架空の空間もインターネット上で表現することができます。

そしてユーザーはデバイスを使ってログインし、アバターを介してその仮想空間にアクセスします。
つまりインターネット環境とデバイスがあれば、自宅にいながらにして国境を越えた交流もできるのです。

Twitter、FacebookのようなSNSも、気軽に全世界の人と繋がることができるコミュニケーションツールですが、メタバースは空間を共有しながら実体験に近い形で交流することができます。

3.メタバースと一緒に覚えておきたい用語

3-1.アバター

アバター イメージ

仮想空間上で、自分自身の分身として活動をするキャラクターがアバターです。
空間を移動したり、行動したり、他の参加者とコミュニケーションを取ることができます。

3-2.ブロックチェーン

ブロックチェーンとは、インターネット上の取引データを「ブロック」という単位で適切に記録し、「チェーン」のように繋いで管理する技術のことです。

チェーンのように繋がっているため、一つのブロックを変更するだけではデータの改ざんはできません。このように安全性が高いことから、メタバース空間での取引に活用されています。

3-3.NFT

NFTは「Non-Fungible-Token(ノン ファンジャブル トークン)」の略で、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。非代替性というのは、代わりの効かない(唯一無二の)ものという意味。トークンは、ブロックチェーン技術を使用して発行した暗号資産です。

つまり、インターネット上で唯一無二の暗号資産を発行することで、デジタル上で制作したアート作品や音楽などに紐付けて、資産がオリジナルであることを証明できるのです。

NFTはこうした証明書のような役割を持ちます。

▶︎▶︎関連記事:メタバースとNFTでビジネスはどう変わるのか?

3-4.デジタルツイン

デジタルツインは、現実に存在する場所や施設を、IT技術を駆使してデジタル空間にコピーすることです。現実空間の複製をデジタル空間に作るようなイメージに近いです。


デジタルツインには様々な解釈がありますが、現実空間を再現するだけでなく、リアルタイムに連動し、現実の最新データが常に反映されるものもあります。

▶︎▶︎関連記事:デジタルツインとは?メリット&ビジネスの活用事例4選

4.メタバースの活用シーン

4-1.会議

コロナ禍でリモートワークが普及した中、メタバースの技術を活用すれば別の場所にいても同じ場所で会議をしているような疑似体験ができます。

メタ社が提供している無料サービス「horizon workrooms」を使えば、普段使っているPCモニターやキーボードを仮想空間に持ち込むことができ、作業をしながらアバターとしてコミュニケーションが取れます。

またホワイトボードに図やメモを書きながら共有するなど、隣にいる感覚で仕事を進められます。

▶︎▶︎関連記事:メタバースを使った会議・ビジネスの事例を紹介【活用メリットも】

4-2.イベント/ツアー

ライブや企画展などのイベントや、観光ツアーもメタバースで開催できます。

動画で配信されているライブやオンラインツアーは視聴する感覚に近いですが、メタバースはその場にいる感覚で参加ができるので、アーティストや観光地を目の前にしている臨場感を楽しんだり、友人と一緒にコミュニケーションをとることができます。

▶︎▶︎関連記事:メタバースを活用したイベント事例7選 【おすすめプラットフォーム付き】

▶︎▶︎関連記事:旅行・観光業のメタバース活用事例を紹介!活用メリットや制作の流れも

4-3.買い物

ショッピングを満喫できるのもメタバースの楽しみです。「BEAMS」は「バーチャルマーケット2021」に出店し、3D空間で使えるオリジナルアバターやリアルショップでも販売されている洋服などの商品を販売。イベント期間中はアバタースタッフがバーチャル接客をしたことも話題となりました。

▶︎▶︎参考:BEAMSがメタバース上で開催される世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット2021」に出店! リアル&3Dアイテムを販売!
▶︎▶︎関連記事:メタバースECとは?出店のメリットと活用事例を紹介

4-4.研修

現実の空間を再現して仮想空間を作れる強みを活かし、メタバースを研修に活用する企業も出てきています。

例えば、遠方の建設現場の下見や海外研修をメタバース上で行うことも。

アバターだからこそ、安全が確保された中で危険箇所を確認する安全教育もできます。また、移動が必要なくなることで、交通費や滞在費のコスト削減も期待できます。

▶︎▶︎関連記事:防災におけるメタバースの活用方法|VR事例も紹介

4-5.コミュニティ作り

メタバースの一番の特徴とも言えるのが、アバターを介した交流です。

ソーシャルVRサービスの「VRChat」をはじめ、メタバース内で新たなコミュニティを形成することができます。共通の趣味で繋がったり、海外留学気分で異文化交流を楽しむなど、様々な繋がり方を楽しむことが可能です。

4-6.ゲーム

メタバースを舞台にしたゲームは、その他のオンラインゲームの楽しみ方とは少し違います。
アバター同士で交流を楽しみながら自分の空間を構築していくようなコミュニティゲームや、仮想通貨を作ってメタバース上で作ったアイテムを売買するゲームもあります。

5.メタバースのメリット

5-1.仮想の3DCG空間をつくれる

メタバースは3DCG空間に現実の施設を再現することもできれば、現実にない仮想空間をつくることも可能です。


会社紹介・工場見学・研修などでは現実を再現、今後つくる建造物のイメージやイベント・エンターテイメントなどには現実にない仮想空間をつくるなど、様々な場面で活用されることでしょう。

5-2.交流しながら過ごすことができる

遠方の友人・知人・職場の人と同じ3DCG空間に入れば、会話やチャット機能を使って交流することができます。
これまで一緒にゲームをするために自宅に集まっていたことが、オンライン上でできるようになったイメージで、今後は観光やイベントへの参加も自宅にいながらアバター同士で交流しながら過ごすことが当たり前になるでしょう。

5-3.どこからでもすぐにアクセスできる

メタバースはオンライン環境と接続するデバイスさえあれば、時間や距離の制約なくどこからでも参加できます。

移動を伴わずにアクセスできるという点では、移動費や滞在費などのコストを大幅に削ることも期待できます。ビジネスシーンであれば、大人数で遠方の研修地にいくだけで何十万というコストがかかることもあります。その点、メタバースはそれぞれが自宅や会社から参加できるので、時間・費用を抑えられるというメリットがあります。

6.メタバースのデメリット

6-1.準備にコストがかかる

データ通信量の多いメタバースに対応できるパソコンや、VRヘッドセットの用意など初期費用がかかります。現在では用途に応じて選べる機材が増えていますが、性能を追求する場合は、数十万〜数百万円かかる場合もあります。

ただし、スマートフォンやパソコンのみで参加できるメタバースもあるため、最初はお手持ちのデバイスから始めるのも良いでしょう。

6-2.依存の危険性

メタバースは世界に入り込んだような没入感がメリットでもある一方、依存のリスクもあります。これはメタバースだけではなく、リアルタイムのコミュニケーションを伴うSNSやゲームにも存在している課題のため、個々人の管理が必要です。

6-3.法整備が整っていない

メタバースは交流だけでなく、仮想通貨での金銭取引など現実世界と同じように経済活動が行われています。
まだルールや法整備がされていない面があるので、制度作りが課題に上がっています。詐欺やハッキングなどから身を守るためにも「知らないURLはクリックしない」「身に覚えのないサイトにアクセスしない」などに気をつける必要があります。

7.メタバースを体験できるサービス・プラットフォーム

ここからは、実際にメタバースを体験できるサービスをご紹介します。国内外から、様々な特徴を持ったプラットフォームが登場しています。

7-1.cluster(クラスター)

バーチャルSNSとして知られるクラスターは、2016年2月にサービスを開始した日本企業のサービスです。スマートフォンやPC、VRヘッドセットなど様々な環境からアクセスできる手軽さが魅力です。

ユーザーが作ったワールド(仮想空間)やイベントが随時公開されているので、気になるところへアクセスし、ユーザー同士の交流ができます。

「バーチャル渋谷」のような行政との取り組みの事例もあり、日本のメタバースの先駆けとして利用者が増え続けています。

国内企業かつ初心者でもつかいやすいサービスのため「メタバースをとりあえず体験してみたい」という方におすすめです。

▶︎▶︎cluster 公式サイトはこちら

7-2.VRChat

2014年にアメリカで設立された「VRChat Inc.」が運営するソーシャルVRプラットフォーム。無料で登録ができ、2020年11月には同時接続ユーザー数が過去最大の24,000人に到達した人気のサービスです。VRヘッドセットからはもちろん、PCからも参加することが可能です。

プレイヤー自身が好きなようにアバターをアレンジしたり、自分でデザインしたワールド(空間)を出現させることもできます。

▶︎▶︎VRChat 公式サイトはこちら

7-3.Horizon Workrooms

2021年8月にメタ社が発表した「Horizon Workrooms」は、アバターの姿でVRミーティングを行えるツールです。

画面共有からホワイトボードまで仮想空間上で利用できるなど、充実した機能が備わっています。さらには、現実のデスクやキーボードを仮想空間上に反映することも。

普段と同じような感覚で、会議やミーティングができます。利用する際には、同じくメタ社から発売されいるVRヘッドセット「Meta Quest 2」が必要になります。

▶︎▶︎Horizon Workrooms 公式サイトはこちら

7-4.Roblox

アメリカで誕生したRoblox(ロブロックス)は、無料で参加することができ、4歳以上を対象にしている点から、レゴ風のアバターが愛嬌のあるメタバース空間です。

ユーザー自身もワールドを作れるほか、「Robux」という独自の仮想通貨を購入し、アバター用のアクセサリをやゲーム毎のアップグレードを行うこともできます。

▶︎▶︎Roblox 公式サイトはこちら

7-5.Rec Room

VRソーシャルゲーム「Rec Room」。プレイヤーは自分のアバターや部屋をカスタムできるほか、シューター系やスポーツ系の対戦ゲームや、仮想世界を冒険する協力型クエストまで様々なアクティビティが用意されています。

▶︎▶︎Rec Room 公式サイトはこちら

7-6.バーチャルキャスト

株式会社バーチャルキャストが運営するVRライブ・コミュニケーションサービス。
アバター同士でのイベント参加や友人の作ったVRゲームで遊べるほか、メタバース空間で撮影した写真や映像などの思い出も共有できます。

バーチャルキャスト公式チャンネルには、バーチャルキャストの情報や遊び方が発信されているので、最新の楽しみ方を知ることができます。

▶︎▶︎バーチャルキャスト 公式サイトはこちら

7-7.Neos VR

Neos VR
Neos VR

チェコのSolirax社から誕生したソーシャルVRプラットフォーム。Steamストアからダウンロードができます。こちらは、クリエイター寄りのメタバース空間で、空間内の物体を簡単にコピーしたり、他のユーザーとデータを共有しながら一緒に作業を行うことができます。

ユーザー数や知名度は高くはないですが、クリエイティブの自由度の高さから人気を集めつつあります。

▶︎▶︎Neos VR 公式サイトはこちら

7-8.Spatial

アメリカのスタートアップ企業が運営するメタバースプラットフォーム「Spatial(スペーシャル)」。海外サービスなので全て英語表記ですが、リアリティのある空間やアバターが特徴で、現実世界に近いメタバースを表現できます。

商用利用ができるので、展示会やセミナーなどのビジネス活用や、美術展やイベントなどの一般向けの企画が開催されており、パソコンやスマートフォンからアクセスすることが可能。(※スマートフォンの場合はアプリが必要。)
参加者は、チャットや音声、リアクションでコミュニケーションをとることができます。

▶︎▶︎Spatial 公式サイトはこちら

8.アバターを作れるサービス

続いて、メタバース空間で自分自身の分身となる、アバターを作れるサービスをご紹介します。お気に入りのアバターを作って、メタバースライフをより楽しみましょう。

8-1.Ready Player Me

こちらは無料でアバターが制作できるサービス「Ready Player Me」。自身の写真を読み込んで作ったり、髪型や服装などのパーツを着せ替えのように選びながら気軽にアバターが作れます。

さらに、フォームに沿ってVRChatにログインすればそのままアカウントとアバターを連携させることも。

まずは気軽に試してみたい方におすすめです。

▶︎▶︎Ready Player Me 公式サイトはこちら

8-2.メタクローン™アバター

凸版印刷株式会社が株式会社ラディウス・ファイブと共同で開発した3Dアバター自動生成サービス。自分自身の顔写真をアップロードし、身長と体重を入力するとリアルな3Dアバターが仕上がります。

今後は「メタクローン™アバター」に本人の肉声や表情、人格を再現するサービスを追加する予定もあるそう。

まるで自分が動いているかのような、リアルに忠実なアバターができます。

▶︎▶︎参考:凸版印刷、メタバース上に自分のデジタル分身を生成するサービス「メタクローン™アバター」を開発

8-3.VRoid Studio

ピクシブ株式会社が提供しており、3Dキャラクターのアバターを制作できます。VRoid Studio上で、髪の毛の揺れ方など物理演算まで実装することが可能。

細かい部分までこだわってアバターを作りたい人におすすめです。

▶︎▶︎VRoid Studio 公式サイトはこちら

8-4.AVATARIUM(アバタリウム)

AVATARIUM
AVATARIUM

専用機材で自分自身をスキャンし、簡単にオリジナル3Dアバターが作成できるサービス。

スキャン後にメイクや着せ替えを楽しめるので、自分自身の姿をベースにしながら、自在にカスタムできるのが魅力です。

現在はベータ版が公開されており、関係者のみが撮影できるようですが、近い将来私たちの日常で利用できるようになるかもしれません。

▶︎▶︎AVATARIUM 公式サイトはこちら

9.まとめ

メタバースは、プラットフォームや関連サービスが続々とリリースされ、今まさに注目を集めています。
アニメ・ゲームなどのエンターテイメント分野だけでなく、今後はビジネスでの展開も拡大していく見込みです。


今からその可能性について、自社でどのように導入できるか検討してみるのも面白いのではないでしょうか。

メタバースtipsを運営しているリプロネクストでは、法人・自治体向けメタバースについて企画・プラットフォーム選びから開発までを一貫してサポートしています。「こんなメタバースは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

10.メタバースについてのQ&A

Qメタバースを体験するには、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)が必要ですか?

必ずしも必要ではありません。プラットフォームにより対象デバイスが異なりますが、HMD以外にもパソコン、タブレット、スマートフォンでメタバースを体験することはできます。

Qメタバースではどのようなコミュニケーションがとれますか?

多くのプラットフォームでは、音声・チャット・スタンプなどでコミュニケーションをとることができます。音声はアバター同士が近づくと大きな音になり離れると小さな音になるので、現実空間と近い環境になります。

Qメタバース空間でプレゼンはできますか?

画像・資料・動画などを掲載できる場合が多いですが、プラットフォームによりますので詳しくはお気軽にご相談ください。

Qメタバースはランニングコスト(維持費用)はかかりますか?

プラットフォームにより異なりますが、ランニングコストがかからない場合が多いです。

QVRとメタバースは違うものですか?

VRは基本的に一人で体験するもの、メタバースはアバターを通して複数人でコミュニケーションをとるものになります。

「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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