- 2024/07/11
- 2024/08/30
NFTと仮想通貨の違いとは?メタバース上での役割や注目される背景、始め方、具体例などもご紹介
NFTと仮想通貨は、しばしば同一視されがちです。両者をビジネスに活用する場合、それぞれの違いや仕組みを理解しなくてはなりません。
そこで今回は、NFTと仮想通貨の違いを、メタバース上の役割や注目される背景、始め方、具体例も掘り下げて解説します。
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目次
NFTとは
NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータに唯一性を付与する技術です。デジタルアートやゲーム内アイテムなどのデジタル資産が、世界に1つだけの価値を持たせられます。
以下で、NFTと仮想通貨の違いや、メタバース上における両者の役割について解説します。
仮想通貨との違い
仮想通貨(暗号資産)とNFTのおもな違いは、前者が「代替可能なトークン」であることに対し、NFTは「非代替性トークン」として個々に固有の価値を持ちます。仮想通貨はビットコインのように、同じ単位間で交換可能であり価値が等しいですが、NFTはそれぞれが独自の価値を持ち、他のものと交換はできません。
メタバース上でのNFTと仮想通貨の役割
メタバース上でのNFTと仮想通貨の役割は、メタバース内での経済活動や所有権の証明に重要です。NFTはメタバース内のアイテムや土地などに固有の価値を持たせ、ユーザーはこれらを自由に売買したり、他のユーザーと交換したりできます。一方、仮想通貨はこれらのNFTの取引に使用される通貨として機能し、メタバースの経済圏を支える役割を果たしている点が特徴です。
NFTの特徴は4つ
NFTのおもな特徴は、以下のとおりです。
- 唯一性を保持
- 取引が可能
- プラットフォームをまたぐ運用が可能
- プログラム・カスタマイズが可能
以下で、それぞれの内容を確認しておきましょう。
特徴1.唯一性を保持
NFTは、ブロックチェーン上に記録されたメタデータによって、各トークンに固有の識別情報を持つ点が特徴です。各NFTはデジタル世界での真の所有権を表現でき、コレクターアイテムやデジタルアートなど、オリジナルの価値を持つアイテムとして取引されます。この唯一性が、デジタルコンテンツの著作権を保護し、創作者の権利を支持する重要な役割を果たしています。
特徴2.取引が可能
NFTは、ブロックチェーン技術を活用して、所有者間での透明かつ安全な取引を可能にします。所有権の変更はブロックチェーンに不変の記録として残り、偽造や二重売買のリスクを排除することが可能です。具体的には、デジタルアートやゲーム内アイテム、仮想不動産など、さまざまなデジタル資産の市場が拡大しています。
特徴3.プラットフォームをまたぐ運用が可能
NFTは、特定のプラットフォームやアプリケーションに限定されず、異なる環境間での相互運用性を持つ点も特徴です。そのため、ユーザーは自分のNFTをさまざまなゲームやアプリケーションで使用できて、デジタルアセットの価値と利便性を高めます。例えば、あるゲームで獲得したアイテムが、他のゲームやデジタルアートギャラリーで展示・使用されることが可能です。
特徴4.プログラム・カスタマイズが可能
NFTはスマートコントラクトを利用してカスタマイズ可能であり、特定の条件やルールを組み込めます。これにより、作品が再販されるたびに元の作者にロイヤリティが支払われるなど、創作者が収益を得る新しい方法が提供される点がメリットです。また、限定アクセスイベントのチケットや特定のサービスへのアクセス権など、多様な用途に応じたプログラムも可能になります。
NFTが注目されている背景
近年、NFTが注目されているのはなぜでしょう。以下で、NFTが注目されている背景をご紹介します。
デジタル資産の所有権を証明できる
NFTは、ブロックチェーン上での固有の識別情報を通じて、デジタルアートや音楽、ビデオクリップなどのデジタル資産の所有権を証明します。デジタルコンテンツの創作者は、彼らの作品が簡単にコピーされるデジタル環境の中でも、その所有権を確実に主張することが可能です。また購入者は、自分が購入したアイテムがオリジナルであることを証明することが可能になり、デジタルアートの真の価値を享受できます。
希少性を担保できる
デジタルデータの容易な複製可能性は、従来のデジタルアセットに希少価値を持たせることが困難でした。しかしNFTは、ブロックチェーン技術を利用して、各アイテムにユニークな属性を付与することで、その希少性を担保することが可能です。これにより、デジタルアイテムが限定品としての価値を持ち、コレクターにとって魅力的なアイテムとなります。
投資商品としての人気が高い
NFTは、デジタルアートやコレクターアイテムとしてのみならず、投資商品としても大きな注目を集めています。特に、限定されたアート作品や有名人によるコンテンツなど、特定のNFTは高額で取引されることがあります。これらのNFTは、従来の株式や不動産とは異なる、新しい形の資産クラスとして投資家の間で人気を博しており、将来的な価値の上昇を期待する投資が行われている状況です。
NFTの購入・開始方法
NFTを購入し、始める場合、以下のステップで進めましょう。
ステップ1.仮想通貨取引所で口座開設する
NFTを購入するためには、まず仮想通貨取引所で口座を開設する必要があります。口座開設は通常、オンラインで行えますが、メールアドレスと身分証明書などが必要です。
ステップ2.仮想通貨を購入する
NFTの取引には、イーサリアム(ETH)などの仮想通貨が必要です。取引所で日本円を暗号資産に交換し、購入します。
ステップ3.デジタルウォレットを準備する
デジタルウォレットとは、仮想通貨やNFTを保管するためのデジタル財布です。MetaMaskなどのウォレットを準備し、取引所からウォレットに暗号資産を送金します。
ステップ4.NFTマーケットプレイスを選定する
OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスを選び、アカウントを作成します。
ステップ5.NFTマーケットプレイスとウォレットを接続する
ウォレットをマーケットプレイスに接続し、NFTの購入準備を整えます。
ステップ6.NFTを購入する
希望のNFTをマーケットプレイスで選び、購入手続きを行います。価格や手数料を確認し、ウォレットから支払いを完了させます。
NFTを購入するときの注意点
NFTを購入する際には、以下の点に注意しなくてはなりません。
- 法律上の所有権はない
- 詐欺にあう可能性がある
- 手数料がかかる
- 価値が暴落する可能性がある
以下で、それぞれの内容を確認しておきましょう。
法律上の所有権はない
NFTは、デジタルアセットの所有権を証明するための手段として機能しますが、これは法的な所有権や物理的なアイテムの所有を意味するものではありません。NFTを購入することで得られるのは、ブロックチェーン上の記録と、それに関連するデジタルファイルへのアクセス権です。実際のアート作品や商品を物理的に所有するわけではなく、デジタルコンテンツの複製も防げません。
詐欺にあう可能性がある
NFT市場は比較的新しく、規制が未発達なため、詐欺やスキャムのリスクが高まっています。偽のNFTを販売する詐欺師や、存在しないアート作品を売りつけるケースが報告されています。そのため、NFTを購入する際には、信頼できるプラットフォームを選び、売り手の評判を確認することが非常に重要です。
手数料がかかる
NFTの取引には、ガス代(トランザクション手数料)やマーケットプレイスの手数料がかかることが一般的です。これらの手数料は、ブロックチェーンネットワークの混雑状況によって変動するため、時には非常に高額になることがあります。購入前には、これらの追加コストを考慮に入れ、全体的な投資コストを把握しておかなくてはなりません。
価値が暴落する可能性がある
NFTの市場価値は、需要と供給のバランスによって大きく変動します。一部のNFTは、短期間で価値が急騰することがありますが、その逆もまた真です。投資としてのNFTは非常にリスクが高く、価値が暴落する可能性があるため、投資は慎重に行い、分散投資を心がけることが推奨されます。また、市場の動向を常に監視し、情報収集を怠らないようにすることが重要です。
NFTの活用例
NFTは、具体的にはどう活用されているのでしょうか。以下で、おもな活用例をご紹介します。
ゲーム
NFTはゲーム業界で広く利用されており、プレイヤーがゲーム内アイテムやキャラクターを独自のデジタル資産として所有できるようにしています。プレイヤーは自分のアイテムを売買したり、ゲーム外での取引をしたりすることが可能です。
アート
アート分野では、アーティストが作成したデジタルアート作品をNFTとして販売し、作品の希少性と所有権を保証します。アーティストは作品の複製が容易なデジタル環境でも、その価値を維持することが可能です。
トレーディングカード
トレーディングカードゲームにおいてもNFTが活用されており、カードをデジタル資産として所有し、世界中のプレイヤーと交換や売買が行える状況です。カードのコレクションがより価値あるものとなります。
チケット
イベントやコンサートのチケットをNFT化することで、偽造や不正転売を防ぐことが可能です。また、特定のチケット保持者に対して、追加の特典やサービスも提供できます。
不動産
不動産業界では、物理的な契約書や手続きをデジタル化し、NFTを用いて不動産の売買や所有権の移転を行えます。これにより、取引の透明性が高まり、効率化を図れる点がメリットです。
会員権
NFTは会員権の形で利用されることもあり、特定のサービスやコミュニティへのアクセス権をデジタルトークンとして提供します。その結果、会員は特別な体験や優待を受けることが可能です。
NFTのマーケットプレイス6選
NFTマーケットプレイスは、アーティストが作成したデジタルアートやその他のNFTを購入したり、ユーザー同士でNFTを売買したりするオンラインプラットフォームです。以下で、おもなNFTマーケットプレイスとその特徴をご紹介します。
Coincheck NFT
Coincheck NFTは、日本国内で初めて暗号資産交換業者が運営するNFTマーケットプレイスです。2021年3月にβ版がリリースされ、さまざまなブロックチェーンゲームのキャラクターやアイテムなどのNFTを仮想通貨で簡単に売買できるプラットフォームとして知られています。
EthereumやMATICなどのクリプト通貨でNFTを購入・販売でき、ナインクロニクルズ エムやディライズ ラストメモリーズなどの人気タイトルを取り扱っています。
Nifty Gateway
Nifty Gatewayは、2018年11月にリリースされたNFTマーケットプレイスで、双子のダンカン兄弟によって設立され、その後ウィンクルボス兄弟によって買収されました。有名アーティストの作品が多く出品されており、BeepleやPakなどの著名なNFTアーティストの作品が販売されています。
Nifty Gatewayは、クレジットカードやデビットカードでの決済が可能であり、定期的に限定NFT作品が販売されることでも知られています。また、NFTクリエイターの審査があり、高品質な作品を揃えられるのも特徴です。
OpenSea
OpenSeaは、世界最大のNFTマーケットプレイスで、さまざまな種類のNFTが取引されています。イーサリアムをはじめとする複数のブロックチェーンに対応しており、アート、音楽、ドメイン名、仮想世界の土地など、幅広いカテゴリのNFTを扱っているのが特徴です。
Rarible
Raribleは、コミュニティ主導のNFTマーケットプレイスで、ユーザーがプラットフォームのガバナンスに参加できる独自のトークンRARIを持っています。イーサリアム、ポリゴン、Solanaなどのブロックチェーンに対応しており、アート作品やコレクティブルなどが取引されています。
Raribleは、コミュニティ主導のNFTマーケットプレイスで、ユーザーがプラットフォームのガバナンスに参加できる独自のトークンRARIを持っています。イーサリアム、ポリゴン、Solanaなどのブロックチェーンに対応しており、アート作品やコレクティブルなどが取引されています。
SuperRare
SuperRareは、デジタルアートに特化したNFTマーケットプレイスで、厳選されたアーティストによる高品質な作品が特徴です。イーサリアムブロックチェーン上で運営されており、アートコレクターとアーティストの間で直接取引が行われます。
Foundation
Foundationは、アート作品を中心に取引されるNFTマーケットプレイスで、招待制でアーティストが参加します。オークション形式で作品が販売され、イーサリアムブロックチェーンを使用しています。
NFTの仮想通貨銘柄5選
NFTの仮想通貨には、どのようなものが存在するのでしょうか。ここでは、NFTの仮想通貨銘柄を5つご紹介します。
ENJ
ENJは、ゲーム内でのアイテムの購入や取引に使用される暗号資産です。NFT市場においても、ゲームアイテムやデジタルアートなどの購入に利用されています。
SAND
SANDは、The Sandboxゲームのプラットフォーム上で使用される通貨で、ゲーム内の土地やアイテムの購入に使われます。また、ゲーム内での創造活動や取引にも利用されています。
MANA
MANAは、仮想現実プラットフォームであるDecentraland内で使用される通貨で、土地やアイテムの購入、イベントの開催などに利用されます。
APE
APEは、Bored Ape Yacht Club (BAYC) に関連する暗号資産で、NFTの取引やガバナンス投票に参加するために使用されます。
Flow
Flowは、Dapper Labsが開発したブロックチェーンで、CryptoKittiesやNBA Top ShotなどのNFTプロジェクトに利用されています。スケーラビリティ問題を解決するために設計されたブロックチェーンで、多くのゲーム開発に用いられています。
NFTの将来性
NFTの将来性については、以下の観点から考える必要があります。それぞれの内容を確認しておきましょう。
市場規模の拡大
NFT市場は2021年から急速に成長し、多くの分野での活用が進んでいます。2022年から2027年までの5年間で市場は4.4倍に成長すると予測されており、特にアート、ゲーム、音楽、不動産などの分野での利用が増えると見込まれている状況です。
技術の進化
NFT技術は、異なるプラットフォーム間での移動が可能になることで、新たな市場が生まれ、ネット業界がさらに活性化すると考えられています。
課題の克服
NFT市場の成長には、所有権や著作権、税金などの法整備、ハッキングリスク、価格変動の大きさなどの課題を解決することが必要です。これらの課題を克服することで、市場は成熟し、価値基準が確立されると予想されます。
企業や有名人の参入
有名人や企業がNFT市場に参入することで、市場の信頼性が高まり、さらなる市場の拡大が期待されます。
NFTを売却した際に発生する税金
NFTを売却した際にかかる税金についても把握しておく必要があります。おもな事例は以下のとおりです。
NFTアートの売却
自分が作成したNFTアートを売却した場合、その売上は事業所得または雑所得として計算され、確定申告しなくてはなりません。また、会社員が副業としてNFTを売却した場合も同様です。
NFTの転売
OpenSeaなどで購入したNFTを転売する場合、売却益は譲渡所得として計算されます。譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた額に対して税率が適用されます。
税率
NFTの売却益に対する税率は、所得の総額に応じて異なる点が特徴です。所得税の税率は5%から45%までの累進課税が適用され、住民税も加算されます。
仮想通貨の売却益
NFTを仮想通貨で購入した場合、その売却益も税金の対象となります。暗号資産の売却益は雑所得として計算されることが一般的です。
消費税
NFTの譲渡には消費税が課税される可能性があります。日本国内の住所・事務所等がある者から購入した場合は課税取引となり、仕入税額控除の対象です。
ただし税金の計算は複雑であり、個々の状況によって異なるため、詳細な計算や申告については税理士などの専門家に相談することをおすすめします。また、税法は変更されることがあるため、最新の情報を確認することが重要です。
まとめ
NFTは非代替性トークンで、デジタル資産に唯一性を与え、メタバース内での所有権証明や経済活動に重要な役割を果たします。仮想通貨とは異なり、NFTは個々に独自の価値を持つ点が特徴です。
NFTの購入には仮想通貨取引所とデジタルウォレットが必要で、また詐欺や価値変動のリスクが伴います。アート、ゲーム、トレーディングカード、チケット、不動産、会員権など、多岐にわたる分野での活用が進んでおり、市場の拡大が期待されています。
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