- 2023/11/16
- 2024/07/26
フォトグラメトリのメリット・デメリットは何がある?制作に必要な機材も紹介
建物や人物など、実在する対象物を3DCGモデルとして再現できる技術として注目を集めている「フォトグラメトリ」。
メタバースやVRといったコンテンツでも活用されていますが、フォトグラメトリにはどのようなメリットやデメリットがあるのかわからない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、フォトグラメトリのメリット・デメリットを紹介するほか、制作に必要な機材についても紹介します。
フォトグラメトリの制作フローも把握できるため、これからフォトグラメトリの活用を検討している方は、ぜひご覧ください。
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建物や人物など、実在する対象物を3DCGモデルとして再現できる技術として注目を集めている「フォトグラメトリ」。
メタバースやVRといったコンテンツでも活用されていますが、フォトグラメトリにはどのようなメリットやデメリットがあるのかわからない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、フォトグラメトリのメリット・デメリットを紹介するほか、制作に必要な機材についても紹介します。
フォトグラメトリの制作フローも把握できるため、これからフォトグラメトリの活用を検討している方は、ぜひご覧ください。
目次
1.フォトグラメトリとは
引用:STYLY
フォトグラメトリ(Photogrammetry)とは、日本語で「写真測量法」とも呼びます。被写体をさまざまな角度から撮影し、コンピューターで解析を行い3DCGモデルを作成する手法です。
作成する3DCGモデルにどの程度のリアルさを求めるかによって、撮影する画像データの枚数は変わりますが、およそ100枚程度必要になります。より高度な技術を用いて作成する場合は、さらに多くの枚数が必要となります。
フォトグラメトリは、専用の機械や知識がなくともスマートフォンのアプリを使用して作成が可能。そのほか、手軽にデジタルツインの構築が可能な技術としても注目を集めています。
2.フォトグラメトリのメリット
フォトグラメトリを活用する際に得られる主なメリットには、以下のようなものがあります。
- 手軽に利用できる
- さまざまな対象を3Dモデル化できる
難しいと思われがちなフォトグラメトリですが、メリットを把握して3DCGモデルの作成に挑戦してみましょう。
2-1. 手軽に利用できる
先述した通り、フォトグラメトリは特別な機材を揃える必要はなく、スマートフォンでも作成できます。スマートフォンのカメラは16MP(1600万画素)以上のカメラが搭載されているモデルもあるため、フォトグラメトリの活用に十分な色解像度で撮影が可能です。
フォトグラメトリを活用する際、特別な技術を必要としないほか、スマートフォンから一眼カメラまで幅広いツールに対応しています。また、必ずしも高価なツールを使用する必要がない点は、フォトグラメトリのメリットと言えるでしょう。
2-2. さまざまな対象を3Dモデル化できる
フォトグラメトリは、さまざまな角度から撮影したモデルがある場合はモデリングが可能なため、対象物を選ばずに3DCGモデルが作成できます。基本的に撮影したデータを参考とするため、例えば服の質感や肌のシワといった細かい部分もリアルに表現できます。
また、水中においても対象物のサイズを測る際に写真を撮影するだけで、3DCGモデルからサイズの測定が可能です。
3.フォトグラメトリのデメリット
フォトグラメトリのデメリットは、以下のようなものがあります。
- 背景を統一する必要がある
- 影の映り込みに弱い
- 作業に時間がかかる
フォトグラメトリを制作する際に影響を与える部分でもあるため、以下の解説を把握した上で制作に取り掛かりましょう。
3-1. 背景を統一する必要がある
フォトグラメトリは、被写体の情報だけを把握することができないため、撮影の際は背景を統一する必要があります。背景が統一されていない場合、天地がはっきりとすることから完成した際に違和感を覚えてしまうでしょう。
フォトグラメトリを活用する際は、背景処理をした上で3Dデータを作成し、背景情報を統一する必要があることから、編集作業に時間がかかってしまいます。
3-2. 影の映り込みに弱い
フォトグラメトリは、コントラストの強い影に弱い点がデメリットで、撮影の際にモデルに影がかかると、影まで取り込んでしまいます。特に晴れている日の撮影においては、影が映り込む可能性も高くなります。
雨の場合は影が映り込むリスクは下がりますが、モデルが濡れてしまうことから乾いている場合と見た目が異なってしまうことも。そのため、モデルを撮影する場合は曇りの日が適していることから、屋外での撮影の際は当日の天気にも注意が必要です。
3-3. 作業に時間がかかる
フォトグラメトリの撮影において、作業がすべて手作業となる場合、完成までに時間がかかってしまいます。複数のスタッフを要してもある程度の時間が必要となるため、大掛かりな作業が必要なケースでは、スタッフを確保した上で作業を進めるよう計画を立てる必要があるでしょう。
4.フォトグラメトリによる3DCGの制作フロー
引用:太陽企画
フォトグラメトリを利用して、3DCGを制作する際の手順は以下の通りです。
- 撮影に必要な機材やソフトを揃える
- 撮影を行うスタジオを確保するなど環境を整える。
- モデルの撮影をする
- 撮影した画像をもとに合成処理をする
- 違和感が出ないよう修正をする
3DCGを作成するために最初に撮影を行いますが、撮影が上手くいくと合成処理などもスムーズに進められます。撮影が上手く進められるよう、屋内の場合は専用のスタジオを確保することも検討しましょう。屋外でドローンを使用して建物などを撮影する場合は、できるだけ曇りの日を選び、影が映り込まない状況を作る必要があります。
撮影が完了した後は合成処理を行いますが、実物に近いクオリティに仕上がった場合でも3DCGで表現される質感に違和感を覚えるケースもあります。その際は質感を細かく調整することで、より実物に近い質感を得られるでしょう。
5.フォトグラメトリの制作に必要な機材
フォトグラメトリを制作する際に必要な機材は多いわけではなく、以下のものを用意するだけで制作が可能です。
- カメラ
- パソコン
- ソフトウェア
- iPhone
5-1.カメラ
フォトグラメトリを活用する際は、カメラが必須であるため用意する必要があります。その際、以下のような特徴を持ったカメラがおすすめです。
- 精密なレンズ
- 高確度
- 固定レンズ
- 設定の制御
性能の高いカメラを使用すると、制度の高い3DCGモデルの制作が可能です。また、撮影する際にスピード感が求められる場合は、自動撮影システムを備えたカメラを使用すると良いでしょう。
5-2.パソコン
フォトグラメトリを活用する際、膨大なデータを処理するため処理能力が高いパソコンが必要です。性能が低いパソコンの場合、処理に時間がかかってしまいます。
パソコンを選ぶ際は、画像編集に適したものを選ぶと3DCGの制作もスムーズに進められるでしょう。制作に適したパソコンのスペックは以下の通りです。
- メモリ:16GB以上
- CPU:Intel Core i7以上/Ryzen 7以上/Apple M1・M2
100枚以上の写真を使用する場合、グラフィックボードを搭載しており、かつ上記のスペックを備えたパソコンが望ましいでしょう。反対に50枚程度の写真であれば、一般的にビジネス用として活用されているスペックのパソコンでも対応できます。
5-3.ソフトウェア
フォトグラメトリを作成するにあたって、専用のソフトウェアを用意する必要があります。ソフトウェアはさまざまなメーカーから出されており、主に以下のソフトウェアが有名です。
- 3DF Zephyr
- MetaShape
- ReCap
- Reality Capture(RC)
有料でサービスを提供しているソフトウェアもありますが、個人の利用を対象とした無料版をリリースしているソフトウェアもあります。そのため、無料版を使用して自分に合ったソフトウェアを探してみても良いでしょう。
5-4.iPhone
iPhoneを活用して、フォトグラメトリの作成も可能です。フォトグラメトリの作成は写真を複数枚撮影するパターンのほかに、LiDARセンサーを使用するパターンがあります。
LiDAR(Light Detection And Ranging)とは対象物に光を当てて、反射した光のデータをもとに対象物までの距離を測定する技術です。iPhoneのProシリーズに搭載されているLiDARセンサーを活用することで、3Dスキャンが可能です。
iPhoneで3Dスキャンをするには専用のアプリを使用します。iPhoneを対象物に当てるだけでスキャンができるほか、実物のようなリアルな仕上がりが実現できます。
6.まとめ
フォトグラメトリは一眼カメラだけでなく、スマートフォンで撮影したデータをもとに3DCGモデルの作成が可能です。大がかりな機材を用意する必要がなく、カメラやパソコン、専用のソフトウェアを使用することでフォトグラメトリが作成できます。
実際に撮影する際は、影が映り込まないよう晴れの日を避けるほか、背景を統一した上で違和感のない仕上がりにできるよう注意して作成しましょう。
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