お問い合わせ
お役立ち資料

メタバースの種類

  • 2023/09/23
  • 2024/04/11

メタバースを小学校で活用するメリットとは?活用事例も紹介

現実空間とは違った仮想空間を構築し、現実ではできないような体験が楽しめるメタバースですが、小学校での活用も注目されています。授業はもちろん、アバターを使用しての交流などさまざまな方法での利用が可能です。

しかし、メタバースを小学校で活用するメリットには、何があるのかわからない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、小学校でメタバースを取り入れるメリットや課題点を紹介します。

実際にメタバースを導入している小学校の事例も紹介しますので、メタバースの導入を検討している方は、ぜひご覧ください。

目次

1.メタバースとは

メタバース イメージ

メタバースとは、インターネット上に構築されている仮想空間を指します。メタバースの語源は、超越を表す「メタ」と世界を意味する「ユニバース」を組み合わせた造語で、1992年に出版されたSF小説「スノウ・クラッシュ」で使用されたのが始まりです。

メタバースには「アバター」と呼ばれる自分の分身を使用。始めにアバターを作成した後、メタバース内でショッピングを楽しんだり他のアバターとの交流が楽しめる点も特徴です。

ゲームでもメタバースは活用されており「マインクラフト」や「ファイナルファンタジー14」など、有名ゲームタイトルでも使用されています。コロナ禍においてはバトルロワイヤルゲームの「フォートナイト」で、米津玄師やアリアナ・グランデのライブが開催されるなど、メタバースを活用したさまざまな取り組みが行われています。

2.メタバースを小学校で活用するメリット

小学校にて、メタバースを活用するとどのようなメリットが得られるのか、ここでは以下の4点について解説します。

2-1. 学習効率の向上に役立つ

メタバースでは、普段の学習ではできないような体験を通して、子どもたちの好奇心を刺激できます。楽しみながらさまざまな分野について学習できるため、学習内容の深掘りがしやすくなります。

その結果、子どもたちの学習効率の向上にもつながり、学習内容の定着率も上がることが期待できます。普段の授業ではなかなか興味が湧かなかった分野が、メタバースを通して興味を抱くきっかけにもつながるでしょう。

2-2. 地方にいながら都市部の高等教育が受けられる

従来の学習では、地方で都市部と同じような高等教育を受けられる機会は限られていました。しかし、メタバースの導入によって地方にいながらでも都市部の高等教育が学べるようになります。

パソコンやスマートフォンなどのデバイスと、インターネットに接続できる環境を用意するだけで、場所を選ばずにメタバースへアクセスができます。そのため、実際に都市部の学校へ通うことなく、ハイレベルな教育を受けられる機会を得られるでしょう。

そのほかに、通学にかかる交通費の節約など、費用面でのメリットが得られる点もメタバースを活用した教育の特徴です。

2-3. メタバースならではの体験ができる

メタバースでは、現実世界ではできないような体験をメタバース内で味わうことが可能です。

例えば縄文時代や江戸時代といった昔の日本へタイムスリップし、当時の文化や食生活などを学ぶ機会が得られます。教科書には載っていない、それぞれの時代ならではの発見も楽しめるでしょう。

そのほか、危険を伴うような実験もメタバース上で再現できるため、火を使った実験や教室ではできない規模の大きな実験ができます。メタバース内で完結できるため、実験にかかる費用の削減のほか、安全を確保できる点もメリットと言えます。

2-4. ゲーム感覚で楽しみながら能動的に学習ができる

メタバースの活用によって、ゲーム感覚で楽しみながら学習できます。バーチャル空間でのさまざまな体験によって子どもたちは能動的に学ぶ機会が得られ、その結果学習内容が定着する確率を上げる効果が期待できます。

そのほか、学習に対するモチベーションも上がり、アバターを通してのコミュニケーションによって自己表現能力の向上につながる可能性も持っています。

3.メタバースを小学校で活用するにあたっての課題

メタバースを小学校で活用するメリットはさまざまありますが、一方で課題もいくつかあるのが現状です。ここでは、以下の課題について解説します。

3-1.初期費用と維持費がかかる

メタバースを利用するためには、パソコンやスマートフォンといった端末やインターネットに接続する環境、VR用のヘッドセットなどが必要です。

購入するパソコンやVR用ヘッドセットにもよりますが、1人分を用意するだけでも約15万円程度はかかります。そのため、複数台を用意する場合、初期費用だけでも数十〜数百万円の費用がかかるでしょう。また、インターネット回線は毎月接続料金が発生するため、初期費用と合わせて予算を算出する必要があります。

3-2.教材や対応している学校が少ない

学校教育に大きな効果が期待されるメタバースですが、まだ発展途上のコンテンツであるため、教材や対応している学校の数は多くありません。先述したように、導入のコストが負担となってしまう点が課題点の一つです。

しかし、メタバースは今後市場の拡大も予想されていることから、学校教育においてもさらなる普及が期待されます。現在よりもVR機器などの低価格化が進むと、より教育現場での活用が広まっていくでしょう。

3-3.心身への影響が懸念される

メタバースの利用にはVRヘッドセットなどを使うケースが多いため、特に長時間の使用では心身に悪影響を及ぼす可能性があります。VRの画面上で目線を動かしていくと「VR酔い」と呼ばれる現象が発生し、吐き気やめまい、ひどい場合には嘔吐などのリスクもあるでしょう。

また、VR機器は小型化・軽量化が進んでいるものの、頭に装着している時間が長くなるにつれて首や肩への負担も生じます。そのため、長時間の使用は控えて適度に休憩やストレッチを取り入れることが大切です。

Meta Questは、2023年中に対象年齢が13歳から10歳に引き下げられるため、小学校での導入は益々増えていくと予想されます。

3-4.導入する側のITリテラシーが求められる

メタバースを利用する上で必要なことの一つに、導入にあたってのITリテラシーが求められる点です。メタバースの活用にはITの知識が必要であり、知識を持ち合わせていない状態でメタバースを利用しても思うような結果が得られない事態になってしまいます。

3-5.普及されているデバイスのスペックへの対応

文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」により2021年頃から全国の小中学校と特別支援学校に端末が配布されました。

配布されている端末はChromebookとiPadの2種類がほとんどですが、スペックへの課題があるためメタバースのポリゴン数(容量)を下げる工夫が必要です。

4.小学校がメタバースを活用している事例5選

ここでは、実際にメタバースを取り入れている以下の小学校の事例を紹介します。

4-1.東京都西東京市立保谷第二小学校

東京都西東京市立保谷小学校 イメージ

引用:東京都西東京市立保谷小学校

東京都西東京市立保谷第二小学校では、2023年7月に5年生がメタバースの導入授業を体験しました。授業では生徒一人一人がタブレットを使用して、仮想空間内に作られた教室でチャット形式での会話に挑戦。

会話の際には「みんなが知らない自分のこと」や「夏休みにやりたいこと」などといったテーマが設けられ、アバターを通してのコミュニケーションを体験しました。

今回の授業を通して、オンライン上でもその先に人がいることや、アバターの使用で子どもたちの属性や性格がわからない状況でも、会話を通してさまざまな魅力に気づけた結果となりました。

4-2.徳島県阿南市立椿泊小学校

徳島県阿南市立椿泊小学校 イメージ

引用:徳島県阿南市立椿泊小学校

徳島県にある椿泊小学校では、メタバースを活用して海部小学校との交流会を開催しました。交流会ではVRゴーグルを着用して、メタバース内の教室にて交流学級の名称について話し合いを実施。

参加者は活発に意見を出し合い「自然に仲良しかいつばクラス」と名付けました。生徒だけでなく先生もアバターとして参加し、会話やメタバース空間でのグータッチを行うなど学校の垣根を超えた交流を楽しんでいました。

今後は椿泊小学校と海部小学校との授業も計画されているとのことで、メタバースのさらなる活用が期待されます。

4-3.徳島県上板町立高志小学校

徳島県上坂町立高志小学校 イメージ

引用:DNP

徳島県上坂町立高志小学校では、大日本印刷株式会社と株式会社steAmが行う実証実験の一環として、カンボジアのプノンペン日本人学校との交流を行いました。

交流の内容としては「京都館PLUS X」と飛ばれるメタバース空間を活用して、両国の子どもたちがそれぞれの地元についてプレゼンテーションなどを実施。プレゼンテーションの他にも、ボイスチャット機能を活用しての質問や感想を述べる機会を設けて、日本とカンボジアについて知る機会も与えられました。

交流会を通して子どもたちからは、メタバース空間ならではの臨場感を味わえたほか、遠く離れた国が身近に感じられたなどの感想が寄せられました。

4-4.富山県魚津市立経田小学校

富山県魚津市立経田小学校 イメージ

引用:北日本新聞社

富山県魚津市立経田小学校では、プログラミングクラブに所属する児童がアバターを用いてメタバースを体験しました。

NTTが提供するプラットフォーム「DOOR」を活用しての取り組みは富山県内の小学校では初であり、魚津市の村椿市長も参加して経田市にまつわる◯×クイズを実施。また、児童からの質問に対して村椿市長が答える機会も設けられました。

途中、アバターがメタバース上にアクセスできないといったトラブルで苦戦する場面も。しかし、取り組みと通して子どもたちからは再び挑戦したいといった声も寄せられ、メタバースへの興味・関心が強いことが伺える結果となりました。

4-5.鹿児島大学教育学部附属小学校

鹿児島大学教育学部附属小学校 イメージ

鹿児島大学教育学部附属小学校では、外国語の学習で活用するためにメタバース空間を活用しました。メタバース空間の制作は株式会社リプロネクストが担当。

メタバース空間はパソコンやスマートフォンからアプリを使用せずにアクセスできる「DOOR」を使用。空間内にショッピングモールを再現し、フードコートや観光案内所などの施設が作られました。アバターも小学生の児童でも親しみやすいデザインとなっており、ルーム内での着せ替えも簡単にできます。

2023年5月26日には公開研究会が開催され、全国から先生や教育関係者約800名がメタバースを活用した授業を視察。鹿児島国際大学の学生がフードコートの店員役として、お客様役の児童と英語でやりとりが行われました。

公開授業を通して、メタバースを使用した児童からは英語の授業を楽しむ姿や他の授業での活用を求める声が寄せられました。

5.不登校の小学生を対象としたメタバースの活用も広がっている

room-k イメージ

引用:KATARiBA

メタバースを活用した取り組みは、不登校の子どもに対しても行われています。

文部科学省が発表した令和3年度の小学生の不登校者数は81,498人と過去最多を記録。不登校の児童を対象とした対策が急がれています。その中で現在「メタバース登校」が注目を集めています。

認定NPO法人カタリバが運営するメタバース空間「room-k」では、アバターを使用して国語や算数といった学習やクラブ活動を実施。そのほか、運営スタッフが子どもや親との相談を行っている点も特徴です。

埼玉県戸田市ではカタリバと連携し、room-kでの支援を進めているほか、校長が認めた場合にメタバース上での活動を出席扱いにする取り組みを始めました。

現時点では、メタバースを活用した不登校対策を行っている自治体は少ないものの、今後カタリバや戸田市の取り組みが広がることで、メタバースを取り入れる自治体の増加が期待できます。

6.まとめ

小学校でメタバースを活用することで、学習効率の向上や場所を選ばずに高等教育を受けられる機会の創出が期待できます。しかし、導入コストが高価であることやITリテラシーが必要であるなど、さまざまな課題も浮き彫りとなっています。

今後メタバース市場の拡大により、現在よりもVR機器の低価格化や小型化などが進むとより一層メタバースの普及も期待できるでしょう。小学校での授業だけでなく不登校対策でも活用できるため、今後の取り組みに注目しましょう。

メタバースtipsを運営しているリプロネクストは、ビジネスにおけるメタバースの活用に関して企画から開発までをサポートしています。

小学校をはじめ学校教育でのメタバースやVR/ARをご検討の際は、無料相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

メタバースの種類 一覧に戻る

メタバースについての質問を記事として回答しています

メタバースをビジネスで活用する上での悩みなどありましたらお気軽にご質問ください。
メタバースtipsは皆さんが使いやすいサイトを目指して日々情報を更新していきます。

質問する