- 2023/03/27
- 2024/04/11
メタバース×製造業とは?活用事例やメリットを紹介
メタバースと製造業という言葉だけ聞くと、具体的なイメージが湧かないかもしれませんが、実は相性が良く、これからの発展が期待されています。
この記事では、製造業界のメタバース活用方法やメリット、最新の事例を紹介します。
「製造業の魅力を伝えたいが、アプローチ方法に悩んでいる」
「業界全体を盛り上げるような取り組みを行いたい」
とお考えの方は、この記事を読んでヒントを見つけてください。
目次
1.メタバースとは
メタバースは「メタ(meta)=超越した」と「ユニバース(universe)=世界」の2語を合わせた造語です。
3DCGの技術を使ってインターネット上で仮想空間を構築し、アバターを通じて人と人が繋がり、活動を行う場をメタバースと言います。
インターネット上の空間でコミュニケーションを取ったり、移動ができる強みを活かし、旅行や会議を行うことはもちろん、メタバース上に広告を出したり、商品を売買したりと幅広い可能性を秘めており、今、株式市場で注目されている投資テーマでもあります。
▶︎▶︎関連記事:注目のメタバースとは?仕組みやメリットなどやさしく解説
2.製造業でメタバースを活用するメリット
まずは、製造業でメタバースを活用するメリットを見ていきましょう。
- 認識を共有しやすく、コミュニケーションコストが下がる
- 研修の標準化・効率化が図れる
- 採用時のミスマッチを軽減できる
- 遠方の方にもサービス・商品の魅力を訴求できる
- 設計シミュレーションの精度向上・コスト削減
2-1.認識を共有しやすく、コミュニケーションコストが下がる
メタバース空間に集まり、製品のデザインや仕様を3DCGで確認することで、認識を共有しやすくなります。アバターを通じて、リアルタイムでのコミュニケーションも可能となるため、開発プロセスをスムーズに進めることができます。
2-2.研修の標準化・効率化が図れる
人材育成において、研修は非常に重要な役割を担っています。メタバースを使えば、研修場所をオンライン上に再現できるため、支社・支店の新入社員を集めて合同研修を行い、費用や時間のコストを削減し、効率化が図れます。
また、メタバースで研修をすることで拠点や指導者の違いによる研修のムラをなくし、全員が同じ内容を学ぶことができ、知識や技術の均衡化も期待できます。
2-3.採用時のミスマッチを軽減できる
採用時、ミスマッチの原因となりやすいのが“イメージとのギャップ”です。入社前と後では少なからずイメージの違いはあるものでしょう。
「会社や社員の雰囲気はどうなのだろう?」
「普段などのような仕事をしているのだろう?」
このような求職者の不安や疑問を解決するためにもメタバースは効果的。勤務地となるオフィスや工場の職場環境をメタバースに再現することで、リアルな雰囲気を伝えられます。さらに、アバターを通じて先輩社員と話すことで仕事に対する理解が深まり、安心感が生まれることでしょう。
2-4.遠方の方にもサービス・商品の魅力を訴求できる
製品・サービスのプロモーションをメタバース上で行えば、全国はもちろんグローバル展開を行うことができます。
すでに発売されている商品はもちろん、バーチャルだからこそ未発売の商品も展示することが可能。アバターを使ってリアルタイムのコミュニケーションも取れるため、まるで対面かのように魅力を伝えることができます。
2-5.設計シミュレーションの精度向上・コスト削減
メタバースを活かせば、製品のデザインを3DCGの状態で確認することができます。
2Dの図面だけでは分かりにくい部分も3Dで立体的に確認できるため、より詳細かつ正確な確認が可能となり、改善点を的確に洗い出すことができます。
また、物理的なプロトタイプを制作する必要がなくなり、製品開発の時間とコストを大幅に削減することが可能です。
3.製造業でのメタバース活用方法
製造業でどのようにメタバースが活用できるのでしょうか。4つの主な活用シーンをご紹介します。
- 営業活動
- 採用活動
- 広報活動
- ESG
3-1.営業活動
まずは、オンライン上の営業活動・商談で使われるケースです。
メタバース上で工場見学ルームを用意すれば商品が作られている過程や設備の特徴などを、お客様に直観的に伝えることができます。
「コロナ禍で非対面営業が主流になったからこそ、自社の良さをアピールできない」と困っていた方も、対面で説明しているように商品やサービスの魅力を伝えることができます。
3-2.採用活動
就職活動をする上で、勤務地の職場環境は大きな検討材料の一つ。ですが、遠方の求職者はなかなか会社見学に行けず、入社当日まで会社の雰囲気がわからないというケースもあります。
メタバース上に職場を再現することで、アバター同士で社員とコミュニケーションをとりながら見学ができ、求職者に安心感を届けられるでしょう。
3-3.広報活動
メタバースは、サービスや商品を知ってもらうための広報活動にも活用できます。3DCGの商品を並べて展示会を開催することはもちろん、メタバースのプラットフォームによっては実際に製品の使い心地などを疑似体験してもらうことも可能です。
画像や動画、テキストでは伝えにくいリアルな魅力を届けたいシーンに効果的です。
3-4.ESG
企業が長期的な成長を目指し、事業活動を展開するESGへの取り組みも届けられます。
例えば、環境に配慮した生産過程や地域社会への取り組みなどをメタバースで発信することで、そこに込められた想いを具現化し、ダイレクトに届けられます。
メタバースであれば、工場エリアから生産地へと簡単に移動することもできるので、企業の想いや理念が伝わるバーチャルコンテンツができるでしょう。
4.製造業でのメタバース活用事例5選
最後に、製造業×メタバースの事例をご紹介いたします。一社で活用している事例から、複数社が合同で行うイベントまで様々な活用方法があります。
- 日産 銀座ショールーム
- ワープ型オープンファクトリー
- 豊田市製造業フェアinメタバース
- 京セラ メタバース展示会
- オムロン バーチャル展示ブース
4-1.日産 銀座ショールーム
日産自動車株式会社は、メタバースプラットフォームの「VRChat」にバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」を公開しました。
新車発表会や講演などの催しはもちろん、実際の自動車のデータを元に作ったハイクオリティーな3D自動車を公開し、新たなコミュニケーションの場としても展開しました。
実際にギャラリーに行く前の下見や「気になるけれどショールームが遠くていけない」というユーザーに、効果的にアプローチができるマーケティング事例です。
▶︎▶︎参考:日産自動車株式会社
4-2.ワープ型オープンファクトリー
参加者はVRヘッドセットを装着し、没入感のある工場見学ができる「ワープ型オープンファクトリー」の事例です。
一回の参加で2ヶ所の工場見学をすることができ、まるで現地にワープしたような感覚で製品やサービスの魅力を知ることができます。
現地を巡る見学では移動に時間が必要ですが、メタバースやVRの技術を使うことで場所を移動せずに複数名で工場見学ができます。
▶︎▶︎ワープ型オープンファクトリー 公式サイトはこちら
4-3.豊田市製造業フェアinメタバース
豊田市は、非対面方式で求職者に製造業の魅力をPRする目的で「豊田市製造業フェアinメタバース」を開催しました。
豊田市内の製造業約20社が集まり、各企業のブースにて担当者と求職者が交流。組織風土や雰囲気について知ることができます。
若年層求職者をターゲットにしているという点で、メタバースのような先端技術との相性も良いでしょう。
▶︎▶︎豊田市 報道発表資料はこちら
5-4.京セラ メタバース展示会
京セラの機械工具事業本部は、2022年11月8日〜13日の6日間にメタバースプラットフォーム「VRChat」内で展示会を開催。
同時期にリアル出展していた工作機械の展示会に合わせてメタバース会場を設け、同社の切削工具や、高能率加工によるカーボンニュートラルへの取り組みを紹介したそうです。
現地に行けない方にも、商品や企業の取り組みをPRできるのがメタバースの魅力。
会場には、社長自らアバターとなって参加したこともあり、新しいものを柔軟に取り入れて市場を拓いていく企業姿勢もうかがえます。
5-5.オムロン バーチャル展示ブース
オムロンはメタバースプラットフォーム「cluster」上で、バーチャル展示会ブースを常時公開しています。
近未来的な空間の中では、オムロンの長期ビジョン「Shaping the Future 2030」や主要事業が動画で紹介されていたり、同社が開発した卓球ロボット「フォルフェウス」とのラリー体験ができたりと、様々なコンテンツが用意されています。
企業のカルチャーやサービスを体験しながら学ぶことができるメタバースは、お客様向けとしてはもちろん、採用向けコンテンツとしても活用できるでしょう。
▶︎▶︎オムロン バーチャル展示会ブース紹介ページはこちら
5.まとめ
物理的な距離が離れている場合の情報共有やプロモーションに活用するだけでなく、現実だけではできない表現がかなうのがメタバースの魅力です。そしてこうした強みは、製造業が抱えるヒト・モノ・カネの課題解決に役立てることができます。
メタバースtipsを運営しているリプロネクストは、メタバースやVR/ARを活用したコンテンツの企画から開発までをサポートしています。何かお困りごとがあれば、無料相談を承っておりますのでお気軽にお問い合せください。
「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。