- 2024/02/21
- 2025/01/20
メタバースとVRの違いとは?活用方法から事例まで徹底解説!
近年、技術の進化により、メタバースやバーチャル(VR)がさまざまなシーンで活用されるようになりました。しかし、メタバースとバーチャルの違いを明確に理解できていない方が多いことも現状です。
メタバースの世界における「バーチャル」とは「VR=バーチャル・リアリティ(仮想現実)」をさし、没入感のある体験ができるツールといえます。両者の違いを正しく把握しなければ適切に活用するのは困難でしょう。
そこで今回は、メタバースとバーチャル(VR)の違いについて解説しつつ、メリットや事例などもご紹介します。
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目次
1.メタバースとは?その定義と特徴を解説
メタバースを一言で表すと、アバターを通じてコミュニケーションがとれる仮想空間のことを指します。
メタバースの由来は超越を意味する「メタ」と世界を意味する「ユニバース」を組み合わせた造語です。
メタバース空間の中では、アバターと呼ばれる自分自身の分身になり、音声・チャット・リアクションなどで他社とコミュニケーションをとることができます。もともとゲームやエンターテインメント分野で注目されていましたが、近年ではビジネス活用が急速に広がっています。
ここでは、メタバースが注目されている理由とできることを解説します。
メタバースが注目されている理由
近年、メタバースが注目されている理由は、以下のとおりです。
- 大企業の参入
- 技術の進歩
- 新型コロナウイルスの影響
- ブロックチェーンと仮想通貨、NFTの登場
Facebookが社名をMetaに変更し、メタバースの構築に注力すると表明したことなど、大企業が次々とメタバース関連事業に参入しており、メタバースが世界中で注目されるようになりました。また、AR(Augmented Reality:拡張現実)やVRの進歩により、現実世界と仮想空間が共存し始めています。
さらに新型コロナウイルスの流行により、リモートワークやオンラインでの会議、パーティーなどが当たり前になったことで、仮想空間を人々が受け入れる素地ができあがりました。
そしてビジネス面においては、ブロックチェーン(取引記録を残しておく分散型の台帳で、暗号技術により取引履歴を過去から1本の鎖のようにつなげることが可能な技術)の技術によって仮想通貨やNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)が登場したことで、メタバースの浸透に拍車をかけています。NFTはデジタルコンテンツの所有権を証明するもので、デジタルアートやコレクターズアイテムなどの所有権が証明され、取引されている状況です。
これらの技術は、メタバース内での大規模な経済活動を可能にし、仮想空間上でも価値と所有権を確立できます。
メタバースでできること
メタバースは、仮想空間上でさまざまなことを実現することが可能です。例えばゲームや他のユーザーと交流、イベントの参加・主催、好きな部屋・世界の制作、あらゆる世界の探索、NFTの売買、ビジネス利用、Eコマース・サービスの提供などが挙げられます。
メタバースは場所に囚われることなく、オンラインで世界中の人とリアリティを持って接触できる点が特徴です。また、現実世界では体験できないような、新しい体験ができます。
さらにメタバースは、新しいビジネスを展開できる場所としても注目を集めています。
ただしウォレットの脆弱性や敷居の高さ、メタバースへの依存といったデメリットもあるため注意しなくてはなりません。
2.VR(バーチャルリアリティ)とは?具体例でわかる技術の仕組み
VRとは「Virtual Reality」の略で、日本語では仮想現実や人工現実などと訳されます。具体的には、専用のゴーグルを使用して360度の映像を視界に映し出すことで、現実の空間にいるかのような感覚をシミュレートする技術です。VRを介して、現実世界とほぼ同じような知覚体験を実現します。
ここでは、VRでできることをご紹介します。
VRでできること
VRの技術を活用することにより、以下のようなことが実現可能です。
- 立体的な映像が見られる
- VR空間の物体に触れる、動かせる
- VR空間内を移動できる
- ユーザーの動きに連動して映像が変わる
- 場所や顔の向きによって音の聞こえ方が変わる
また、VRは大きく視聴型と参加型の2つに分かれます。視聴型では3D映像を鑑賞するだけで、例えば授業や医療のサポートなどが行えます。一方、参加型のVRでは映像内を歩き回るだけでなく、映像内の対象物に触ったり操作したりできることがメリットです。
3.メタバースとVRの違いを比較!用途や活用方法の違い
メタバースとVRは、どちらもデジタル技術によって生み出される仮想世界ですが、その概念や利用方法、体験の質には大きな違いがあります。
メタバースは、インターネット上に存在している仮想的な「空間」です。現実世界を模倣したり、全く新しい世界を創造したりできます。また、ユーザー同士が自由にコミュニケーションを取りながら、仮想空間を探索することや活動できる点が特徴です。
一方、VRは仮想的な世界を体感できる「技術」をさします。VRの技術によって、仮想的な世界に没入しながら、現実のように感じられる体験を実現することが可能です。つまり、メタバースは「仮想空間そのもの」をさし、VRは仮想空間を体験するための「手段・技術」といえるでしょう。
4.メタバースでVRを活用するメリット
メタバースとVRを組み合わせることにより、さまざまなケースで活用できます。ここでは、メタバースでVRを活用するメリットをご紹介します。
対面に近いコミュニケーションの実現
メタバースでVRを活用することで、ユーザーは他のユーザーと対面のようなコミュニケーションを取ることが可能です。これにより遠隔地にいても、まるで同じ場所にいるかのようなリアルなコミュニケーション体験が実現できます。
現実世界でできないような体験が可能
メタバースは現実世界とは異なる仮想世界であり、その中における体験は現実世界の制約に縛られません。例えばVRゲーム内では、現実では不可能な飛行体験や、異なる時代や場所への旅行など、ユニーク、かつ新しい体験が可能です。
ビジネスでの活用ができる
ビジネス領域においても、メタバースとVRの活用が期待されています。例えば、仮想空間内でショッピングモールを立ち上げ、ユーザーが自由に商品を選び購入できるメタバースの活用例が一般的です。
また、不動産業界ではVRによって物件を仮想内見したり、医療分野では遠隔手術などのシミュレーションが行われたりするなど既にさまざまなシーンで活用されています。
5.メタバースとVRの活用事例|ビジネス・教育・エンタメの最前線
VRやメタバースは、実際にはどのように活用されているのでしょうか。ここでは、VRやメタバースを用いた活用事例を6つご紹介します。
1.岩手県【メタバースを活用した食の交流会・商談会】
岩手県では、食環境の変化に対応し、農産物の販路開拓にさまざまな試みを行ってきました。しかし、近年のライフスタイルや消費行動の変化を踏まえ、新たな販路拡大モデルが求められたそうです。
そこで通常の商談会ではなく、メタバースを活用した商談会を開催。メタバースを活用したことにより、移動コストの削減、現実に近いコミュニケーションを実現し、情報の素早く正確なやり取りが行えるようになりました。
また商談会では、岩手県内の生産者や加工業者が出展し、バイヤーやシェフに対して自然に育まれた安全な食材やこだわりの食品を紹介しました。出展者と参加者が具体的な商談を行い、フリー交流エリアではトークテーマごとに分かれて気軽な交流が行われたそうです。
2.山梨県甲府市【全国初!メタバースを活用したひきこもり相談窓口】
山梨県甲府市が全国初として、メタバースを活用したひきこもり相談窓口「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」を開設しました。当社リプロネクストがメタバース空間の制作を担当し、特に気軽な相談環境を提供しています。
相談者はアバターを通じてリアルかつリラックスした雰囲気で相談することが可能です。地方自治体がメタバースを利用したひきこもり支援は全国初の試みで、プライバシー保護のためにチャットや会話データを保管せず、安心感と機密性を確保しました。
また制作したメタバース空間には、共有空間「心のよりどころ空間」と個別相談ができる「森の相談ルーム」の2つが整備されており、対象者は誰でも入室ができます。相談者の落ち着く場所を重視し、今後も改良を進めながら活用を促進するそうです。
参考:山梨県甲府市 様【全国初!メタバースを活用したひきこもり相談窓口】
3.山梨県ひきこもり支援メタバース「ふらとぴあ」
山梨県では「ここちよくつながるみんなの居場所」というテーマでひきこもり支援メタバース『ふらとぴあ』を開設いたしました。こちらも当社リプロネクストがメタバース空間の制作とイベントも複数回実施しています。
山梨県の豊かな自然をモチーフとし、悩みを抱える人がリラックスして利用できるよう配慮。支援情報等を確認しつつ、他の空間にアクセスできる「エントランス」や、交流を目的とした「交流広場」、個別相談のための「個別相談ルーム」などのエリアで構成されています。
参考:山梨県、ひきこもり支援メタバース空間「ふらとぴあ」令和6年10月25日開設 オープン記念イベントは29日実施
4.大阪府河内長野市【バーチャルカンパニーツアー制作】
大阪府河内長野市では、メタバースを活用したバーチャルカンパニーツアーが制作されました。本プロジェクトには15社の企業が参画し、製造業、タクシー会社、工務店、農家、ショッピングセンター、福祉施設、美容室など、多岐にわたる業種が集まりました。
バーチャルツアーでは、オンライン上で工場や事業所を360°見学でき、動画内で従業員の声も聞けます。これにより、河内長野市の産業魅力向上や人材確保、販路拡大を目指しているのが特徴です。また、遠隔地からでもリアルな現場を体験できるメリットがあります。
さらに、動画内で従業員の声を聞けるため、企業の雰囲気や働く環境を理解しやすいでしょう。
参考:大阪府河内長野市 様 【バーチャルカンパニーツアー制作】
5.静岡県:広報・公聴活動に活用するメタバース空間構築
静岡県では、広聴広報事業で活用していく交流拠点として大規模なメタバース空間「Metaverse SHIZUOKA」を実施しています。
静岡県ではこれまで、タウンミーティングや知事広聴などの意見交換会を通じて、県民の声を県政に反映。しかし、体力的・身体的な制約からそういった場に参加が困難な方も多くいました。
また、働き盛りの若年層においても、忙しさや移動時間などの物理的な理由から意見交換会などへの参加ハードルが高いのが現状です。そこで、メタバースを活用した新たな拠点として、PCやスマートフォンから気軽に意見交換や交流ができる「Metaverse SHIZUOKA」を整備しました。
静岡県を丸ごとスキャンした3次元点群データを活用することで、精細な町並みを再現。空間の一部は全国的にも珍しい24時間利用できる”常設空間”として、2024年1月23日から公開されています。今後、広報・公聴活動のテーマに合わせた空間などを随時構築していく予定です。
【参考】静岡県様【広報・公聴活動に活用するメタバース空間構築】
6.鹿児島大学教育学部附属小学校「メタバースとVRを活用した英語授業を体験」
鹿児島大学附属小学校では、児童たちがアバターを通じて学び、日常生活を再現した空間で楽しみながら英語を学ぶために、英語授業でメタバースを活用しています。児童たちが外国語科のコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら、やりとりを工夫できるようになることが目的です。
【参考】鹿児島大学教育学部附属小学校が英語の授業でメタバースを活用
まとめ
メタバースはインターネット上の仮想空間で、現実世界を模倣したり新しい世界を創造したりでき、ユーザー同士が自由にコミュニケーションを取ります。一方、VRは仮想世界を体感する技術で、現実のような体験を可能にする点が特徴です。したがって、メタバースは「仮想空間そのもの」、VRはその空間を体験する「手段・技術」といえます。
メタバースでVRを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- 対面に近いコミュニケーションの実現
- 現実世界でできないような体験が可能
- ビジネスでの活用ができる
両者の特徴やメリットを正しく理解することで、さまざまなシーンで活用できるようになります。本記事の内容が、貴社のビジネスやサービスの発展に寄与できれば何よりです。
メタバースとVRの活用を検討している場合は、ぜひリプロネクストへお気軽にご相談ください。
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