- 2023/03/02
- 2024/04/11
6G通信とは?5Gまでの歩みと描く未来をビジネス視点で紹介
高速次世代通信システムと呼ばれる「5G」を使った実証実験がメディアで紹介されていますが、IT業界では、すでに「6G」についての話題が上がってきています。
日々目まぐるしい進化を遂げる現代のデジタル技術ですが、その前進に欠かせないのが通信システムです。これは、私たちの日々の生活はもちろん、ビジネスを取り巻く環境にも大きな影響を与えます。
本記事では「6G」を主軸に、世代別(1G〜5G)通信システムの歩み、さらに6Gでできるようになることを紹介します。
今後の動きを先読みしておくことで、ビジネスにおける事業やサービスのアイデアが広がるので、ぜひご覧ください。
目次
第6世代移動通信システム「6G」とは
6G(シックスジー)は、5Gに続く将来の無線通信システムで、5Gを超えるという意味で「Beyond 5G」とも呼ばれます。
6Gは2030年頃の実用化を目指し、アメリカ・中国・フィンランド・韓国・日本などが研究開発に着手しており、4Gのおよそ100倍、5Gの10倍に当たる最低100Gbpsの伝送容量が想定されています。
※bps(bit per second):データ伝送速度の単位で、1秒間に何ビットのデータを送れるかを表す。
また、タイムラグを極限まで減らし、5Gの10分の1という超低遅延も目指しています。
通信速度が高速化・低遅延化することで、私たちのデジタルライフはさらに大きく変化・充実します。
【1Gから5Gまで】通信システムの歩み
1Gが誕生したのが今から約40年前の1979年。通信システムは約10年ごとにフェーズを上げ、それに伴い私たちの生活は変化し、拡張していきました。これまでの通信システムの歴史を振り返ってみましょう。
移動通信システム | 年代 | 内容 |
---|---|---|
1G | 1979年〜 | 主なサービスは音声通話。車内や外出時に通話できる「携帯電話」が誕生し、移動通信システムの基礎が確立された。 |
2G | 1993年〜 | アナログ無線からデジタル無線へ。携帯電話で通話以外のサービスが提供され、利用者も増えた。 |
3G | 2001年〜 | 通信システムが国際標準化。携帯電話で写真撮影やゲーム、音楽再生などあらゆるコンテンツを楽しめるようになった。 |
4G | 2010年〜 | フィーチャーフォンからスマートフォンへ移行。AIやVR/ARといった新たなサービスも普及。 |
5G | 2020年〜 | 4Gを経て、様々なモノ・サービスに通信システムが搭載され「高速化」「低遅延化」「大容量化」が求められる時代へ。高画質ライブ配信やロボットの遠隔操作が可能に。 |
1G(1979年〜)
1Gの時代をひとことで表すと「通話サービスの進化」です。
1979年に日本電信電話公社(現NTT)が、民間用として自動車内での通話サービスを提供したことから始まり、80年代〜90年代にかけてアナログ無線技術を用いたモバイルネットワークが実現し、移動可能な携帯電話が登場しました。
その後、電子部品の小型化が進み、1991年には超小型携帯電話「mova(ムーバー)」が登場。この時期は通信料金が高額であったため、現代のように国民全体には普及していませんでしたが、1Gの時代に移動通信システムの基盤が確立されました。
2G(1993年〜)
NTTが開発した通信技術「PDC方式」が採用され、アナログ無線からデジタル無線へと通信システムが進化したのが第2世代(2G)です。「PDC方式」の誕生後、 1998年にセルラーグループ及びIDOが、3Gを先取りした「cdmaOne」を採用し、国内で異なる技術方式が併存することになります。
この頃、メールを始めとする携帯電話の通信機能が拡張されました。1999年にNTTドコモがiモードを開始し、携帯電話の利用が一気に普及したのもこの時期です。
3G(2001年〜)
2Gでは、国や地域ごとに異なる技術方式の移動通信システムが導入されていましたが、国際連合の専門機関であるITU(国際電気通信連合)が標準化を進め、世界中どこにいても同じ携帯電話が使えるようになったのが3Gです。
さらに、通信の高速化も実現。当初2Mbpsを目標に開発されていましたが、2000年代には10~20Mbpsほどにまで高速になったデータ通信が実用化されました。
携帯電話で写真撮影やゲーム、音楽再生などあらゆるコンテンツを楽しめるようになったのもこの時期です。
4G(2010年〜)
それまでのフィーチャーフォンから、iPhoneに代表されるスマートフォンへの移行が始まり、4G/LTEが誕生。50Mbps~1Gbps程度の超高速大容量通信を実現しました。
大容量の動画コンテンツもストレスを感じることなく視聴可能となり、IoT(モノのインターネット化)やAI、VR/ARといった新たなサービスも普及していきました。
5G(2020年〜)
現在進行形で実用化が進んでいるのが5G。4Gの登場によって、様々なものやサービスに通信システムが搭載されるようになり、これまで以上に「高速化」「低遅延化」「大容量化」する必要性があります。
5Gは10Gbpsの超高速、1/10(1msec以下)の低遅延、1平方キロメートルのエリアで100万台の端末がネットワークに接続できる環境を作り出します。
これにより、4Kや8Kといった高画質画像・映像を遅延なくライブ配信したり、タイムラグなしにロボットを遠隔操作することができるようになります。
6G時代はこんなことができるようになる!?
6Gが実用化されると言われる2030年頃には、少子高齢化がさらに加速し、生産年齢人口(15歳〜64歳)が減少すると推計されています。つまり人間とデジタルそれぞれの強みを組み合わせながら、効率的にビジネスを行っていく必要があります。
ここでは6Gの登場によって実現するであろう、私たちの未来の働き方をご紹介します。
遠隔地の人が3Dで映し出され、対話できる
リモートワークが浸透した現代、オンラインでのコミュニケーション方法はビデオ通話が主流です。
6Gの時代はより大容量のデータ通信が行えるので、3Dスキャンした相手をリアルタイムに映し出しながら通話ができるようになると予測されています。
ジェスチャーや表情をありのままに反映し、対面さながらのコミュニケーションが実現するのです。
ロボットをリアルタイムで操作できる
6Gは低遅延かつ、より高精度な位置情報の転送が可能になると言われています。
そのため高い精度が求められる医療の提供や工場での修正、開発作業をロボットを使って行うことができると予想されています。
また、6Gによって陸上の通信領域が100%になるほか、海上や空への通信領域も広がるようになるため、より広いエリアへのドローン配送や操縦もリアルタイムに行うことができます。
このようにロボットが活躍する範囲が広がることで、人の移動に伴うコストや人件費の削減に繋がります。
五感を再現するVR/ARサービスが提供される
大容量の通信によってウェアラブルデバイスもさらなる進化が予想され、6Gの時代には視覚・聴覚以外にも触覚や嗅覚・味覚などの五感を再現・通信できるデバイスの登場が予想されます。
ものに触れる感覚や匂いなどが再現されることで、より現実に近い感覚を味わうことが可能に。例えば「仮想空間でランニングをしながら、海の匂いを感じる」「VR空間でハンドルの感触を味わい、風を感じながら車の試乗体験ができる」というようなことも実現するでしょう。
現実世界と仮想世界の融合
メタバースがかなり現実に近い3次元立体映像となり、現実世界と仮想世界が一体化するようなレベルにまで高精細になると言われています。
これにより、どこにいても故郷に里帰りした気分を味わえたり、行ってみたかった国に数分でアクセスできる未来がやってくるかもしれません。
現代の私たちがTwitterやInstagramにアクセスするような感覚で、人々が現実世界とメタバースを当たり前に行き来し、生産活動の一つの拠点となりうるでしょう。
スマホが充電不要になる
6Gの普及により、様々なデバイスを介して大容量の通信が行われると電力が足りないという課題が出てきます。
その課題を解決すべく、携帯キャリアの基地局からのワイヤレス給電の仕組みが研究されています。 スマホやイヤホンなど身の回りのもの以外にも、ドローンが電池消費を気にすることなく飛ばせたり、電気自動車が充電を気にせず走り続けられる日がくるかもしれません。
デジタル技術を飛躍させる未来づくりと同時に、環境に配慮した持続可能な社会を目指しています。
まとめ
6Gによって「どこにいても場所や時間の制約なく、人・情報・モノにアクセスできる」未来がやってくるでしょう。これにより、住む場所にとらわれない働き方は今以上に進んでいくと考えられ、地方と都市の格差を是正することにも繋がります。
今後の社会課題を解決していく上で、重要なカギを握る6Gの存在。
「6Gの話はまだ早いのでは」と思ったかもしれませんが、5Gのその先を見据えることで新たなビジネスアイデアが拓けるかもしれません。
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