- 2024/09/06
メタバース内でNFTアートを販売する方法とは??メリット・デメリット、販売事例、プラットフォームなどをご紹介
近年、メタバースでNFTアートが販売されるケースが散見されます。そのため、NFTアートをメタバース内で販売したいと思う企業も増えているでしょう。
しかし、具体的にどのように実施すればよいかがわからないケースもあるかもしれません。
ここでは、メタバース内でNFTアートを販売する方法について、メリット・デメリットや販売事例、プラットフォームなどをご紹介します。
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目次
NFTとメタバースについて
まず、NFTとメタバースがそれぞれどのようなものなのか、簡単におさらいしておきましょう。
NFTとは
NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、ブロックチェーン上で管理されるトークンで、デジタル資産の所有者や取引履歴を追跡可能です。
ブロックチェーンとは、データを安全に記録・共有するための技術です。情報を「ブロック」という単位でまとめ、時系列で「チェーン」のように連結されて保存されます。この仕組みにより、データの改ざんや削除が非常に難しくなり、信頼性が高まるのがメリットです。
NFTはデジタルデータに唯一性を持たせ、改ざんや複製を困難にする技術であり、デジタルアートやゲーム内アイテムと結びつけられることが多く、これらをコレクションや売買の対象とします。
メタバースとは
メタバースとは3D-CGによる仮想的な世界であり、現実世界とは異なるルールや物理法則が適用される場所です。ユーザーはアバターを操作して、他のユーザーとコミュニケーションを取ったり、仮想空間内で活動したりできます。
メタバースは、VR(仮想現実)技術やAR(拡張現実)技術を活用して構築され、ソーシャルメディア、ゲーム、ビジネス、教育などのさまざまな分野で利用されています。
メタバースの詳細については、以下の記事をご参照ください。
NFTとメタバースの関係
NFTとメタバースは、直接的な関係はありません。メタバースはNFTが存在しなくても成立しますし、その逆も同様です。ただし、どのようなデジタルデータでも基本的にNFTとして発行できるため、NFTはメタバースの可能性を広げるテクノロジーといわれています。
近年、メタバース内のさまざまなデジタルアセットが、NFTとして作成される状況です。例えば、メタバース関連のブロックチェーンゲームでは、ゲーム内のアイテムや土地がNFTとして発行され、ユーザー同士で取引されています。
NFTとメタバースの関係についての詳細は、以下の記事でもご確認いただけます。
NFTアートとは
NFTの主な活用事例として挙げられるのが、NFTアートです。ここではNFTアートの特徴と作り方をご紹介します。
NFTアートの特徴
NFTアートは、NFTとして「トークン化」されたデジタルアートです。ブロックチェーン技術を活用して作成され、所有権の証明や移転も可能です。
これまでのアートと異なり、NFTアートはデジタルコンテンツのオリジナル性や希少性を保証できるため、クリエイターに新たな収益源を提供しています。NFTアートは、Web3.0時代におけるクリエイティブ界の革新として注目されているものの1つです。
NFTアートの作り方
まずはNFTにするデジタルアートを制作します。イラスト・写真・音楽・動画など、あらゆるデジタルコンテンツをNFTアートとして作成することが可能です。スマホアプリを使えば、誰でも簡単にNFTアートを作れます。
メタバース内におけるNFTアートの販売方法
作成したNFTアートは、どのように販売するのでしょうか。ここでは、メタバース内におけるNFTアートの販売方法をステップごとにご紹介します。
取引所で口座開設
NFTを販売するためには、仮想通貨を購入できる取引所で口座を開設する必要があります。取引所では、フィアット通貨(円、ドルなど)を仮想通貨(ETHなど)に交換することが可能です。取引所にはBinance・Coinbase・Krakenなどがあります。
ウォレットを作成
次に、仮想通貨ウォレットを作成します。ウォレットは、仮想通貨を保管するためのデジタルな財布のようなものです。ウォレットには公開アドレスと秘密鍵があり、これらは銀行口座番号とPINコードのようなものだと考えればよいでしょう。ウォレットの作成にはMetaMaskやTrust Walletなどのアプリケーションを使用します。
NFTアート作成・登録
NFTアートを作成し、それをNFTマーケットプレイスに登録しましょう。作成したアート作品をデジタルアセットとしてトークン化し、それをブロックチェーンに登録します。このプロセスを「ミント」と呼びます。OpenSeaやRaribleなどのプラットフォームを使用してNFTをミントすることが可能です。
ウォレットへ送金
次に、取引所からウォレットに仮想通貨を送金します。これにより、ウォレット内の資金を使用してNFTをミントしたり、NFTを販売したりすることが可能です。
NFTアートの出品
最後に、NFTアートをマーケットプレイスに出品します。出品する際には、販売価格、ロイヤリティ、オークションの有無などを設定しなくてはなりません。出品が完了すると、他のユーザーがNFTを購入できるようになります。
以上が、メタバース内でNFTアートを販売するための基本的なステップです。それぞれのステップは複雑なプロセスを伴うことがあるため、専門家への相談をおすすめします。
メタバース内でNFTアートを販売するメリット
メタバース内でNFTアートを販売するメリットは、以下のとおりです。
- 唯一性がある
- 二次流通によりクリエイターに収入が発生する
- ネット上で簡単に取引できる
それぞれの内容を確認しておきましょう。
唯一性がある
NFTアートは、その唯一性を持つことが大きな特徴です。各NFTアートは一意の情報を持ち、それぞれが区別可能で交換できません。これにより、NFTアート自体がオリジナルであることを証明し、偽造を防げます。
二次流通によりクリエイターに収入が発生する
NFTアートのもう1つの大きな特徴は、二次市場での販売からもクリエイターが収入を得られることです。NFTアートはスマートコントラクトを利用して、作品が再販されるたびにクリエイターへのロイヤルティの支払いが発生します。したがって、NFTアートの価値が上昇すると共に、クリエイターの収入も増えていきます。
ネット上で簡単に取引できる
NFTアートはデジタルネイティブであり、インターネット上で簡単に取引できます。地理的な制約や物理的な制約を受けずに、世界中のどこからでもNFTアートの購入や販売が可能です。
また、ブロックチェーンの透明性により取引履歴を追跡し、価格も公開できます。これは、従来のアート市場では難しかったことです。これらの要素は、アートの流通を大きく促進し、新たな市場を創出するものだといえるでしょう。
メタバース内でNFTアートを販売するデメリット
メタバース内でNFTアートを販売する際には、デメリットもあります。以下で、3つの注意点をご紹介します。
始めるまでのハードルが高い
NFTアートをメタバース内で販売するためには、まずブロックチェーン技術とその仕組みを理解しなくてはなりません。また、NFTを作成したり、取引所に登録したりするための手数料(ガス料)も必要です。
これらの手数料は、取引量やネットワークの混雑状況により変動するため、予測が難しい場合があります。さらに、メタバース自体も新しい技術であり、その操作方法や利用方法を学ぶことも必要です。
税額計算が複雑
NFTアートの売買には税金が関わってきます。しかし、仮想通貨の税制は国や地域により異なり、またその計算は非常に複雑です。特に、NFTの価値が変動すると、その税額も変わる可能性があります。
また、NFTの売買による所得は、一部の国では資本所得として課税され、その税率も通常の所得税率とは異なる場合があるため注意しなくてはなりません。そのため、税務に関する専門的な知識も必要です。
作品が盗用されるリスクがある
NFTアートはデジタルコンテンツであるため、他人によって簡単にコピーされ、無許可で販売される可能性があります。クリエイターの権利を侵害するだけでなく、購入者が偽物を買ってしまうリスクも生じます。
また、ブロックチェーンの匿名性が盗用を助長する可能性もあるでしょう。これらの問題を防ぐためには、NFTプラットフォームが適切な対策を講じることが求められます。また購入者自身も、作品の出所を確認するなど、慎重に判断しなくてはなりません。
メタバース内におけるNFTアートの販売事例
NFTアートは、実際にメタバース内でどのような形で販売されているのでしょうか。ここでは、メタバース内におけるNFTアートの販売事例を5つご紹介します。
OnCyber
OnCyberは、ユーザーが所有しているNFTをメタバース空間上に展示できるサービスです。NFTコレクターは、自身のNFTを多くの人に見てもらうために、OnCyberで自身のNFTギャラリーを作成できます。また、NFTクリエイターは、自身のNFTのプロモーションの場として、OnCyber上で個展を開催するなどして活用することも可能です。
いけもとしょうのNFT美術館
クリエイターのいけもとしょうさんが手掛けるNFT美術館は、メタバースプラットフォームのThe Sandbox上に作られた仮想空間内の美術館です。この美術館では、いけもとさん自身が発行した「展示権付NFT」を購入したアーティストやコレクターが、自身のデジタル作品を展示できます。
また、美術館内には広告枠や展示枠が設けられており、それらを活用することで個人がNFTやメタバースを通じて収益を得る仕組みが整っているのも特徴です。この取り組みは、2022年に日本テレビの「マツコ会議」で取り上げられるなど、大きな注目を集めました。
SPACE by MetaTokyo
SPACE by MetaTokyo 「SPACE by MetaTokyo」は、メタバース上のグローバル文化都市「メタトーキョー」の一部として設立されたポップアップミュージアムです。ここでは、コードによりグラフィックを生成するNFTアート・コレクション「ジェネラティブアート」を日本発の新たなアートフォームとして位置づけ、フォーカスをあてた展示が行われています。
せきぐちあいみ
せきぐちあいみさんは、VRアーティストとして活動しており、そのVRアート作品がNFTアートのオークションにおいて約1,300万円で落札されました。この成功は、VRアートやデジタルアート業界全体にとって新たな可能性が開拓された一例といえるでしょう。
村上隆×RTFKTスタジオ
村上隆さんとデザイン集団「RTFKTスタジオ」は、合計2万体のNFTアバターを制作しました。村上さんは、キャラクターの目や口、ヘルメット、服などの要素をデザインし、RTFKTスタジオは、これらのアバターを制作し、「The Sandbox」やその他のプラットフォームで使用可能にしました。
メタバース内におけるNFTアートの広告戦略・マーケティング
メタバース内でNFTアートのビジネスを行う場合は、広告戦略とマーケティングの実施が不可欠です。ここでは、メタバース内におけるNFTアートの広告戦略・マーケティングについて解説します。
メタバース広告とは
メタバース広告とは、仮想空間やデジタル空間内で商品やサービスを宣伝・広告する手法です。従来のオンライン広告やテレビ広告とは異なり、没入感のある体験型の広告です。広告主は仮想空間内で、ブランドや商品を宣伝するコンテンツや体験を提供します。
メタバース広告のメリットは、以下のとおりです。
- 幅広い顧客層へのリーチ
- 没入体験による訴求力
- 新たなオンライン交流
メタバース広告は、地理的な制約を乗り越え、幅広い顧客層にリーチできる点がメリットです。また、3Dモデルや360度の仮想映像を通じて、魅力的な訴求力を持ちます。さらに、ユーザーとのコミュニケーションを通じて、強力なブランド体験を提供できるのも特徴です。
メタバース広告の打ち出し方
メタバース広告の打ち出し方としては、メタバース内の「不動産」をデジタル広告の掲示スポットと捉え、ユーザーごとにカスタマイズされた広告を表示させる方法が挙げられます。
また、メタバース上に自社のショップを開き、商品・サービス体験を通してPRする方法も考えられるでしょう。メタバース上でインフルエンサーが商品をPRする方法も一案です。
メタバース広告の事例
NTTと電通はVR広告の可能性を共同実証し、VR独特の臨場感を活かしたユーザー体験を提供しています。また、大日本印刷とAKIBA観光協議会は「バーチャル秋葉原」プロジェクトで現実世界とデジタル世界を融合させ、地域の文化的・歴史的遺産を発信しています。
NFTアートを販売できるメタバースプラットフォーム
NFTアートを販売できるメタバースプラットフォームは限られているため、事前に把握しておかなくてはなりません。ここでは、NFTアートを販売できるメタバースプラットフォームを3つご紹介します。
The Sandbox
The Sandboxは、ユーザーが自分の3Dアート作品を作成し、それをNFTとして販売できるプラットフォームです。作成したアート作品はマーケットプレイスで公開し、他のユーザーに販売することが可能です。また、The Sandboxはイーサリアムのブロックチェーン技術を基盤としており、SANDという独自の暗号通貨を使用して取引が行われます。
OpenSea
OpenSeaは、さまざまなNFTアート作品が売買される世界最大のマーケットプレイスです。ユーザーは自分のアート作品をNFTとして出品し、他のユーザーに販売できます。また、OpenSeaは複数のブロックチェーンに対応しており、イーサリアム、Klaytn、Polygon、Solanaなど8種類のチェーンでNFTアート作品の取引が可能です。
Axie Marketplace
Axie Marketplaceは、ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」の公式ストアで、ゲーム内のアート作品やAxies(ゲーム内のキャラクター)の売買ができます。プレイヤーは自分のAxieをアート作品として売却したり、他のプレイヤーから新しいAxieを購入したりすることが可能です。
まとめ
近年、メタバース内でのNFTアート販売が増加しており、多くの企業が関心を寄せています。NFTはブロックチェーン技術を活用したデジタル資産で、唯一性と所有権の証明が可能です。
メタバースは3D仮想空間であり、ユーザーはアバターを通じて活動し、NFTアートの展示や取引が行えます。NFTアートの販売には取引所での口座開設やウォレット作成が必要です。OpenSeaやThe Sandboxなどのプラットフォームが利用されますが、開始には技術的な理解や税制への注意が求められます。そのため、専門業者などへの相談がおすすめです。
リプロネクストは、デジタルトランスフォーメーションを推進するパートナーとして、企業のビジネス成長をサポートします。メタバースやNFTの新たな可能性を探求し、革新的なソリューションを提供。
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