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メタバースの基礎知識

  • 2022/07/11
  • 2024/04/11

メタバースの市場規模は?数字から今後の可能性を読み解く

メディアで日々取り上げられ話題となっている「メタバース」ですが、まだまだ発展途上であるため、今後どのように成長していくのか気になっている方も沢山いらっしゃるでしょう。

この記事では、メタバースの今後の市場規模予測について紹介します。
「メタバースをビジネスで活用したい」「メタバースの可能性について知りたい」という方はご覧ください。

目次

1.メタバースとは

メタバースは「メタ(meta)=超越した」と「ユニバース(universe)=世界」の2語を合わせた造語です。

インターネット上でAR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術を使い、アバターを通じて人と人が繋がる3次元の仮想空間のことをメタバースと言います。

インターネット上の空間でアバターを介してコミュニケーションを取ったり、移動ができる強みを活かし、旅行や会議を行うことはもちろん、メタバース上に広告を出したり、商品を売買したりと幅広いビジネスで広がっていく可能性を秘めており、今、株式市場で注目されている投資テーマでもあります。

▶︎▶︎関連記事:注目のメタバースとは?仕組みやメリットなどやさしく解説

2.メタバースが注目されている理由

社会に大きくインパクトを与えたのは、2021年10月にFacebook社が社名を「メタ(Meta)」に変更したことです。メタバースへの今後の成長可能性を視野に、大きく舵を切ったことは、投資家だけでなく一般ユーザーの間でも話題となりました。

また、新型コロナウイルス感染症もこの動きを加速させたと言われています。

世界規模で感染症が拡大したことで、国境を越えた往来はもちろん、大勢の人が集まるようなイベントや催しが実施できなくなりました。新型コロナウイルス感染症に限らず、今後このような事態がいつ何時起こるのかは誰も予測ができません。

そんな中、メタバースはそれぞれが好きな場所から仮想空間にアクセス可能で、交流やビジネス、購買活動を行うことができ、まさに第三の世界として存在しています。

こうした世の中の変化が、非接触ながらも実在感のあるメタバースへのニーズを高めたと言えるでしょう。

さらに、通信環境の変化もメタバースが注目されている理由の一つです。

今後5Gや6Gなど通信容量が大きく・高速になることで3DCG空間での違和感が軽減され仮想空間で快適に過ごせるようになります。

4Gやスマートフォンの普及でYouTuberという職業が生まれたように、メタバースの普及で新たな職業が生まれることも期待されています。

3.メタバースの今後の市場規模

カナダのコンサルタント会社「Emergen Research」によると、世界のメタバース市場は2020年の約477億米ドル(約5兆7000億円)から、2028年には約8300億米ドル(約100兆円)に達すると予想しています。

世界の水ビジネス市場(上水・下水・産業排水など)が約70兆円と言われているので、2028年には私たちの生活に欠かせない、社会インフラを超える市場となると予測がされています。

▶︎▶︎引用:2028年に8,289億5,000万米ドルに達する世界のメタバース市場規模

4.メタバースをビジネスで活用する可能性

4-1.会議

コロナ禍でリモートワークが普及した中、メタバースの技術を活用すれば別の場所にいても同じ場所で会議をしているような疑似体験ができます。

メタ社が提供している無料サービス「horizon workrooms」を使えば、普段使っているPCモニターやキーボードを仮想空間に持ち込むことができ、作業をしながらアバターとしてコミュニケーションが取れます。

またホワイトボードに図やメモを書きながら共有するなど、隣にいる感覚で仕事を進められます。

4-2.イベント/ツアー

ライブや企画展などのイベントや、観光ツアーもメタバースの中でできます。

動画で開催されているライブやオンラインツアーは、視聴する感覚に近いですが、メタバースはその場にいる感覚で参加できるので、アーティストや観光地を目の前にしている臨場感と共に楽しむことができるのです。

4-3.研修

現実の空間を再現して仮想空間を作れる強みを活かし、メタバースを研修に活用する企業も出てきています。

例えば、遠方の建設現場の下見や海外研修をメタバース上で行うことも。アバターだからこそ、安全が確保された中で危険箇所を確認する安全教育もできます。

また、移動が必要なくなることで、交通費や滞在費のコスト削減も期待できます。

4-4.医療

順天堂大学と日本アイ・ビー・エム株式会社は、2022年4月からメタバースを活用した医療サービスの共同研究を始めています。

短期テーマと中長期テーマに分けて研究を進め、短期テーマでは患者さんやそのご家族が来院前に病院内の雰囲気を知ることができる「順天堂バーチャルホスピタル」の構築を予定。

アバターを通し、バーチャルホスピタル内で患者さんと家族の交流の実現も目指しています。

中長期テーマでは、メタバース空間での活動を通し、メンタルヘルス等の疾患の改善が図れるのかを学術的に検証する計画が進んでいます。

▶︎▶︎参考:順天堂大学 プレスリリース

4-5.ファッション

ファッション業界のメタバース参入事例も注目されています。有名ファッションブランドがアバター用のスニーカーや服を販売したり、リアル店舗でも購入できるよう、バーチャル×リアルの商品展開も行われています。

また、コレクションを発表するファッションショーをメタバース空間で行うこともできます。いずれはパリやミラノで開催される世界的なコレクションに、メタバースからアクセスできる時代が来るかもしれません。

5.注目のメタバース参入企業10選

ここからは、世界各地でメタバース事業を展開している企業をご紹介します。

5-1.Meta(メタ)

これまでソーシャルメディア企業「Facebook」としてその地位を確立し、2014年にVRヘッドセット・VRの開発を行うOculusを買収した同社は、2021年に事業の核をメタバースにするとして、社名を「Meta(メタ)」に変更し大きな話題となりました。

現在は、メタバースへアクセスするデバイスであるVRヘッドセット「Meta Quest(旧Oculus Quest)」の開発・販売はもちろん、ビジネス向けメタバースアプリ「horizon workrooms」を提供するなど、メタバース関連のサービス展開に注力しています。

5-2.Microsoft(マイクロソフト)

WordやExcelでお馴染みのソフトウェア開発会社「Microsoft」もメタバース分野に進出しています。

2014年にゲームソフト会社のマインクラフトを買収、さらに2022年にゲーム企画・開発のアクティビジョン・ブリザードも買収し、ゲームを軸にメタバース開発を展開しています。

また、ビジネス向けに3Dアバターを通して仮想空間で会議・交流ができるサービスも提供に向けて開発中です。

5-3. Disney(ディズニー)

世界最大級のエンターテイメント企業であるディズニーは2020年に米国特許商標庁に「仮想世界シミュレーター」に関する特許申請を提出しています。

2021年には、 Disney社のCEOであるボブ・チャペック氏が「現実とデジタルをより密接に結びつけ、独自のディズニー・メタバースを提供する」とも発言しています。

具体的な内容は発表されていませんが、これまでにない形でディズニーの世界へとアクセスできる未来が拓けるかもしれません。

5-4.グリー株式会社

インターネット企業・グリー株式会社は、100%子会社であるREALITY株式会社に今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い「メタバース事業」で数億ユーザーを目指す、と発表しています。

これまではスマートフォン向けバーチャルライブ配信アプリとしてサービスを展開していた「REALITY」でしたが、今後はさらに「REALITY」内でできる活動を増やし、メタバース事業を加速させていきます。

5-5.エイベックス・テクノロジーズ

音楽やアニメ・映像事業を展開するエイベックスの子会社であるエイベックス・テクノロジーズは、NFTゲーム「The Sandbox」とパートナーシップ体制を構築し「The Sandbox」にてアーティストとファンが交流できるテーマパークをオープンすることを発表しています。

ファンミーティングのような交流だけでなく、NFTと紐付けたアイテムの販売も検討中とのこと。エイベックス所属アーティストと仮想空間での交流が実現するかもしれません。

5-6.株式会社サイバーエージェント

インターネット関連事業を展開するサイバーエージェントは2022年、メタバースでの企業の販促活動を支援する株式会社CyberMetaverse Productionsを設立しました。

NFTを活用したデジタルコンテンツの制作や独自の仮想通貨の発行支援まで一貫して対応できる体制を構築しており、未来のショッピングのカタチを提案します。

同社ではこれまでメタバースでのイベント開催なども行ってきましたが、今後は実店舗・ECに次ぐ新たな商空間づくりに注力していくようです。

▶︎▶︎参考:サイバーエージェント プレスリリース

5-7.凸版印刷株式会社

凸版印刷株式会社は2022年4月に現実空間を忠実に再現したメタバース基盤「MiraVerse®(ミラバース)」の提供を開始しました。

アバターへの本人認証やデータ管理機能・改ざん対策など、システムの安全管理に配慮されており、ビジネス利用向けにサービスを提供しています。

また、アバター生成サービス「メタクローン™アバター」も開発しており、まるで自分自身の分身のようなアバターが作れます。現在こちらのサービスは法人向けのみの展開です。

▶︎▶︎参考:凸版印刷株式会社 ニュースルーム

5-8.KDDI

5Gエリアの整備にも取り組む通信大手のKDDIは、プラットフォーム構想「VIRTUAL CITY」のコンセプトムービーを公開し、メタバースへの事業展開を進めています。

アバターを使って試着や買い物ができたり、リアルとバーチャルが融合した同時路上ライブなるものも視野に入れているよう。

リアル×バーチャルを意識した「au版メタバース」として、新たな都市体験を目指しています。

5-9.ANAホールディングス

ANAは「旅のメタバース(仮想空間)」事業に取り組み始めています。

アバターを介して旅先へと赴き、街並みを歩いたり、現地の特産品を買うなど現実の観光のような体験を提供する予定。

どこにいても参加できるという点から、日常的に「旅」に触れてもらい、現実での旅行需要の喚起にも繋げる狙いがあるそうです。

Zoomのようなオンラインツアーとは異なる、新たな旅行体験ができそうです。

▶︎▶︎参考:ANAホールディングス プレスリリース

5-10.株式会社リプロネクスト

ビジネス系メタバースメディア「メタバースtips」の運営会社でもある株式会社リプロネクストもメタバース事業に参入し、現在開発に着手しています。

「リアルを届けるWebマーケティング企業」として、メタバースを活用したビジネスイベントの開催や、製造業向けにメタバース内に研修現場を再現し、どこにいても研修ができるサービスの展開を予定しています。

▶︎▶︎リプロネクスト 公式サイトはこちら

6.メタバースの今後の課題

メタバースは、最新鋭の技術だけにまだまだ課題もあります。

6-1.準備にコストがかかる

まず一つ目に、メタバースを本格的に体験しようとすると準備にコストがかかるという課題があります。データ通信量の多いメタバースに対応できるパソコン、VRヘッドセットの用意など初期費用がかかります。現在では用途に応じて選べる機材が増えていますが、性能を追求する場合は、数十万〜数百万円かかる場合も。

ただし、スマートフォンやパソコンのみで参加できるメタバースプラットフォームもあるため、最初はお手持ちのデバイスから始めてみるのも良いでしょう。

6-2.依存の危険性

メタバースは世界に入り込んだような没入感がメリットである一方、依存のリスクもあります。これはメタバースだけではなく、リアルタイムのコミュニケーションを伴うSNSやゲームにも存在している課題のため、個々人の管理が必要です。

6-3.法整備が整っていない

メタバースは交流だけでなく、仮想通貨での金銭取引など現実世界と同じように経済活動が行われています。

まだルールや法律が整っていない面があるので、制度作りが課題に上がっています。

詐欺やハッキングなどから身を守るためにも「知らないURLはクリックしない」「身に覚えのないサイトにアクセスしない」などに気をつける必要があります。

7.まとめ

メタバースの今後の展開予測や参入企業の動きを見ていると、さらに成長していく産業として注目を集めていることがわかります。

解決していきたい課題もありますが、社会への影響力が高まるにつれて新たな選択肢も生まれ、快適なメタバース活用に向け着実に進化しています。

10年後には私たちの生活の中で、欠かせないサービスとなりうる可能性を秘めているのがメタバース。今後も新たに参入する企業が増えていく中、どのようにメタバースが広がっていくのか目が離せません。

メタバースtipsを運営しているリプロネクストでは、法人・自治体向けメタバースについて企画・プラットフォーム選びから開発までを一貫してサポートしています。「こんなメタバースは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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