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メタバースの基礎知識

  • 2023/10/11
  • 2024/05/16

デジタルツインとは?注目されている理由や活用事例を紹介

近年、メタバースやVRと並んで注目が集まっているものが「デジタルツイン」です。デジタルツインはビジネスにおいてさまざまなメリットを持っており、業務を効率的に進められることが期待できます。

今回は、デジタルツインが注目されている理由やメリット、活用事例について解説します。

本記事を参考にして、デジタルツインに関する内容を把握していきましょう。


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目次

1.デジタルツインとは

デジタルツイン イメージ

引用:ICT Buisiness Online

デジタルツインとは、現実空間に存在している情報を収集し、仮想空間に現実と同じような空間を構築する技術を指します。仮想空間上に、現実世界と同じ環境を再現することから「デジタルの双子」の意味としてデジタルツインと呼ばれています。

デジタルツインはIoTを用いて現実空間から情報を集め、仮想空間上でシミュレーションが可能。現実世界でも起こりうるケースが体験できるため、将来的な変化にも素早く対応できます。

2.デジタルツインが注目される理由

デジタルツインの概念が誕生したのは、1960年代にNASAが開発した「ペアリング・テクノロジー」が始まりと言われています。ペアリング・テクノロジーは、実際に複製を用意してトラブルが発生した際、迅速に対応することが目的でした。

当時は複製を用意するといったアナログな手法でしたが、現在ではコンピューターを活用して仮想空間を作ることが可能です。また、IoTやAIなどの技術が劇的に進化したことで、現実空間を高い解像度で再現できます。

現在は製造業を中心に、都市計画や農業などさまざまな分野にてデジタルツインの導入が進められています。

3.デジタルツインとシミュレーションの違い

デジタルツインとシミュレーションの主な違いは、規模の大きさです。シミュレーションの場合は1つの過程について調べますが、デジタルツインは複数の過程を調べる際に、さまざまなシミュレーションを実行できます。

そのほか、シミュレーションではリアルタイムのデータがあっても活用がしにくい点がネックです。しかし、デジタルツインの場合はリアルタイム性が高いことから、トライアンドエラーがしやすい点が特徴です。

デジタルツインはさまざまな視点から問題の分析が可能なため、商品やサービスの改善などに役立てられるでしょう。

4.デジタルツインとメタバースの違い

デジタルツインとメタバースの違い イメージ

引用:日立

デジタルツインとメタバースは、どちらも仮想空間を利用するため同じように感じます。しかし、メタバースは現実世界とは異なる空間を構築する一方、デジタルツインは現実世界と同じような空間を再現する点がそれぞれの違いとなります。

利用する目的においても違いがあり、メタバースの場合は主にアバターを介して、他者とのコミュニケーションを楽しむことが主な活用方法です。一方でデジタルツインは、現実では困難な高度なシミュレーションを実行するためのツールとしての活用がメインです。

それぞれ異なる部分はあるものの、完全な別物ではありません。デジタルツインは仮想空間を構築するメタバース内に、現実世界を再現するといった形をとっているため、メタバースの一部であるとも言えます。

5.デジタルツインのメリット

デジタルツインのメリットには、以下の7つがあります。それぞれのメリットについて解説します。

5-1.シミュレーションの実施

先述した通り、デジタルツイン上でシミュレーションを重ねることで、製品に潜んでいる欠陥の洗い出しが可能です。その結果、製品の品質向上にもつながります。

街づくりや工場など大規模な投資や計画が必要な現実空間ではさまざまな制約によって、十分な検査結果が得られないといったケースも考えられます。しかし、デジタルツインの活用により制限を設ける必要がないため、さまざまなデータが取得可能です。

5-2. 設備保全

デジタルツインの導入によって、遠隔でのロボットの動作確認や設備で使用している部品の劣化状況をもとに、故障が発生する前に予防保全の実施が可能です。

デジタルツインを活用した予防保全によって、トラブルが発生した際の時間のロスを軽減できるほか、ARとの併用によってメンテナンスの効率化にもつながります。

5-3. コストダウン

製品の開発や試作品のテストを行う際、多額のコストが発生します。自動車を開発している場合、実際に車を走らせる必要があるため、多くの人員が必要になるなどさまざまな点においてコストの発生は避けられません。

デジタルツインを導入した場合、開発や実験などにかかるコストの削減が可能です。デジタルツインを活用して得られたデータをもとに設計することで、実際のテストの回数を減らせるほか、開発時間の短縮にもつながります。

また、製品がリリースされた後のデータ収集にも役立てられるため、改善やマーケティングに関するコストの削減も可能です。

5-4. リスクの低減

デジタルツインは仮想空間上でのトライアンドエラーが容易にできることから、製品の試作や製造ラインを変更しての検証が容易です。そのため、想定されるトラブルや欠陥の予測ができるようになるため、実際の作業におけるリスクの低減も可能です。

5-5. リードタイムの短縮

デジタルツインの活用は、リードタイムの短縮にもつながります。現実空間では人員配置や、生産工程をすぐに変更することは簡単ではありません。しかし、デジタルツインを利用した場合、生産の稼働状況に関するデータを収集・分析した上で、人員の再配置や最適な生産スケジュールのシミュレーションが可能。

シミュレーションの結果、生産の効率化が実現しリードタイムの短縮が期待できます。また、生産だけでなく出荷や納品といったすべての工程の短縮も可能です。

5-6. トラブル対応の効率化

特に製造業では、過去のトラブルの原因が時間の経過とともにわからなくなるケースが多く見られました。そのため、同じトラブルが発生しても対応までに時間を要するなど、非効率な流れになることも。

デジタルツイン上で生産ラインを再現することで、トラブルが発生した際でも迅速に分析・対応方法の特定が可能となり、改善までのスピードが上がります。また、リアルタイムで実際の現場をモニタリングできるため、短時間で原因を特定し復旧までの時間も短縮可能です。

5-7. アフターサービスの充実

デジタルツインの導入によって、顧客へのアフターサービスの充実も可能です。これまでは、トラブルが発生してから修理依頼や必要な部品の発注といった作業が必要でした。しかし、デジタルツインを活用することで、製品データから稼働状況を把握し適切なタイミングで交換時期の通知が可能となります。

また、ARを活用したマニュアルの使用で、製品の正しい取り扱い方法が取得できるなど、デジタルツインによる手厚いアフターサービスの導入が可能です。

6.デジタルツインで活用される技術

ここでは、デジタルツインで活用される以下の4つの技術について解説します。

6-1. AI

人工知能と呼ばれるAIも、デジタルツイン上で再現された物理空間の分析などで、活用が求められています。AIによって膨大なデータの処理が可能となるほか、高度な分析や自己学習機会の増加によって、従来よりも正確に未来の予測が実現できるところまで迫っています。

高度かつスピーディな分析が必要とされているデジタルツインにおいて、AIの需要は今後も増えていくでしょう。

6-2. 5G

2020年の春に商用化が始まった5Gは、大容量のデータを高速・低遅延で送受信ができる移動通信システムです。デジタルツインにおいても重要な役割を持っており、リアルタイムで仮想空間へのデータ反映に高い効果が得られる技術です。

デジタルツイン上でのシミュレーションにおいて、現実空間と同じ環境に近づけるためにも5Gの必要性は今後もより強いものとなります。

6-3. IoT

IoT(Internet of Things)は、カメラやセンサーなどをインターネットと接続して、データの送受信を行う技術を指します。さまざまな設備のデータをカメラやセンサーを通して取得し、デジタルツイン上への反映が可能です。

IoTを活用して多くのデータを継続的に取得することは、デジタルツインを活用する上で欠かせないものと言えます。

6-4. AR・VR

現実世界に情報を追加して拡張できるAR(拡張現実)や、仮想空間にいるかのような体験ができるVR(仮想現実)も、デジタルツインにおいて重要な役割を持っています。仮想空間上で再現されたデジタルツインをARやVRを用いた視覚的な体験により、現実空間と同様のシミュレーションができます。

さまざまなトラブルやエラーも体験できるため、実際に現実世界で同様の事態が発生した際もスムーズな対応が可能です。また、デジタルツインを活用した研修においても、ARとVRの活用は現場作業で迅速に対応する上でも有効です。

7.デジタルツインの活用事例

ここでは、実際にデジタルツインを活用している以下の企業の事例を紹介します。

7-1. 富士通

富士通 イメージ

引用:富士通

近年中国では、大量生産をメインとする製造大国から、品質を重視した製造強国への転換を進めています。その中で富士通は、パートナー企業の上海儀電と提携し「スマート製造プロジェクト」の支援を実施。

上海儀電では建屋や設備など工場全体のデータ化を進め、デジタルツイン上に工場を再現しています。富士通が提供する「COLMINA」を活用して、工場内の電力消費量や設備の状態を遠隔操作で管理。異常発生時もすぐに問題箇所を特定し、迅速な対応や改善が可能となっています。

7-2. 東京海上日動火災保険

東京海上 イメージ

引用:東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険は、東京海上ディーアールとNTTコミュニケーションズと共同で、予測をもとにした安全対策や補償の検討、さまざまな災害の予測に向けてデジタルツインの活用に向けた研究を実施。

データ解析のノウハウや人流・空間に関するデータのほか、防災科学技術研究所が持つ災害研究データや災害予測技術を組み合わせます。その結果、リアルタイムでの災害予測モデルの構築や、災害の規模や種類ごとの複数の対策パターンの構築が進められることに。

今後は、地震や水害といった災害に対応可能な「マルチハザードソリューション」の提供を、自治体や企業向けとして検討しています。また、災害発生時の避難誘導やインフラの安定稼働に対応した防災用アプリケーションや、クラウド型の防災マネジメントシステムの研究も進めていく方針です。

7-3. トヨタ自動車

トヨタ自動車は静岡県裾野市に「Woven City」を建設し、デジタルツイン上で都市を建設した際の人や車の流れ、都市機能などの実験や検証を行っています。Woven Cityでは都市の3次元データに、道路交通や人流などを組み合わせて「MaaS(Mobility as a Service)」と呼ばれる交通サービスの検証などを実施。

そのほか、ドローンを活用した配達サービスや、AR・VRを活用して観光を疑似体験するといった取り組みも進められています。

7-4. 鹿島建設

鹿島建設では、デジタルツイン上に再現した建物に資材や人の位置情報、現実空間に設置したカメラやIoTセンサーから得た情報を活用して、現場の状況を管理できる「K-Field」を開発。

現場の管理に欠かせない情報を一度に表示できるため、遠隔地からでも現場の状況を逐一確認できる環境の構築が可能です。また、K-Fieldをベースとした建物の3次元情報を保有するBIMとの連携で、3次元表示を実現した「3D K-Field」も開発しました。

7-5. 国土交通省

国土交通省では2020年12月から3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を目的としたプロジェクト「PLATEAU」を開始しました。PLATEAUは全国の都市をWEB上に3D都市モデルとして再現し、都市計画や防災シミュレーションなどといった施策での活用が可能です。

PLATEAUはオープンデータ化により、誰でも気軽に閲覧できる点が特徴です。PLATEAU上に再現されている建物や道路などの地物には「用途」や「築年数」などの属性情報が含まれています。過去の事例ではドローンの飛行ルート策定や、災害発生時の建物の浸水度合いによる被害予測などに用いられています。

7-6. ダイキン工業

ダイキン工業 イメージ

引用:日経XTECH

ダイキン工業では、大阪府に建設した堺製作所臨海工場において、デジタルツインの機能を搭載した新生産管理システムを開発。工場内に取り付けたセンサーやカメラから取得したデータを活用して、部品の流れや塗装などの工程の状況を仮想空間上に再現しています。

製造設備の異常や作業の遅れに迅速に対応できるよう、各工程をデジタルツイン上に再現しながら異常を事前に予測する体制を構築します。

8.まとめ

デジタルツインは現実空間にあるものを仮想空間上に再現する技術を指し、IoTを活用して仮想空間内でシミュレーションが可能です。IoTやAIなどの技術が発達し、現実空間と同じような解像度で再現できるため、デジタルツインの注目度は高まっています。

デジタルツインを活用してシミュレーションが可能となったことから、製品の欠陥を洗い出しやすくなり、製品の品質向上につながります。また、想定されるトラブルも事前に把握できる体制が構築できるため、トラブル発生時でも迅速な対応が可能です。

デジタルツインは多くの企業で活用されていますが、今後もさらにデジタルツインの普及が進んでいくことが考えられるでしょう。

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