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メタバースの基礎知識

  • 2022/08/09
  • 2024/04/11

メタバースの仕様書を作成する上で注意するべき10つのこと【自治体・行政向け】

自治体・行政の公募型プロポーザルや入札に、メタバースを活用した事業が増えてきています。一方で、まだ事例が少ないメタバース事業だからこそ、仕様書作りに悩んでいるというご担当者の方もいらっしゃると思います。

この記事では、メタバース関連事業の公募を予定している方に向け、仕様書を作成する上で注意すべきことや入れるべき項目、自治体・行政におけるメタバースの活用シーンを詳しく紹介します。

目次

1.メタバースとは?

メタバースは「メタ(meta)=超越した」と「ユニバース(universe)=世界」の2語を合わせた造語です。

直訳すると「超越した世界」になりますが、インターネット上でアバターを通じて人と人が繋がる3次元の仮想空間のことをメタバースと言います。

メタバースにAR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術を掛け合わせれば、現実世界と仮想世界を融合したり、その世界に入り込んだような感覚を得ることもできます。

▶︎▶︎関連記事:注目のメタバースとは?仕組みやメリットなどやさしく解説

2:メタバースの仕様書作りに注意が必要である理由

メタバース事業の委託会社を募集・選定する上で、仕様書作りは非常に重要です。ここでは、仕様書がなぜ重要であるのかをお伝えします。

2-1.制作会社のクオリティに差があるため

メタバースに限らずコンテンツ制作に共通する部分ですが、メタバース制作・開発はクオリティに差が出やすく、制作会社によって強みとする部分が異なります。

よくある失敗が、仕様書の要件は満たしていたけれど、頼んでみたらイメージと違ったというケースや、見た目は良いけれど運用しづらかったというトラブルです。

こういったミスマッチを起こさぬように、仕様書の段階である程度イメージを伝えることが大切なのです。

2-2.プラットフォームの選定が大切であるため

メタバースは国内外の企業が運営しているプラットフォームが多数あり、今でも増え続けています。

プラットフォームによってできることが変わるので、間違えてしまうとせっかく制作したのに操作性が悪い場合があります。「スマートフォンで使いたかったのに、パソコンのみの対応だった」「商用利用NGのプラットフォームだった」ということもあるので、仕様書の中に記載しておくと安心です。

2-3.制作後の運用が必要であるため 

メタバースは制作・開発がゴールではなく、その後の運用を経て目的を達成することが重要です。そのため、制作後の運用についても仕様書の段階で決めておくとよいでしょう。

事業者に運営を委託するのか・完成後は内製化するのかを検討し、記載をしておくとスムーズです。

3.メタバースの活用シーン5つ【自治体・行政向け】

3-1.観光地の認知拡大・誘客

「バーチャルOKINAWA」の事例

観光地の認知拡大や誘客を目的に、バーチャル空間で観光地を再現し、観光業を盛り上げる取り組みがあります。メタバース上であれば遠方からもアバターでアクセスでき、イベントに参加したり、現地の雰囲気を感じながら街歩きをすることができます。

メタバースで下見をしてもらうことで「次は現地に行ってみたい」という行動喚起ができるほか、メタバースの自治体の活用事例がまだ多くはないため、話題性が高く、認知拡大も期待できます。

3-2.海外向けプロモーション

withコロナ・アフターコロナを見据え、自治体を中心にインバウンドの再開に向けた取り組みが始まっています。

これまで海外向けのプロモーションは動画制作などが中心でしたが、今注目を集めているのがメタバースです。動画を視聴するといった受け身の情報収集ではなく、アバターを使って交流・見学・参加といったインタラクティブな体験を届けられるため、訴求力の高いコンテンツとして活用されています。

3-3.施設のプロモーション

メタバース上に施設・建物を再現し、バーチャルツアーを公開することができます。

現地に行くには移動に伴う時間とコストがかかりますが、メタバースであればユーザーに低コストで体験してもらうことができ、間口を広げたプロモーションが可能です。

新施設や歴史的建造物のPR、商業施設をメタバース化してバーチャルショッピングを楽しんでもらうこともできます。

また、過去に閉鎖された施設を復元できるのもメタバースの強みです。

3-4.関係人口の増加

現実世界で移住をする「定住人口」、観光に来た「交流人口」でもない、地域と関わりを持つ「関係人口」をメタバースを使って増やす取り組みもあります。

例えば、メタバース上に地域を再現し、土地を仮想通貨で販売することで、メタバース上に住所を持ってもらうことができます。その中で友人を作ったり、アクティビティを体験したりと現実世界さながらに過ごしてもらえるのです。

移住となるとハードルが高くなりますが、今後はメタバース上で好きなエリアに複数の家を持つという時代が訪れるかもしれません。

3-5.地域資源の活用

インターネット上の暗号資産「NFT」と、デジタル上で制作した地域資源を紐付けてメタバース空間で出品することで地域資源の活用の可能性も今後広がっていきます。

「3-4.関係人口の増加」で紹介した土地の販売もそうですが、地域性のある名産品や伝統工芸品をデジタル化し販売することで、地域資源に新たな価値を持たせ、マーケットを広げることに繋がります。

4.メタバース事業の仕様書に入れておくべき10のこと

ここからは実際に、メタバース事業の仕様書に入れておくべきことを紹介します。

4-1.目的

最も大切なのは、メタバースでどんな課題を解決したいのか、どんな風に活用していきたいのかという実施の目的をわかりやすく記載することです。

先ほど紹介した「活用シーン」で様々な使い方があったように、目的によってメタバースのあり方や持たせる機能が大きく変わってくるので、最適な制作会社と出会うためにも大切なポイントです。

4-2.ターゲット

メタバース空間にアバターとして参加する想定ターゲットを明記しましょう。

外国人もターゲットに含まれる場合、海外対応のサービスが良いなどプラットフォームの選定に大きく関わってきます。

4-3.プラットフォーム

メタバースは、3DCG空間を制作後にプラットフォームを使ってアップロード・公開をします。そのプラットフォームは、国内外の様々な企業が提供しています。

▶︎▶︎関連記事:メタバースを体験できるプラットフォーム9選【目的別におすすめを紹介】

中には商用利用不可であったり、プラットフォームの運営元のみが空間制作可能な場合もあるので、記載をしておくと安心です。

4-4.対応デバイス

メタバースを体験してもらう際のデバイスを記載しましょう。

パソコン、スマホ、タブレット、VRヘッドセットなどがありますが、プラットフォームによっては「スマホは非対応」というものもあるので注意です。

VRヘッドセットはまだ一般家庭に広く普及していないため、多くの人に訴求したい場合はパソコン・スマホ対応のメタバースをおすすめします。

4-5.メタバース内で実施したいこと

メタバース空間で実施予定の内容もあると良いです。

・交流会

・講演会

・商品の販売

・イベント・ライブ

など、内容を把握することで制作会社はプラットフォームを選んだり、具体的な提案資料を作成することができます。

4-6.運営方法

メタバース空間の公開後の運営方法は重要です。

制作会社が運営・管理をするのか。マニュアル等を共有し、その後の運用は委託元が行うのかという進め方に関わってきます。

4-7.分析・データ

メタバースはインターネット上の空間なので、Web広告のようにデータ分析を行うことができます。(プラットフォームによって分析項目は変化します)

・参加者の年齢層・性別

・滞在時間

・行動履歴

・購買データ

等の必要とするデータを記載しましょう。制作会社の選定後に伝えると、分析が不可能だったり、特定の数値は追えない場合もあります。

4-8.メタバースの公開時期

メタバースの公開時期を知っておくことで、制作会社は逆算して制作スケジュールを出すことができます。

制作スケジュールをどれくらい確保できるのかを把握することで、具体的な提案へと繋げられるので明記しておくと良いです。

4-9.次年度以降にどう活用する予定か

自治体や行政の公募型プロジェクトの場合、年度を区切りとした事業が多くあります。

一方で、メタバースは仮想空間として半永久的に存在させ続けることができるため、公開した年度以降どのように活用する予定なのかを記載しましょう。

4-10.参加資格

成果物のクオリティを担保すべくVR/AR/メタバースの実績があることなど記載するなど、参加資格があれば明記しておきましょう。

5.まとめ

交流や購買活動、地域PRができるメタバースは自治体・行政の課題解決に役立つ可能性を多分に秘めており、公募型プロジェクトで「メタバース」というワードを目にする機会が増えてきました。

この記事を仕様書作成にお役立ていただければ嬉しいです。



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