- 2024/11/15
Blenderを活用したアバター作り方を解説。操作方法やメリット・デメリットなどもご紹介
メタバース内で利用するアバターを作成する場合、Blenderを活用することが多いです。Blenderは3Dモデルの作成に必要な機能が揃っており、初心者からプロまで幅広いユーザー層に利用されています。
ここでは、Blenderを活用したアバターの作り方を紹介します。また、Blenderの操作方法やメリット・デメリットなども解説するので、Blenderの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
Blenderとは
Blenderとは、オープンソースの統合型3DCGソフトウェアです。無料で利用できるほか、3Dモデリングやアニメーション、レンダリング、コンポジットなど、3D制作に必要な機能がほぼすべて揃っています。ここでは、Blenderを使ってできることについて解説します。
Blenderでできること
Blenderでできることは多岐にわたりますが、主な用途は以下のとおりです。
3Dモデリング
Blenderでは、複雑な3Dモデルを作成することが可能です。スカルプティングツールやモデリングツールを使って、詳細なオブジェクトを作成できます。
アニメーション
Blenderでは、キャラクターのリグ付けやアニメーションの作成も可能です。キーフレームアニメーションやモーションキャプチャデータのインポートもサポートしています。
レンダリング
高品質なレンダリングエンジン(CyclesやEevee)を使用して、リアルな画像や動画を生成できることもBlenderの特徴です。物理ベースのレンダリング(PBR)もサポートしています。
動画編集
Blenderには動画編集機能もあり、カット、トリミング、エフェクトの追加などが可能です。基本的な動画編集から、複雑なVFXまで対応できます。
コンポジット
ノードベースのコンポジット機能を使って、レンダリング後の画像や動画にエフェクトを追加できます。色補正や合成なども可能です。
シミュレーション
Blenderでは流体や煙、布、剛体などの物理シミュレーションを行えます。そのほか、リアルな動きや変形を再現することも可能です。
Blenderの操作方法
ここからは、Blenderの基本的な操作方法を紹介します。
インターフェースの設定
Blenderを起動したら、まずインターフェースを日本語に変更することをおすすめします。「Edit >Preferences>Interface>Language」から設定することが可能です。
オブジェクトの追加
Shift + A を押してメニューから「Mesh」を選択し、立方体や球体などの基本的な形状を追加します。
オブジェクトの移動、回転、拡大縮小
オブジェクトの移動、回転、拡大縮小の操作は、以下のとおりです。
- 移動:G キーを押してオブジェクトを移動します。
- 回転:R キーを押してオブジェクトを回転させます。
- 拡大縮小:S キーを押してオブジェクトのサイズを変更します。
編集モード
Tabキーを押してオブジェクトモードと編集モードを切り替えます。編集モードでは、オブジェクトの頂点、辺、面を詳細に編集することが可能です。
レンダリング
シーンを完成させたら、F12 キーを押してレンダリングを開始します。レンダリング設定はPropertiesパネルのRenderタブから行えます
Brenderを活用したアバターの作り方
実際にBlenderを活用してアバターを作るためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、Blenderを活用したアバターの作り方について、それぞれのステップを解説します。
1.アバターのデザインの決定
アバターのデザインを決める際には、まずキャラクターの外観をスケッチします。正面図や側面図を描いておくと、後のモデリング作業をスムーズに行えるでしょう。
デザインの段階では、キャラクターの個性や特徴をしっかりと考え、どのような表情やポーズを取らせたいかもイメージしておくとよいです。モデリングの際、具体的な目標を持って作業を進めやすくなるでしょう。
2.モデリングの実施
モデリングでは、Blenderを使って3Dモデルを作成します。基本的な形状から始め、詳細を追加していきましょう。モデリングの際には、顔や体のプロポーションに注意しながら進めます。
まずは大まかな形を作り、その後に細部を詰めていくと効率的です。例えば、顔の輪郭や体のシルエットを先に作成し、その後に目や口、服のディテールを追加していきます。モデリングの過程では、常に全体のバランスを確認しながら進めることが重要です。
3.リギング・スキニングの実施
リギングとは、モデルに骨格(リグ)を追加し、スキニングはその骨格にメッシュを関連付ける作業です。これらの作業によって、モデルが動くようになります。
リギングとスキニングの手順は、特に目のボーン調整に注意が必要です。リギングでは、キャラクターの動きを自然に見せるために、関節の位置や回転軸を正確に設定します。スキニングでは、各ボーンに対してメッシュの影響範囲を調整し、滑らかな動きを実現することが可能です。特に顔のリギングは表情の豊かさに直結するため、細かく設定することが求められます。
4.UV展開、およびテクスチャの作成
UV展開は、3Dモデルの表面を2D平面に展開する作業です。テクスチャを正確に配置できます。テクスチャはモデルの見た目を決定する重要な要素で、色や模様を追加します。
UV展開の際には、シーム(切れ目)を適切に配置し、歪みを最小限に抑えることが重要です。テクスチャ作成では、ペイントソフトを使用して、モデルの質感や色合いを細かく設定します。例えば、肌の質感や服の模様などをリアルに表現することで、アバターの魅力を引き出すことが可能です。
5.シェイプキーの作成
シェイプキーを使って、モデルの表情や動きを設定します。アバターが笑ったり、怒ったりする表情を作成できます。
シェイプキーとは、頂点の位置情報を記憶させる機能です。特定の表情や動きを簡単に再現できます。シェイプキーの作成では、基本となる表情をいくつか設定し、それらを組み合わせて多様な表情を作り出すことが可能です。例えば口の動きや目の開閉、眉の動きなどを細かく設定することで、キャラクターの感情表現を豊かにします。
6.アバターのエクスポート
最後に、完成したモデルをFBX形式でエクスポートします。エクスポートの際には、すべてのモディファイアーを適用し、テクスチャ画像と一緒に保存しましょう。
エクスポート設定では、モデルのスケールや回転を確認し、他のソフトウェアで正しく表示されるように調整します。また、エクスポート後にモデルを他のプラットフォームでテストし、問題がないか確認することも重要です。アバターがさまざまな環境で正しく動作する可能性を上げられます。
Blenderを利用するメリット
Blenderでアバターを作成するメリットは、以下のとおりです。
- 無料で利用可能
- 多機能で柔軟
- コミュニティとリソースの豊富さ
- 高いカスタマイズ性
- VRChatやVTuberなどへの対応
それぞれの内容について解説します。
無料で利用可能
Blenderはオープンソースのソフトウェアであり、無料でダウンロードして使用できます。そのため、コストを抑えつつも高品質なアバターを作成することが可能です。特に、予算が限られている個人や小規模なプロジェクトにとって、大きなメリットといえるでしょう。
多機能で柔軟
Blenderはモデリング、リギング、アニメーション、テクスチャリングなど、アバター作成に必要なすべての機能を備えています。そのため、他のソフトウェアに頼ることなく、すべての作業を1つのプラットフォームで完結できるのが大きなメリットです。さらに、Blenderは定期的にアップデートされて新機能が追加されるため、常に最新の技術を活用できます。
コミュニティとリソースの豊富さ
Blenderには大規模なユーザーコミュニティが存在し、チュートリアルやフォーラム、プラグインなどのリソースが豊富に揃っています。初心者でも学びやすく、問題解決がしやすい環境が整っているのは大きなメリットです。さらに、コミュニティ内での情報共有やサポートを受けることで、スキルの向上や新しいアイデアの発見も期待できます。
高いカスタマイズ性
Blenderを使用することで、アバターのデザインや動きを細かくカスタマイズできます。他のアバターとは一線を画す、独自性の高いアバターを作成することが可能です。また、カスタマイズの自由度が高いため、クリエイティブな表現を追求できるでしょう。
VRChatやVTuberなどへの対応
Blenderで作成したアバターは、VRChatやVTuberなどのプラットフォームでの使用できるなど、作成したアバターをさまざまな用途で活用できます。例えば、VRChatでの交流やVTuberとしての活動など、さまざまなシーンでの利用が期待できるでしょう。
VRChatの詳細は、以下をご参照ください。
VRChatとは?基礎知識&できることや企業の活用事例を紹介
Blenderを利用するデメリット
Blenderを利用する際には、いくつか注意すべき点があります。以下の解説で、主なものを確認しておきましょう。
操作技術の習得に時間がかかる
Blenderは非常に有用なツールですが、その分、操作方法や機能を習得するのに時間がかかるのはデメリットです。特に初心者にとっては、基本的な操作を覚えるだけでも時間を要する可能性があります。
例えば、モデリング、リギング、アニメーション、レンダリングなど、多岐にわたる機能を使いこなすためには相当な学習と練習が必要です。また、Blenderのインターフェースは他の3Dソフトウェアと異なる部分が多いため、他のソフトウェアから移行する場合にも時間がかかるでしょう。
開発に時間がかかる
アバターのモデリング、リギング、テクスチャ作成など、すべての工程を一人で行う場合、非常に多くの時間が必要です。特に高品質なアバターを作成する場合、その時間はさらに増えます。
キャラクターの細部にこだわったモデリングや、リアルな動きを実現するためのリギング、質感を出すためのテクスチャ作成など、それぞれの工程に多くの時間と労力が必要です。効率的に作業を行うためには、計画的な作業と高度な技術が求められます。
技術的な課題をクリアする必要がある
複雑なモデルを作成する際には、ポリゴン数やテクスチャの解像度など、パフォーマンスに影響を与える要素を管理する必要があります。調整が不十分な場合、VRChatなどのプラットフォームでのパフォーマンスが低下する可能性があるため注意しなくてはなりません。
例えば、高ポリゴンモデルは見た目が美しい反面、処理が重くなるため、ゲームやVRでの使用には適さないことがあります。さらに、テクスチャの解像度が高すぎると、読み込み時間が長くなり、動作が遅くなることも課題の1つです。これらの技術的な課題をクリアするためには、専門業者への依頼も視野に入れる必要があります。
互換性の問題がある
Blenderで作成したモデルを他のソフトウェアやプラットフォームに持ち込む際、互換性の問題が発生することがあります。特に、リギングやアニメーションのデータが正しく引き継がれないことがある点に注意が必要です。
例えば、Blenderで作成したアニメーションを他の3Dソフトウェアにインポートする際、ボーンの配置やウェイトペイントが崩れてしまうことがあります。また、特定のファイル形式に対応していない場合、データの変換が必要となり、その過程で情報が失われることもあるでしょう。これらの互換性の問題を解決するためには、各ソフトウェアの特性を理解し、適切なエクスポート設定を行うことが重要です。
まとめ
Blenderは無料のオープンソース3DCGソフトで、3Dモデリングやアニメーション、レンダリングなど多くの機能を備えています。アバター作成にはデザイン決定からモデリング、リギング、テクスチャ作成、エクスポートまでの工程があり、VRChatやVTuberなどで利用可能です。
Blenderのメリットは多機能性やカスタマイズ性ですが、操作習得や開発には時間がかかり、互換性や技術的課題もあるため注意が必要です。そのため、Blenderでアバターを作成してメタバースなどで活用したい場合は、専門の業者へ依頼することをおすすめします。
リプロネクストは、メタバース開発において豊富な実績があります。自治体や企業向けに、オリジナルのメタバース空間を制作し、イベントや広報活動、教育など多岐にわたる用途で活用されています。当社の専門チームが、企画から開発、運営まで一貫してサポートし、クライアントのニーズに合わせた最適なメタバースソリューションを提供します。
メタバースでのアバター活用を検討する場合は、ぜひリプロネクストへご相談ください。
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