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メタバースの基礎知識

  • 2024/06/13

VRゲーム開発におけるUnityの使い方やメリットについて解説!

皆さん、VRゲームをプレイするだけでなく、自分自身で創造する魅力を感じたことはありませんか?

Unityを使えば、あなたもVRゲーム開発の世界に参加することができます。

VRゲーム開発において、Unityは欠かせないツールです。
Unityは世界中の開発者たちから高い評価を受けており、信頼性のあるソフトウェアなので、安心して取り組むことができます。

しかし、初めて触る人にとっては、どうやって始めればいいのか迷ってしまうかもしれません。

そこで今回は、Unityを使用したVRゲーム開発の基本的な使い方を解説します。この記事を読むことで、あなたもVRゲーム開発の第一歩を踏み出せるようになるでしょう。


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目次

Unityとは

Unity は、2005年にユニティ・テクノロジー社が開発した、世界で最も広く使われているゲームエンジンです。初心者でも比較的簡単に扱えることや、豊富なアセットなどの開発環境が整っていることから、世界中の180万人以上のユーザーに利用されています。

Unity は3Dコンテンツ開発のコア機能に加え、ゲームらしい挙動を実現する実行環境や、イラスト、パーツ、背景、音声などの充実したアセットを提供しているため、ゲームや3Dコンテンツ制作のプラットフォームとして活用されています。

メタバース・VR/AR開発にUnityを活用するメリット3点

Unity活用したメタバース・VR/AR開発には以下の3つの主なメリットがあります。

これらのメリットについて、より詳しく説明していきます。

初心者でも手軽に扱える

1つ目のメリットは、他の3Dコンテンツ作成ツールと比べて、初心者でも扱いやすいことです。

その理由としては、高度なプログラミング言語の知識が不要で直観的な操作が可能であること、さらに作成に必要な素材(イラスト、パーツ、背景、音声など)をそのまま活用できることが挙げられます。

さまざまなプラットフォームやデバイスで利用可能

2つ目のメリットは、開発したサービスやコンテンツを、Android、iOS、その他の多様なプラットフォームやデバイスでリリースできるという点です。

この特徴により、iPhone ユーザーとAndroid ユーザーの両方に対して、大きな修正をすることなく効率的にサービスやコンテンツをリリースできるのが大きなメリットです。

豊富な情報により、開発や学習の際に参考にしやすい

Unityの大きな魅力の1つは、開発や学習に役立つ情報が豊富なことです。

Unityは世界最大手のゲーム開発エンジンで、180万人以上の開発者が利用していると言われています。そのため、開発者向けの書籍はもちろん、開発者自身がブログなどで多くの知見を共有しているため、必要な情報に簡単にアクセスできるのです。

開発や学習の参考になる情報が沢山あるため、初心者の方も安心して学習に取り組めます。

Unityのメリットとデメリット

Unityは初心者にも使いやすいため、多くのユーザーに採用されており、様々なプラットフォームで活躍しています。

ただし、Unityにはメリットだけでなくデメリットも存在します。以下でUnityのメリット・デメリットについて詳しく見ていきます。

Unityのメリット

Unityのメリットは以下の6点です。

初心者でも最新のゲームを簡単に制作できる

Unityを使えば、3Dゲームの開発が簡単になります。重力や当たり判定などの基本的な機能がすでに用意されているため、それらを組み合わせることで、高度な知識がなくても容易にゲームを作成することが可能です。

さらに、Asset Storeからは、ゲーム制作に必要な素材(絵、サウンド、背景など)を購入することができます。プロが作成した本格的なパーツを使うことで、1から自分で作る必要がなく、高品質なゲームを開発することが可能になります。

デバイスやOSに関わらず、どのようなシステムでも利用可能

Unityの大きな魅力は、プラットフォームに依存しないことです。様々なPCやモバイルデバイスに対応しているため、特定のOSでしか作れないといった制約がありません。ゲームをリリースする際も、限られたプラットフォームでしかできないということがないので、安心して開発を進めることができます。

Unity対応のプラットフォームは以下の通りです。

ただし、iPhoneとAndroidでは仕様が異なるため、どちらでリリースしたいかを事前に決めておくことをおすすめします。

コストを削減できる

Unityには、年商が10万ドル(約1300万円)以下の場合、無料で利用できるという驚くべき特徴があります。しかし、法人やフリーランスの場合には、年間収益や資金調達の状況によって料金体系が異なってきますので注意が必要です。

【法人の場合】

所属する会社の年間収益や過去12ヶ月の資金調達(自己資金含む)の合計が20万米ドル以上であれば、Unity Proの契約が必要となります。

【フリーランスの場合】

個人の年間収益や過去12ヶ月の資金調達(自己資金含む)の合計が20万米ドル以上であれば、Unity Proの契約が必要になります。詳細については、Unityの公式サイトをご確認ください。

2Dや3Dのゲームを開発することができる

Unityでは、ゲームの開発時に2Dと3Dのどちらかを選択することができます。2Dゲームには、RPGなどが代表例として挙げられます。一方、3Dゲームでは、主人公の視点から敵のゾンビを倒すサバイバルゲームなどが典型的です。

通常、ゲーム開発には高度なプログラミングスキルが必要とされますが、既存のフォーマットや部品を活用することで、比較的簡単にゲームを作成することができます。

情報が豊富で参考にしやすい

Unity を利用する開発者は世界中で400万人以上に及んでいます。その人口の多さに比例して、Unity に関する情報がインターネット上に数多くアップロードされているのです。

また、書籍も豊富に出版されています。プログラミング言語に関わらず、英語の情報が一般的ですが、Unity については日本語の情報も豊富に存在します。エラーに遭遇した際は、関連するディスカッションフォーラムを検索すれば、ほとんどの問題に対する解決策が見つかります。

このように情報量が豊富なため、初心者の方でも比較的参入しやすく、誰でもチャレンジできる環境になっています。情報が見つからない場合でも、自らエラー内容を投稿すれば、他のユーザーから解決策を得られる可能性があります。

ゲーム開発に不安がある場合は、事前に Unity のエキスパートと連絡を取っておくと、トラブルをスムーズに解決できるでしょう。

非常に有用なツール「Asset Store」がある

Asset Storeは、ゲーム制作に必要な素材をダウンロードできる便利なショップです。そこには、ゲームに欠かせないイラスト、グラフィック、背景、サウンドなどが豊富に揃っており、有料(一部無料)で入手できます。

技術力がなくても、プロの素材を使ってゲームの開発を進めることが可能です。さらに、Asset Storeでは自作の素材を販売することもできます。

Unityのデメリット

Unityのデメリットは以下の2点です。

アプリ起動が遅い

Unityで開発されたゲームの起動が遅いという課題は広く知られています。この問題に対する解決策は、インターネット上で紹介されていますが、根本的な解決は簡単ではありません。

Unityが遅い原因は、ゲームに使用される画像の数が多いことにあると言われています。各プラットフォームでは異なるファイル形式が必要とされるため、それらの変換処理に時間がかかってしまうのが主な理由です。

Unityエディタが英語

Unityは海外で開発されたサービスであるため、エディタの多くが英語表示になっています。一方で、日本語の解説も数多く存在するので、英語が全く読めない方でも、それらを活用することで対応できます。

Unityの活用事例6選

Unityは様々な業界で活用されています。具体的には以下のような事例が挙げられます。

これらの具体的な事例を通して、Unityがさまざまな分野で活用されている様子をご紹介します。

VRChat

VRChatの開発にはUnityが活用されています。VRChatは、VR上で世界中の人々とつながることができる、世界最大のソーシャルVRプラットフォームです。ユーザーは好きなアバターの姿で、チャットや音声通話、身振り手振りなどを通して交流することができます。

また、無数のバーチャル空間「ワールド」を探索したり、自ら新しいワールドを作成したりすることも可能です。2022年1月には同プラットフォームの同時接続者数が過去最高の約4.2万人に達し、世界を代表するVR/メタバース空間として成長を遂げています。

VRChat公式サイト

PokemonGo

PokemonGoは、現実世界にバーチャルのポケモンを登場させ、それらを捕獲して育成できるAR(拡張現実)ゲームです。スマートフォンのセンサーから得られる位置情報や方位情報を活用し、まるでポケモンの世界を探検しているような体験を提供しています。

2016年の日本でのリリース後わずか3日間で1000万ダウンロードを記録し、ポケモンを求めて公園に人々が殺到するなど、社会現象にまで発展しました。この大ヒットには、ゲームエンジンUnityの活用が大きな役割を果たしていると言えます。

Pokemon Go公式サイト

TOYOTAの現場向けMR/VRサービス

トヨタ自動車は、全国56の販売店で、Hololens2の導入により、車両整備の研修と作業のサポートを行っています。従来は、2Dの図面などを参考にして作業の研修や整備を行っていましたが、立体的な作業が必要な現場では不十分でした。

しかし、Hololens2を活用することで、車両の各部位に合わせてデジタルオブジェクトを表示できるようになったのです。これにより、作業ミスの抑制と作業の効率化を実現しました。

さらに、Hololens2の導入によって、遠隔地と現場の間で円滑なコミュニケーションが可能となりました。専門家が遠隔地から現場に対して作業指示を出すなど、より緊密な連携が図れるようになっています。

トヨタ自動車が全国の GR Garage に HoloLens 2 を導入開始。自動車整備の働き方改革に Mixed Reality テクノロジを活用 – News Center Japan

BIMデータを活用した3Dモデルの構築

建設業界において、多くの企業が建物の管理にBIM(Building Information Modeling)という手法を活用しています。BIMを使うことで、建物の設計、施工、管理の各段階で得られたデータを一元的に管理できます。これにより、質の高い設計や効率的な運用が可能になります。

さらに、このBIMデータをUnityでリアルタイムに3Dデータ化することで、実際の建物で起こる変化をリアルタイムで確認することができます。これにより、建物の維持管理をより適切に行うことができるでしょう。       

3Dレーザースキャナサービス (BIM・BIM/CIM) の導入 | テクノプロ – TECHNOPRO

東京大学のVRでの外科手術のシミュレーション

Unity は、医療分野でも活用が広がっています。その中でも、東京大学医学部脳神経外科医局の事例は、Unity が実際の手術に役立った良い事例として注目されています。

同医局は、Unity を活用して脳動脈瘤の手術をVRでシミュレーションする取り組みを行っており、患者のMRIデータから脳のモデルデータを生成し、それをUnityに取り込むことでシミュレーションを実現しています。

実際の手術前にこのようなシミュレーションを行うことで、手術の失敗リスクを回避したり、手術時間を短縮することで患者への負担を軽減するといったメリットが得られます。

医療現場にUnityを。脳動脈瘤の手術現場で使われるVRとは? | Made with Unity

緊急対応力の向上 – ウォルマートのVR研修の取り組み

世界的なスーパーマーケットチェーンであるウォルマートでは、従業員のサービス向上を目的として、VRを活用したトレーニングを行っています。

ブラックフライデーなどの販売ピーク時の対応力を養うため、HMDを使って大勢のお客様への対応を疑似体験できる研修を実施しているのです。

従来の研修とは異なり、VRを利用することで、現実では再現が難しい状況を擬似的に体験することが可能になっています。また、この VRコンテンツの制作にはUnityが活用されているとのことです。

VRが研修を変える!ウォルマートのVR研修導入事例についてくわしく解説 | Spacely Tips

UnityでVRアプリを開発するための4つのプロセス

UnityでVRアプリを作成する際の主な手順は以下のとおりです。

  1. Unityのインストール
  2. 新規プロジェクトの作成
  3. VR開発用SDKのインストール
  4. アプリの開発とビルド

これらのステップを丁寧に踏めば、Unityを使ってVRアプリを効果的に開発できます。各ステップについて詳しく解説しましょう。

①Unityのインストール

まず、Unity のインストールから始めましょう。Unity Hub は、Unity プロジェクトやインストールを管理するための便利なツールです。Unity Hub のダウンロードページから Unity Hub をダウンロードし、お使いの環境にインストールしてください。

次に、Unity をUnity Hubにインストールしましょう。Unity のダウンロードページにアクセスし、Unity をダウンロードします。特に指定がなければ、最新バージョンの Unity がインストールされます。

②新規プロジェクトを作成

新規プロジェクトを作成するには、まず「プロジェクト」タブをクリックし、「New Project」を選択します。次に、VR開発の場合は「3D」を選択し、プロジェクト名を入力して、「Create Projects」をクリックすることで、新しいプロジェクトが作成されます。

③VR開発用SDKのインストール

次のステップは、VRアプリ開発に必要なSDK(Software Development Kit)のインストールです。SDKとは、ソフトウェア開発に必要な機能が集約されたソフトウェアのことです。

主要なSDKには、Unity社の「XR Interaction Toolkit」や、Meta社の「Oculus Integration」などがあります。開発するVRアプリの機能やターゲットデバイスに合わせて、適切なSDKを選択してインストールを行ってください。

また、以下でおすすめのSDKをご紹介していますので、そちらも合わせてご覧ください。

④アプリの開発・ビルド

アプリ開発の4つ目のステップは、実際の開発とビルドです。

これまでの準備段階を経て、いよいよ本格的な開発に取り掛かります。開発の基本的な方法は、UnityやSDKを提供する各社のウェブサイトにチュートリアルが掲載されていますので、そちらを参考にするとよいでしょう。

開発が完了したら、次にビルドの作業に移ります。ビルドとは、コーディングしたソースコードを基に、各VRデバイスで動作するファイルを生成する作業です。この設定や作成方法についても、Unityのウェブサイトに詳しい情報が記載されています。

UnityでVRアプリを開発する際におすすめのSDK3つ

UnityでVRアプリを開発する際には、以下の3つのSDKが特におすすめです。

これらのSDKについて、それぞれの特徴や利点を詳しく見ていきましょう。

XR Interaction Toolkit

Unity社が提供する「XR Interaction Toolkit」は、VR開発に必要な基本機能を備えた純正のXR開発用SDKです。

この製品は、Meta QuestシリーズやWindows Mixed Realityなど、さまざまなVRデバイスに対応しています。つまり、コントローラー入力やオブジェクトの操作など、VR開発の基本的な機能を実装することができます。

一方で、デバイス固有の高度な機能を活用したい場合には、そのデバイスメーカー提供のSDKを使うことをおすすめします。

また、複数のデバイスで利用可能なアプリを開発したい場合には、「XR Interaction Toolkit」を使うと便利でしょう。このように、用途に合わせて使い分けることが重要です。

Oculus Integration

Meta社提供するMeta Questシリーズ向けのSDKである「Oculus Integration」は、Meta Questのハンドトラッキング機能やMetaプラットフォームの機能(MetaのアバターシステムであるMeta Avatar SDKなど)を利用できるため、Meta Quest向けのアプリ開発にとって不可欠なツールといえます。

Mixed Reality Toolkit

「Mixed Reality Toolkit」は、元々Microsoft社のHoloLensシリーズ向けのSDKでしたが、近年他のデバイス向けのサポートが強化されています。

2024年現在では、Meta Quest、Android、iOSデバイスのXR開発にも対応しており、今後さらに対応デバイスが増えていくと考えられます。

Unityとメタバース

VRと密接な関係があるメタバース開発にもUnityは活用できます。

メタバースは現実世界とは異なる仮想空間です。利用者はアバターを通して他者と交流し、コミュニケーションやショッピング、イベントへの参加など、さまざまな活動を楽しむことが可能です。

このメタバースの活用範囲は様々な業界で広がり続けています。その一例が、株式会社リプロネクストが開催した「ひきこもり相談窓口」です。

山梨県甲府市は、メタバースを活用してひきこもり支援の相談窓口を開設しました。その実現に向け、リプロネクストがメタバース空間の制作を担当しました。メタバースを活用したひきこもり相談窓口の運用は、自治体が主体となって全国で初めての取り組みです。

山梨県甲府市 様【全国初!メタバースを活用したひきこもり相談窓口】

Unityの習得により、メタバースの中で様々なものを創造することができるようになります。VRchatやClusterなどのプラットフォームを使えば、自分だけの独自の仮想世界を構築することが可能です。

Unity の技術を身につければ、自らの手で世界を創り上げるスキルを手に入れられます。既存のメタバースサービスにとどまることなく、VRゴーグルを使って自作の仮想空間を体験することも可能です。

まとめ

VRゲーム開発におけるUnityの使い方やメリットについて解説しました。Unityは初心者でも使いやすく、多機能なゲームエンジンです。多くのゲーム開発者に利用されており、使いやすさや豊富な機能が魅力です。

また、Unityを使うことでクロスプラットフォーム対応やリアルなグラフィックス表現が可能となります。さらに、Unityは大規模なコミュニティが存在し、情報共有や支援を受けることができます。VRゲーム開発を始めたい方は、Unityを使うことを検討してみてください。

Unityを使用した、VR・メタバース開発に関心のある方は、株式会社リプロネクストにお問い合わせください。リプロネクストは、自治体や企業のためにXR(拡張現実)とメタバースの開発と運営を手がけています。

全国的に注目されている事例にも多数関与しており、企画から開発、運営までを一貫して行うのが強みです。Unity を使ったメタバース開発に興味のある自治体や企業の皆様を、全力でサポートいたします。お問い合わせをお待ちしております。

「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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