- 2024/07/18
Web3.0におけるDAOとは?仕組みや事例を分かりやすく解説!
近年、インターネット社会は急速に成長し、次世代のインターネットとしてWeb3.0が注目されています。Web3.0の理解を深めるには、DAOの理解が必要です。
本記事では、Web3.0におけるDAOの基礎知識からメタバースでの活用方法までを、わかりやすく解説します。
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目次
Web3.0とは?
現在主流のインターネット「Web2.0」は、GoogleやAmazonなど、特定の巨大企業のプラットフォームに大きく依存しており、インターネット上のデータはこれらの企業によって中央集権的に運用・管理されています。
一方、「Web3.0」はブロックチェーン技術を使用した分散型のインターネットです。Web3.0は、プラットフォームを経由せず、個人同士でデジタルデータの売買や送金などのやり取りを自由に行えます。
DAO(分散型自律組織)とは?
DAOは、ブロックチェーン技術を活用して構築された組織です。管理者や所有者が存在しないため、ユーザー同士の投票で事業やプロジェクトを進めます。投票の過程と結果は、誰でもソースコードで確認できるため透明性が高いです。また、ブロックチェーン技術は不正行為や改ざんが大変困難でセキュリティ性が高いのも特徴です。
DAOを理解するための基礎知識
DAOをより理解するために必要な技術や仕組みを以下で解説します。
ブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術は、過去から現在までの取引履歴を1本の鎖(チェーン)のように保存しているため、データの改ざんが非常に難しいです。
また、データは複数のコンピューターで分散管理します。ブロックチェーンのネットワークに参加している全ての人が、同じ取引情報を共有する仕組みであるため、データの改ざんが行われても、誰かがすぐに気づくことができます。
ブロックチェーンについて詳細を知りたい方は、以下の記事を参照ください。
スマートコントラクト
スマートコントラクトは、ブロックチェーン技術を利用して自動的に実行されるプログラムです。従来の法的な契約書と同じように、あらかじめ設定された条件が満たされた時に決められた処理が実行されます。取引の改ざんを防止できることや、透明性に優れている点から、デジタル資産管理や投票システムなど、さまざまな分野で応用されています。
ガバナンストークン
ガバナンストークンとは、DAO内で投票や意思決定に参加するための権利を持つためのトークンです。保有者は、プロジェクトの方向性や重要な決定に対して投票権を行使し、組織の運営に直接参加できます。
NFT
NFTは、「Non-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)」の略で、「非代替性トークン」とも呼ばれます。今までは、デジタルデータは簡単にコピーや改ざんができるため、現物の絵画のように資産価値があるとは見なされていませんでした。
しかし、NFTはブロックチェーン技術を活用することで、デジタルデータの改ざんを困難にし、資産価値を証明できるようになりました。
NFTについて詳細を知りたい方は、以下の記事を参照ください。
DAOの特徴
ここでは、DAOの特徴を解説します。
管理者が存在しない
DAOは中央集権的な管理者が存在せず、事前に設定されたルールに基づいて運営されます。管理者がいないため、参加者全員が平等に意思決定に参加し、プロジェクトの進行や方向性を公正に決められます。
取引の透明性が高い
DAOは、ブロックチェーン技術を通じてすべての取引が公開されており、投票の過程や結果を誰でも確認できます。そのため、不正な改ざんや操作が非常に困難で、信頼性、透明性の高い組織運営が行えます。
報酬はトークンで受け取る
DAOの参加者は、プロジェクトへ貢献や投票を行うことで、トークンを報酬として受け取れます。トークンは、参加者の貢献度や影響力を反映し、組織内での重要な役割を果たします。トークンは市場で取引されることもあり、その価値は市場によって決まります。
DAOとメタバースとの違い
DAOとメタバースは異なる技術です。DAOは、ブロックチェーン技術を活用して構築された「組織」ですが、メタバースはアバターを通してコミュニケーションが取れるインターネット上の「仮想空間」です。メタバースは、場所を問わずにコミュニケーションが取れる特徴から、DAOの意思決定の場としても活用できます。
近年、さまざまな業種がオリジナルのメタバース空間を持ち、イベントなどを行っています。以下で、リプロネクストが制作した事例を2つ紹介します。
メタバースについて詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。
静岡県様:Metaverse SHIZUOKA
静岡県様の「Metaverse SHIZUOKA」は、3次元点群データを使用することで、静岡の街並みを再現したメタバース空間です。これまでリアルで実施していたタウンミーティングや意見交換会の、新たな会場として整備されました。メタバースであれば、物理的、体力的、身体的な制約からそういった場に参加が難しかった人も気軽に参加できるようになります。
「Metaverse SHIZUOKA」の詳細を知りたい方は以下を参照ください。
サン共同税理士法人様:メタバースオフィス
サン共同税理士法人様のメタバースオフィスは、全国のお客様や求職者との接点を増やす目的で制作しました。セミナーや会社説明を行うための広い空間から、個別面談を行うためのコンパクトな空間まで、さまざまな用途を考慮して空間が作られています。
「メタバースオフィス」の詳細を知りたい方は以下を参照ください。
メタバースオフィスを採用やブランディングに活用【サン共同税理士法人様インタビュー】
DAOをメタバースに取り入れるメリットとデメリット
DAOメタバースに取り入れる際はメリットとデメリットを理解し、慎重に検討する必要があります。
メリット
DAOをメタバースに取り入れると、メタバース内で行われる意思決定や取引記録は、ブロックチェーン上に記録されるため、誰でも確認でき、透明性が高くなります。さらに、取引の改ざんが困難なため取引の安全性を高められます。
また、メタバースには匿名のアバターで、いつ、どこからでも入れるため、気軽にコミュニケーションを取りやすい環境です。トークンを使用した意思決定の投票なども簡単に行えます。
デメリット
DAOは、参加者全員が意思決定に関わることができる仕組みだからこそ、結果を出すまでに時間がかかるため、スピードが求められる内容には向いていません。また、DAOやWeb3.0は法整備が十分ではなく、トラブルがあった際に補償されない場合があります。
DAOをメタバースに取り入れた事例
DAOを取り入れることで、ユーザー全員で1つのメタバース空間を作り上げることができます。ここでは、実際に人気のあるメタバース事例を紹介します。
The Sandbox
TheSandboxとは、全世界で4,000万ダウンロードを達成している、NFTゲームプラットフォームです。メタバース空間上でLAND(土地)を所有すると、オリジナルのゲームやアイテム、キャラクターを作成でき、NFTとして売買できます。
Decentraland
Decentralandは、DAOによる運営がされているメタバースプラットフォームです。ユーザー数はリリースから年々増え、現在は80万人おり、今後も増える見通しが高いです。ゲーム開発の経験がなくても簡単にゲームやアイテムが作成でき、独自の仮想通貨(MANA)を使って売買できます。このように、ユーザー手動でメタバースが構築されていくため、誰のものでもないユーザー全員で作りあげるメタバースを目指しているのが最大の特徴です。
まとめ
今回は、Web3.0におけるDAOの基礎知識からメタバースでの活用方法までを紹介しました。DAOを理解することで、Web3.0の理解も深めることができ、さらにメタバース社会の可能性を広げることができます。
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