お問い合わせ
お役立ち資料

メタバースの基礎知識

  • 2024/06/06

UnityでAR開発のメリットや作り方を解説|メタバースの開発事例も紹介

AR技術の進化は目覚ましく、今や多くの業界で導入が進んでいます。とくに、Unityはその柔軟性と多機能性で、AR開発の最前線に立っています。

しかし、導入が進んでいると言っても、まだまだ一般的には知られていないのが事実。

「そもそもUnityでAR開発をするメリットは?」
「UnityでAR開発をした事例を知りたい」

と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

本記事では、Unityを使用したAR開発のメリットと基本的な作り方を詳しく解説します。さらに、注目を集めるメタバースの開発事例も紹介。現実と仮想を融合させた最先端の技術がどのように実現されているのかがわかるでしょう。

UnityでのAR開発に興味がある方、あるいはメタバースの可能性を探りたい方は最後まで必見です!


メタバースtips編集部です。メタバースをビジネスで活用したい人向けの記事を月間20本制作中。メタバースに関わる情報やトレンドを発信しています。
▶メタバースに関するお問い合わせはこちらから
https://metaverse-tips.lipronext.com/form/

目次

そもそもUnityとは?

そもそもUnityについて、まだ理解ができていない方も多いでしょう。そもそもUnity(ユニティ)とは、Unity Technologiesが開発したクロスプラットフォームのゲームエンジンおよび統合開発環境です。

2005年に初めてリリースされ、ゲーム開発者の間で一瞬にして注目を集めました。現在ではゲーム開発だけでなく、

上記のように、多岐にわたる分野で利用されています。

Unityの大きな特徴の一つは、そのクロスプラットフォーム対応力です。一度作成したコンテンツを、Windows、Mac、iOS、Android、PlayStation、Xbox、任天堂の各種デバイスに簡単に対応させられます。この特性により、開発者は多くの時間とリソースの節約がしやすくなります。

Unityはその汎用性、使いやすさ、コミュニティのサポートにより、多くの開発者に愛用されている強力なツールです。とくにARやVRの分野では、その技術力と柔軟性が重要視されており、未来のコンテンツ制作の中核を担う存在として、今後も注目され続けるでしょう。

AR開発でUnityを使うメリット

Unityについての基本的な理解はできたでしょう。Unityは、世界中で広く使われているクロスプラットフォーム対応のゲームエンジンおよび開発環境です。

主にゲーム開発に利用されますが、その用途はゲームにとどまらず、シミュレーション、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)など、多岐にわたります。

ここからは本記事の主題でもある、AR開発におけるUnityのメリットを紹介します。

初心者でも使いやすい

Unityは、AR開発において使いやすいプラットフォームとして高く評価されています。そのため、初心者でも使いやすいのは大きなメリットです。

Unityの統合開発環境(IDE)は直感的でわかりやすく、ドラッグ&ドロップ操作を利用してオブジェクトを配置したり、プロパティを設定したりできます。これにより、プログラミング初心者でも視覚的に理解しやすい環境で開発が可能です。

また、Unityは学習リソースが非常に充実しています。公式のチュートリアル、ドキュメント、オンラインコース、そしてコミュニティフォーラムなど、多岐にわたるサポートが用意されています。これらのリソースを活用すると、初心者でもスキルの習得に時間がかからないでしょう。

対応しているプラットフォーム・デバイスが多い

Unityを使ってAR開発を行うメリットの一つは、対応しているプラットフォームやデバイスが非常に多い点です。開発者は多様な環境に向けてアプリケーションを開発でき、幅広いユーザーに向けての提供が可能です。

UnityはWindows、macOS、iOS、Androidといった主要なOS(オペレーティングシステム)に対応しています。さらに、WebGL(Web Graphics Library)を使用すると、ウェブブラウザ上でもARアプリを実行できます。

一度開発したアプリケーションを複数のプラットフォームに簡単に展開でき、開発コストと時間を節約できるのは、開発側にとっては好都合です。

参考になる情報量が多い

豊富な参考情報が容易に入手できるのもメリットです。開発者は効率的に学習し、問題解決が迅速に行えるため、開発プロセスがスムーズになります。

先ほども解説した通り、Unityは公式のドキュメントやチュートリアルを公開しています。新しい機能の使い方や基本的な操作方法から高度なテクニックまで幅広くカバーしており、初心者から上級者までの開発者にとって非常に有益です。また、公式のチュートリアルは段階的に学習できるように構成されているため、AR開発のスキルを体系的に習得できます。

また、Unityは、世界中の開発者から支持されているため、活発なコミュニティが形成されているのが特徴。UnityのフォーラムやUnity Answersといったオンラインプラットフォームでは、他の開発者と情報交換ができるほか、具体的な問題に対する解決策を見つけられます。多くの開発者が自身の経験や知識を共有しており、質問に対する回答も迅速です。

UnityでAR開発をするのに必要なツール

Unityを使用してARアプリケーションを開発する際には、いくつかのツールやソフトウェアが必要です。ここからは、UnityでAR開発をする際に必要なツールについて紹介します。

AR Foundation

AR Foundationは、UnityでクロスプラットフォームのARアプリケーションを開発するための強力なフレームワークです。AR Foundationを使用すると、iOSのARKitとAndroidのARCoreの両方に対応するアプリケーションを一つのコードベースで開発できます。

AR Foundationは、位置追跡、環境理解、アンカー、画像認識など、主要なAR機能を統一されたAPIで提供します。これによって開発者はプラットフォーム固有のコードを意識することなく、高品質なAR体験の実装が可能です。

さらに、AR Foundationは継続的にアップデートされており、新しいAR機能や最適化が追加されています。最新のAR技術を活用したアプリケーションを、迅速に投入できます。

ARCore

ARCoreは、Googleが開発したAndroid向けのARプラットフォームです。ARCoreを使用すると、Androidデバイス上で高度なAR体験を実装できます。

ARCoreは、端末のカメラとセンサーを活用して、物体の追跡、環境理解、光と影の処理などの機能が備わっています。

より、リアルワールドに仮想オブジェクトを配置したり、インタラクティブなAR体験を実装するのには最適です。

また、Googleが提供する豊富なドキュメントやサンプルコードを活用すると、ARCoreを効果的に活用したARアプリの開発が可能です。

ARkit

ARkitは、Appleが提供するiOS向けのARプラットフォームです。ARCoreがAndroid版であるのに対して、ARkitはiOS向けのものになります。

基本的な機能などは、ARCoreとほぼ同じです。iOSデバイスのカメラとセンサーを活用して、物体の追跡、平面検出、環境マッピングなどの機能を実現できます。

UnityでARkitを使用する場合、こちらもARCoreと同様に「AR Foundation」を介して統合します。

ARkitの利用は比較的簡単です。UnityのパッケージマネージャーからAR FoundationとARkit XR Pluginをインストールすると、開発を始められます。

UnityでARアプリを開発する方法

UnityでARアプリケーションを開発する手順は以下の通りです。

  1. Unityのインストール
  2. SDKのインストール
  3. プロジェクトの作成
  4. アプリの開発・ビルド

上記の手順に従って、Unityを使用してARアプリを開発できます。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。

Unityのインストール

UnityでARアプリを開発するには、まずUnityのインストールが必要です。

公式ウェブサイトからUnity Hubをダウンロードし、Unityをインストールします。インストール後、Unity Hubを開き、”Installs”タブで利用可能なUnityバージョンを見れます。ARアプリの開発には、通常最新のバージョンを使用するのが望ましいです。

新しいUnityバージョンをインストールするには、「Installs」タブから「ADD」をクリックし、利用可能なバージョンから選択できます。

また、インストールの際に必要なモジュール(AndroidやiOSのビルドなど)も一緒にインストールしましょう。

SDKのインストール

開発に必要なAR SDK(Software Development Kit)もインストールする必要があります。一般的に使用されるSDKには、先ほどの章で解説した「AR Foundation」や「ARKit」、「ARCore」などがあります。これらのSDKはUnityのPackage Managerを介して簡単にインストールできます。

まず、Unityのエディターを開き、メニューバーから「Window」→「Package Manager」を選択。次に、Package Managerウィンドウが開いたら、左上の検索バーに使用したいAR SDKの名前を入力します。

検索結果から該当するSDKを選択し、インストールボタンをクリック。そうするとUnityがSDKをダウンロードし、プロジェクトに追加します。SDKのインストールが完了すると、UnityのエディターにSDKに関連する機能やコンポーネントが追加されます。

プロジェクトの作成

諸々のインストールが完了したら、プロジェクトの作成に移ります。Unity Hubを開いて、「Projects」タブをクリックし、「New」を選択。

次に、プロジェクトの名前と保存先を指定しましょう。ARアプリの開発には、3Dプロジェクトを選択します。

プロジェクトが作成されたら、Unityエディターが起動します。Unityのエディター画面では、左側のHierarchyビューでシーン内のオブジェクトを管理し、中央のSceneビューで3Dオブジェクトの配置や編集が可能です。

また、右側のInspectorビューで選択したオブジェクトの詳細を編集できます。

アプリの開発・ビルド

UnityでARアプリを開発するための最終段階は、アプリの開発とビルドです。開発段階では、ARコンテンツを作成し、ユーザーが体験できるように配置や設定を行います。

具体的には、ARオブジェクトの配置や動作、インタラクションの設定、UIの追加などです。この段階では、Unityのエディターを使用してARアプリのプロトタイプを作成し、機能やデザインの確認を行います。

次に行うのは、アプリのビルドです。Unityでは、さまざまなプラットフォームに対応したビルドが可能です。ARアプリをビルドするには、まずビルド設定を選択し、ビルド対象のプラットフォームを選択しましょう。

ビルドが完了したら、生成されたアプリファイルを対応するデバイスにインストールし、実機でテストを行います。テスト中に発見された問題や不具合は修正し、必要に応じてビルドを繰り返してください。最終的に、正常に動作するARアプリが完成し、ユーザーに提供できる状態になり完了です。

Unity ARのメタバースやアプリの活用事例

Unityを用いたARの活用事例は幅広く、その中にはメタバースやアプリの開発が含まれます。

最後に、Unityを用いたAR開発事例をいくつか紹介します。普段からよく耳にするものや、聞いたことがある身近なものも事例として取り上げているので、ぜひ参考にしてください。

VRChat

「VRChat」は、Unityを用いたメタバースの代表的な活用事例の一つです。VRChatは、仮想現実(VR)空間でのコミュニケーションや交流を可能にするプラットフォームであり、Unityをベースとして構築されています。ユーザーはカスタムアバターを作成し、仮想空間内で他のユーザーと交流したり、様々なコンテンツを体験したりできます。

VRChatの特徴は、ユーザーが自由にアバターをカスタマイズできる点です。Unityの豊富なツールやリソースを活用して、ユーザーは独自のアバターやワールドを作成し、それをVRChat内で共有できます。ユーザーは自己表現の幅を広げ、他のユーザーとのより充実したコミュニケーションが可能です。

また、VRChatはイベントやライブ配信などのコンテンツも豊富です。ユーザーは様々なイベントに参加したり、ライブ配信を視聴したりできます。

Unityを用いたVRChatの開発は、コミュニケーションやエンターテイメントの新しい形を生み出し、仮想空間での豊かな体験ができる事例です。

VRChatとは?基礎知識&できることや企業の活用事例を紹介

Pokemon Go

「Pokemon GO」は、Unityを用いたARの活用事例の一つです。ユーザーが現実世界を舞台にポケモンを捕まえたり、バトルしたりするAR体験を実現しています。Unityをベースに開発された「Pokemon GO」は、世界中で大ヒットし、数億人のユーザーを魅了しました。日本でも空前のブームを巻き起こし、社会現象にもなったのは記憶にも新しいでしょう。

「Pokemon GO」の成功の秘訣の一つは、現実世界と仮想世界をシームレスに統合したAR体験を提供している点です。Unityを活用して、開発チームはリアルワールドの地図やランドマークを元にポケモンを配置し、ユーザーが外に出て探索するとポケモンを見つけられます。

「Pokemon GO」は、Unityを使ったARの優れた活用事例として、ユーザーにリアルな体験と冒険を提供しています。さらに、世界中の人々を外に出て行動させ、新しい場所を探索するのを促し、コミュニティを形成しました。

Unityを用いた「Pokemon GO」の開発は、AR技術の可能性を示し、新しいエンターテイメントの形を生み出した事例です。

TOYOTA

TOYOTAは、Unityを活用したAR技術を導入し、車両のデザインや機能を体験するためのアプリケーションを開発しています。このアプリでは、顧客がスマートフォンやタブレットを使ってTOYOTAの車両を仮想空間で体験できます。

UnityのAR技術を活用すると、顧客は実際の車両を物理的に見ることなく、デジタルでリアルな体験ができます。例えば、車の外観や内装を360度見れ、好みのカラーやオプションを選択して自分だけの車両をカスタマイズも可能です。

TOYOTAはUnityのAR技術を活用し、購買意欲を高めることを目指しています。顧客は自宅やディーラーショップで気軽にアプリを使って車両を体験できるため、購入前の情報収集や購買の意思決定に結びつけられます。

UnityのAR技術を活用したTOYOTAのアプリは、顧客にとって直感的で没入感のある体験を提供し、新しい車両購入体験が可能です。

【自社事例】ARコンテンツ制作(水族館・花火)

最後は、私たちリプロネクストが、開発したARの事例です。函館湯の川温泉 湯元 啄木亭様で体験できるARコンテンツを担当いたしました。

滞在中に、エントランスや庭園で手軽に楽しめるAR水族館とAR花火をご用意しました。館内に掲示されているポップのQRコードをスマートフォンで読み取り、エントランスや庭園に向けてかざすだけで、AR体験が可能です。

広々としたエントランスや美しい庭園(松岡庭園)に、幻想的な魚たちが浮かび上がり、優雅に泳いでいます。さらに、函館名物のヤリイカやブリなど、地元ならではの魅力もお楽しみいただけます。旅の思い出として、魚たちと一緒に写真を撮影することも可能です。
参考:函館湯の川温泉 湯元 啄木亭様 【ARコンテンツ制作(水族館・花火)】

まとめ

本記事では、UnityでAR開発のメリットや作り方を解説しました。Unityを利用すると、初心者でも比較的容易にARアプリの開発ができたり、さまざまなプラットフォームやデバイスに対応していたりなど、メリットが多いです。

また、TOYOTAやPokemonGo、VRChatなどの事例を通じて、Unityを活用したAR技術の可能性や実際の活用例を紹介しました。UnityはAR開発において優れたツールであり、これからますます多くの企業や開発者によって活用されると期待されます。

株式会社リプロネクストは、自治体や企業のお客様に向けて、XRやメタバースのサービスを提供しています。全国的にも注目を集めている事例に多数関与しており、企画から開発、運営まで一貫して行えるのが強みです。

本記事に関する疑問点やメタバースとUnityの関係性についてご興味を持たれた方、メタバース開発にご興味のある方は、ぜひリプロネクストまでご連絡ください。

貴社のご要望に寄り添いながら、的確なアドバイスができると期待できます。また、メタバースやVR、ARに関する情報も以下でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

メタバースTips

「Metaverse tips」は株式会社リプロネクストが運営しています。
ビジネスシーンにおけるメタバースの活用や、導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

メタバースの基礎知識 一覧に戻る

メタバースについての質問を記事として回答しています

メタバースをビジネスで活用する上での悩みなどありましたらお気軽にご質問ください。
メタバースtipsは皆さんが使いやすいサイトを目指して日々情報を更新していきます。

質問する