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メタバースの基礎知識

  • 2024/11/01
  • 2024/11/14

地方イベントの集客にメタバースを活用するメリット・デメリットとは?集客方法や事例もご紹介

近年、各自治体による地方創生への取り組みが活発化しています。そのため、地方イベントが開催される機会も増えている状況です。

しかし、都市部に負けない集客を目指したいと考えているものの、具体的にどのような方法を使えばよいのかわからない方もいるのではないでしょうか。

そのような場合に、おすすめの集客方法の1つがメタバースです。ここでは、地方イベントにメタバースを活用するメリット・デメリットや集客方法、事例などをご紹介します。


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目次

地方イベントの概要と目的

地方イベントとは、地域の魅力を発信し、地域経済の活性化や住民の結束を図るために開催されるイベントです。地方創生の観点において、以下のような役割や効果があります。

地域の魅力をアピール

地方イベントは、その地域ならではの文化、自然、歴史などを広く紹介する絶好の機会です。例えば、北海道下川町の「しもかわアイスキャンドルミュージアム」では、地域の伝統を活かしたイベントが開催され、多くの観光客を引き寄せています。

NPO法人 しもかわ観光協会/しもかわアイスキャンドルミュージアム

経済効果の創出

地方イベント開催により、観光客が増加し、地域内の宿泊施設や飲食店、土産物店などの利用が促進されます。その結果、地域経済も活性化し、地元の商業施設の売上が向上するのはメリットです。

地域住民の結束と参加

地方イベントは、住民同士の交流を深め、地域の一体感を高める場でもあります。例えば、埼玉県行田市の「田んぼアート」では、多くのボランティアが参加し、地域全体でイベントを盛り上げています。

参考:行田市観光NAVI/世界最大の行田市「田んぼアート」2024

持続可能な地域づくり

成功した地方イベントは毎年恒例となり、地域のブランド力を高めることが可能です。長野県阿智村の「天空の楽園 日本一の星空ツアー」は、星空観光を通じて多くの観光客を引き寄せ、地域の持続可能な発展に貢献しています。

参考:スタービレッジ阿智誘客促進協議会/天空の楽園 日本一の星空ツアー

インバウンド観光の促進

外国人観光客をターゲットにした地方イベントも増えており、地域の国際的な知名度を高める効果が期待できるでしょう。佐賀県の「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」は、世界中から熱気球愛好者を集め、地域の国際交流を促進しています。

参考:佐賀バルーンフェスタ組織委員会(SIBFO)/佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

地方イベントのおもな集客方法

現在でも地方イベントの集客方法には、さまざまな手法があります。ここでは、主な方法をご紹介します。

デジタルマーケティング

デジタルマーケティングとは、インターネットやデジタル技術を活用することで、商品やサービスの宣伝・販売を実施するマーケティング手法です。例えば、SNSやWeb広告を活用することで、広範囲に情報を発信できます。Facebook、Instagram、X(旧Twitter)などのSNSでイベント情報をシェアし、ターゲット層にリーチすることが可能です。

また、GoogleやYahooの広告を利用して、特定の地域や興味を持つ人々に向けて広告を配信することも効果的でしょう。

伝統的な広報手段

チラシやポスターの掲示、地元の新聞やラジオなどの伝統的な広告手段も有効です。特に高齢者層には、デジタル媒体より紙媒体の方が効果的な場合もあります。地域の掲示板や商店街にポスターを貼ることで、地元住民に直接アプローチできる点がメリットです。

地域資源の活用

地域の特産品や観光資源を活かしたイベントは、地元住民だけでなく観光客の誘引にもつながります。例えば、地元の農産物を使った収穫祭や、地域の歴史をテーマにしたイベントなどが考えられるでしょう。

コラボレーション

地元の企業や団体と協力してイベントを開催することで、より多くの人々にリーチすることが可能です。例えば、地元の商店街と連携してスタンプラリーを開催したり、地元の学校やクラブと協力してイベントを盛り上げたりできます。

インフルエンサーの活用

地域に影響力のあるインフルエンサーや有名人を招待し、イベントをPRしてもらうことで、SNSを通じて広く情報が拡散されます。特に、若年層の集客が期待できるでしょう。

参加型コンテンツの提供

ワークショップや体験型のアクティビティを提供することで、参加者が積極的に関与できるイベントを開催できます。参加型コンテンツは、リピーターを増やしやすい点がメリットです。

地方イベントの集客にメタバースを活用する方法

メタバースを活用して地方イベントの集客を増やすには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、主な方法をご紹介します。

仮想イベント・ツアーの開催

メタバース上で仮想イベントを開催することで、地理的な制約を超えて多くの人々に参加してもらうことが可能です。例えば、仮想の観光地や名所を再現し、そこでライブイベントやワークショップを開催できます。

また、メタバースを利用して地域の文化や特産品を紹介する仮想ツアーを実施するのも一案です。実際に訪れる前に興味を持ってもらえるため、現地への訪問を促進できます。

ハイブリッドイベントの実施

リアルとバーチャルを組み合わせたハイブリッドイベントを開催することで、現地に来られない人々にも参加の機会を提供できます。例えば、現地での祭りやフェスティバルをメタバース上でも同時に配信し、仮想空間での参加者とリアルタイムで交流できるのがメリットです。

地域産業の紹介

メタバースを利用して地域の産業や、企業を紹介するバーチャル展示会を開催することも有効です。地域のビジネスや製品に対する認知度を高め、新たなビジネスチャンスを創出できます。

インタラクティブな体験

メタバース上でインタラクティブな体験を提供することで、参加者の興味を引き、イベントへの参加意欲を高めることが可能です。例えば、仮想のワークショップやゲームを通じて、参加者に地域の文化や歴史を学んでもらえます。

地方イベントの集客にメタバースを活用するメリット

地方イベントの集客にメタバースを活用するメリットは、以下のとおりです。

以下でそれぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

幅広いユーザーを集客できる

メタバースを利用することで、地理的な制約を超えて世界中から参加者を集めることが可能です。物理的な距離や交通費の問題がなくなるため、より多くの人々がイベントに参加しやすくなります。地方イベントであっても、都市部や海外からの参加者を含めた多様な観客層をターゲットにできるのがメリットです。

新しい体験を提供できる

メタバースでは、現実世界では実現が難しい演出や体験を提供することが可能です。例えば、非日常的なイベント会場のデザインや、デジタルアイテムやNFTのショッピングブースを設けられるため、参加者に新たな価値観や興味を提供できます。また、インタラクティブな要素を取り入れることで、参加者がより深くイベントに没入できる体験を提供できるのも特徴です。

コスト削減

メタバースで地方イベント開催することによって、物理的な会場のレンタル費用や設営費用を削減できます。また、交通費や宿泊費も不要になるため、全体的なコストを抑えることも可能です。予算が限られている場合でも、質の高いイベントを実現しやすくなります。

環境への配慮

メタバースを活用することで、移動に伴うCO2排出を削減でき、環境に優しいイベント運営が可能な点もメリットです。持続可能なイベント開催が実現します。また、デジタルイベントは紙やプラスチックの使用を減らせるため、廃棄物の削減にも寄与します。

データ収集と分析が容易

メタバース上での地方イベントでは、参加者の行動データを容易に収集・分析できます。参加者の興味や関心を把握し、次回のイベントに活かすことが可能です。例えば、どのブースが最も訪問されたか、どのコンテンツが最も人気があったかなどのデータを基に、より効果的なイベント運営につながります。

地方イベントの集客にメタバースを活用するデメリット

メタバースを地方イベントの集客に活用する場合は、いくつかの点に注意しなくてはなりません。ここでは、地方イベントの集客にメタバースを活用するデメリットについて解説します。

技術的なハードル

メタバースを利用するには、VRヘッドセットや高速インターネット接続が必要になる場合があります。技術に不慣れな人や高齢者が参加しにくくなる可能性は高いでしょう。

メタバースを利用するためには、一定のデジタルスキルが必要です。技術に不慣れな人々が参加できず、社会から孤立するリスクがあります。また、技術的なトラブルが発生した場合、迅速に対応できるサポート体制も必要です。

セキュリティリスク

メタバース上では、ユーザーの個人情報や行動履歴がサーバーに保管されます。これらのデータがサイバー攻撃の標的となるリスクがあり、個人情報や資産が悪用される可能性がある点に注意しなくてはなりません。さらに、プライバシーの保護やデータの暗号化など、セキュリティ対策を徹底する必要もあります。

離脱率の高さ

メタバースの地方イベントでは、参加者が簡単に離脱できるため、集中力を維持するのが難しい場合があります。物理的なイベントと比べて、参加者のエンゲージメントを維持するための工夫が必要です。例えば、インタラクティブなコンテンツやゲーム要素を取り入れることで、参加者の興味を引き続けることが求められます。

初期投資のコスト

メタバースで地方イベントを開催するためには、プラットフォームの構築やVR機器の購入など、初期投資が必要です。予算が限られている場合、導入が難しくなることはあります。また、メタバースの運営やメンテナンスにも継続的なコストがかかるため、長期的な視点での計画が必要です。

メタバース開発にかかる費用

メタバース開発にかかる費用は、プロジェクトの規模や目的によって大きく異なります。ここでは、一般的な費用の目安を紹介します。

全オリジナルのメタバースを開発する場合

一からオリジナルのメタバースを開発するためには、数百万円から数千万円程度の費用が必要です。開発チームの人件費、技術的なインフラストラクチャー、デザインおよびプログラミングのコストなどが必要になります。

既存のメタバースプラットフォームを利用する場合

既存のメタバースプラットフォームを活用する場合、費用を抑えられるため、数十万円から数百万円程度で済むことが多いです。プラットフォームのライセンス料やカスタマイズのための追加開発費用が発生します。

イベント開催やオンラインショッピングを開発する場合

地方イベントの開催やオンラインショッピングを開発する場合の費用は、規模や内容によって異なりますが、100万円以上の費用がかかるケースが一般的です。イベントの規模やショッピング機能の複雑さに応じて、必要な技術やデザインのコストが変動します。

このように、メタバース開発の費用は多岐にわたる要素によって決まります。どのようなプロジェクトを計画しているかによって、具体的な見積もりを立てることが重要です。

メタバースの開発費用については、以下の記事もご参照ください。

メタバースの導入に必要な費用は?メタバースを導入している企業も紹介

メタバースとリアルを組み合わせた取り組みとは?事例やメリット・注意点、費用相場などについて解説

地方イベントの集客にメタバースを活用した事例

ここからは、実際に地方イベントの集客にメタバースを活用した事例をご紹介します。

静岡県【広報・公聴活動に活用するメタバース空間構築】

静岡県は、広報・公聴活動のためにメタバース空間「Metaverse SHIZUOKA」を構築しました。県全体をスキャンした3次元点群データを活用し、精細な町並みを再現。2024年1月から24時間利用可能な常設空間として公開されます。

県民や遠隔地からの参加者が、PCやスマートフォンを通じて意見交換や交流を行える場を提供し、広聴・広報活動をサポートします。観光や移住促進のPRも兼ね、富士山や伊豆などの絶景スポットも体験することが可能です。

静岡県様【広報・公聴活動に活用するメタバース空間構築】

岩手県【メタバースを活用した食の交流会・商談会】

岩手県はメタバースを活用した「黄金の國いわて。のフードショーinメタバース」を開催しました。第1部の商談会では、県内の生産者や加工業者が出展し、全国のバイヤーやシェフ、新規就農志向者と商談や交流を実施。

移動コストが不要でリアルに近いコミュニケーションが可能なメタバースの利点を活かし、双方向のやりとりが進みました。

岩手県様【メタバースを活用した食の交流会・商談会】

大阪府河内長野市【メタバース空間による記念式典開催】

大阪府河内長野市は、市制施行70周年を記念して、メタバース空間「つながる河内長野メタバース」を構築。スタジアムやにぎわい広場など、3DCGとBIMモデルを活用した2つのエリアを整備し、市民参加型のコンテンツや遊び要素を盛り込みました。

市長・議長の挨拶や写真展示、市民のフォトメッセージなどが楽しめ、大阪府初のメタバース式典として、多くの市民に愛着を持ってもらえたそうです。市の未来を見据えた新しい試みとして高く評価されています。

大阪府河内長野市 様【メタバース空間による記念式典開催】

鳥取県【メタバース課×手塚プロダクション】

出典:JTB法人サービス

鳥取県は、メタバース課と手塚プロダクションが協力し、地域活性化を目的としたメタバースプロジェクトを実施しました。この取り組みでは、鳥取県の魅力を発信しながら、手塚治虫氏の作品世界と融合させた仮想空間が展開され、来場者がメタバース内で鳥取の観光地や文化を体験できるイベントが開催されました。

手塚プロダクションのキャラクターやストーリーを用いることで、幅広い世代にアピールし、地元住民や観光客、さらには世界中のユーザーに鳥取の魅力を広める新しい地方創生の取り組みとなったそうです。

参考:鳥取県/メタバース課

沖縄県【バーチャルOKINAWA】

出典:バーチャル沖縄

沖縄県は、メタバースを活用した地域振興プロジェクト「バーチャルOKINAWA」を展開し、観光や文化体験を仮想空間で提供しています。バーチャルOKINAWAでは、沖縄の名所や伝統文化を3D空間で再現し、世界中のユーザーが自宅にいながら沖縄を体感できるイベントやツアーを実施しているのが特徴です。

また、地域企業のプロモーションや商業エリアも設けられ、沖縄ならではの商品やサービスのPRの場としても活用されています。観光業を中心とした経済活性化を目的としており、新たな観光客誘致や地域発信の手段として注目を集めました。

参考:あしびカンパニー/バーチャルOKINAWA

メタバースを活用した地方創生については、以下の記事もご参照ください。

メタバースでできる地方創生は?|活用事例を8個紹介

まとめ

地方イベントにメタバースを活用することで、物理的な制約を超えた集客が可能になり、世界中からの参加が期待できます。参加者に新しい体験を提供できるほか、コスト削減や環境への配慮もメリットです。

一方で、技術的なハードルやセキュリティリスク、初期投資が高い点はデメリットだといえます。メタバースの活用方法として、仮想ツアーやハイブリッドイベント、インタラクティブな体験などが効果的です。

リプロネクストは、自治体向けのメタバース開発に豊富な実績があります。これまでに多くの自治体と協力し、地域の魅力を発信する仮想ツアーや、住民参加型のハイブリッドイベントを成功させてきました。技術的なサポートやセキュリティ対策も万全で、安心してプロジェクトを進めることが可能です。ぜひリプロネクストに、メタバースを活用した地域活性化実現のお手伝いをさせてください。

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