- 2023/03/02
- 2024/04/11
メタバースECとは?出店のメリットと活用事例を紹介
メタバースの仮想空間に出店する「メタバースEC(バーチャルショップ)」をご存知ですか?
現実空間のように店舗を構えるだけでなく、メタバースならではの演出や買い物体験が届けられるので、
次世代のショッピングスタイルとして参入ブランドが続々と登場しています。
この記事では、メタバースECのメリットやデメリット、活用事例をご紹介します。
新たな市場開拓にも繋がるメタバースECの可能性に触れてみましょう。
目次
1.メタバースECとは
メタバースECは、メタバースの仮想空間上で行うオンラインショッピングのこと。バーチャルショップ(=仮想店舗)と呼ばれることもあります。
仮想空間上で商品が販売され、オンライン決済や仮想通貨を使って購入されます。ユーザーもショップスタッフもアバターとなり、メタバース内で接客や交流が生まれるのが魅力。
実生活で身につけるアイテムの購入はもちろん、アバターを着飾るデジタルコンテンツを販売するメタバースECも増えており、新たなビジネスモデルとして注目されている分野です。
2.メタバースECのメリット
続いて、実店舗やECサイトと比較し、メタバースECを活用するメリットをお伝えします。
- 24時間365日の店舗体験
- お店の雰囲気や世界観を届けられる
- 非日常の買い物体験の提供
- 新しい市場の創出
- 新しい顧客層の開拓
- 家賃等のコスト削減
2-1.24時間365日の店舗体験
メタバースECのメリットとして、24時間365日お客様に利用してもらえるという点があります。
「それならば、ECでいいのでは?」と思うかもしれませんが、メタバースで得られる店舗で買い物をしているような気分を味わうことはできません。
メタバースECはお客様の好きな場所で、好きな時間に店舗体験をしてもらうことができます。さらに、実店舗に行けない遠方のお客様にもアプローチができます。
2-2.お店の雰囲気や世界観を届けられる
メタバースECは実店舗と同じように、内装や什器、デジタルサイネージなどの空間演出、商品の陳列などの細かい部分も表現することができるので、お店の雰囲気や世界観をオンライン上で届けることが可能です。
ブランドの世界観やストーリーと共に商品を訴求し、空間演出を大切にしているショップが多く存在しますが、メタバースECはそのようなショップイメージをダイレクトに届けることができます。
2-3.非日常の買い物体験の提供
お店の雰囲気や世界観を届けることができる一方、リアル店舗ではできないような表現もできるのがメタバースの強みです。コレクションのテーマに合わせて、大自然の中や宇宙空間で買い物をしてもらうことや、ファッションショーのモデルのようなランウェイ体験を届けることもできます。
ファンを楽しませる+αの演出もメタバース空間であれば理想をかなえられます。
2-4.新しい市場の創出
メタバースは、アバター用のデジタルアイテムを販売することができるので新しい市場を創出することができます。
現実世界のファッションを楽しむように、自分の分身であるアバターのファッションを楽しむ層も増えてきているので、すでに人気ファッションブランドも参入を始めています。
2-5.新しい顧客層の開拓
メタバースECを作ることで、新しい顧客の開拓にもつながります。
国内であれば、都心にしかない店舗や地方の人気店を全国展開することができ、海外ユーザーも多いメタバースプラットフォームを使えばブランドのグローバル展開も容易になります。
また、デジタルアイテムの購入をきっかけにリアルウェアへの興味関心へとつながり、リアルとデジタルの相乗効果も見込めます。
2-6.家賃等のコスト削減
メタバースECは実店舗を持つことなく、仮想空間上で商品を販売できるため、店舗運営にかかるコストが大幅に削減されます。
また、ポップアップのような期間限定出店も、一度メタバースで制作することで何度でも繰り返し使えるので、都度かかる運営費なしで利用できます。
3.メタバースECのデメリット
メタバースECを作るには、空間制作やシステム構築等で初期費用が必要となり、一般的なECサイトの制作よりはコストがかかります。ただし、実店舗にかかる家賃や維持費はなくなるので、長期的にみてコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。
4.メタバースECの活用方法
メタバースECを活用する場合、どんな方法があるのかをお伝えします。
4-1.リアルアイテムを販売
まず、メタバースECで私たちが普段身につけるリアルアイテムを販売する方法です。この場合は、メタバースECで仮想店舗を制作し、現在持っているECサイトと紐付けて購入導線を設計することが多いです。
販路開拓や既存顧客の満足度向上などが期待でき、海外へのブランド出店に活用する場合もあります。
4-2.デジタルアイテムを販売
続いては、メタバース空間で着用するアイテムを販売する活用方法です。この場合は、洋服やアクセサリー、シューズなどを全て3DCGで制作する必要があるので、リアルアイテムを販売するよりも準備にコストと時間を費やします。
新たな市場開拓やファン作りを目指し、デジタルアイテムを販売するブランドも増えてきています。
また、メタバースEC内で同じデザインのリアルアイテムとデジタルアイテムの両方を販売するブランドもあります。
5.メタバースECの表現方法
続いて、メタバースECの表現スタイルを見ていきましょう。
5-1.店舗を再現
一つは、リアル店舗を3DCGで忠実に再現する方法です。実際の店舗と同じ広さ、レイアウト、装飾で制作できます。ユーザーはアバターとなって、その店舗にいるような気分が味わえるのが魅力。
遠方にいる顧客にも、お店で買い物しているような気分を味わってもらえます。
5-2.非日常の店舗を表現
メタバースだからこそ、実店舗とは異なる表現をすることもできます。リアルでは表現が困難だったブランドの世界観を形にし、これまでにない斬新な買い物体験を届けることもできるでしょう。
5-3.フォトグラメトリを使ってリアリティを追求
被写体となる物体や建物をあらゆる角度から撮影し、データを解析・合成して立体的な3DCGモデルを作るフォトグラメトリの技術を使って、リアリティを追求する方法もあります。
住宅やモデルルームの公開などによく使われますが、バーチャルECにも活用ができ、よりリアルな店舗を表現できます。
6.メタバースECの事例7選
ここからは、メタバースECの具体的な活用方法を知るための最新事例7選を紹介します。
誰もが知るようなインターナショナル・ブランド、国内の人気ブランド、そして自治体まで様々な事例を集めました。
- BEAMS
- GUCCI
- 仮想伊勢丹新宿店
- マリークヮント コスメチックス
- NIKE
- しまね縁結び商店街
- メタバース花屋
6-1.BEAMS
株式会社ビームスは、メタバースプラットフォーム「VRChat」を会場にしたイベント「バーチャルマーケット(通称:Vket)」にて、過去5回バーチャルショップを出店しています。
原宿にある実店舗「BEAMS HARAJUKU」をモデルにして作った3DCGのショップでは、アバターとなったスタッフがリアルタイムで接客をしてくれるバーチャル接客の時間も。さらに、イベント開催期間中は実店舗にVRヘッドセットを用意し、来店したお客様にもバーチャルショップ体験を提供。
アバター用3DCGのアイテムはリアルでも販売されており、バーチャルとリアルの垣根を超えたファッションの楽しみ方を提案しています。
▶︎▶︎株式会社ビームス プレスリリースはこちら
6-2.GUCCI
GUCCI(グッチ)は、レゴ風のアバターが愛嬌のあるメタバース空間「Roblox(ロブロックス)」に「GUCCITOWN」を公開。ミニゲームやアートの展示のほか、グッチショップではデジタルアイテムの購入ができます。
どんな体型のアバターも着用できるよう3D仕様の最新テクノロジー「Layered Clothing」を用いて制作されたデジタルアイテムを手に入れることが可能。
ブランドの世界観を感じる空間の中で、ショッピングだけでなくブランド愛用者と交流することもでき、店舗とは異なる新たな感動を味わえる空間といえるでしょう。
▶︎▶︎GUCCITOWN 公式サイトはこちら
6-3.仮想伊勢丹新宿店
スマートフォン向けアプリで「仮想伊勢丹新宿店」がオープンしています。デパ地下フードやファッション、ギフトなど様々なショップが出店。実際に販売されている商品がメタバース空間にも並んでおり、そのままオンラインストアで購入ができます。
また、伊勢丹のショッピングバック柄のワンピースなどアバターファッションを楽しむアイテムも用意。
スマートフォンからアクセスして、24時間365日伊勢丹の買い物気分を味わえます。
▶︎▶︎「REV WORLDS」仮想伊勢丹新宿店 公式サイトはこちら
6-4.マリークヮント コスメチックス
マリークヮント コスメチックスは、2022年12月に開催された「バーチャルマーケット2022 Winter」のパリエリアに出店しました。
ブランドアイコンのデイジーが光り輝き、世界観が広がる空間。店内に入るとカラフルなフォトブースや観覧車型の商品棚など、ワクワクする演出がいたるところに散りばめられています。
リップやアイシャドウなどの8点のリアルアイテムのほか、3DCGでできたブランドロゴ入りティアラなど、リアルとデジタルの両方で使えるアイテムが販売されました。
▶︎▶︎株式会社HIKKY プレスリリースはこちら
6-5.NIKE
ナイキのファン同士が繋がり、体験を共有したり、ゲームで競い合ったりできる「NIKELAND」。2022年3月21日時点で、195カ国から約670万人が訪れたとのこと。
アバター用のナイキアイテムを購入することが可能。お気に入りのアイテムに身を包んでゲームに参加することで、一層楽しむことができるのではないでしょうか。
▶︎▶︎NIKE 公式サイトはこちら
6-6.しまね縁結び商店街
コロナ禍で観光や流通が減少する中、島根県の魅力を発信すべくメタバース空間に「しまね縁結び商店街」が誕生しました。
このバーチャル商店街には島根のお店が並んでおり、それぞれのお店で商品を見たり説明を聞きながら、その場でECサイトにアクセスして購入が可能。
オンライン上でプチ観光気分を味わいながら、自宅に届く島根のお土産を楽しむことができます。
▶︎▶︎参考:一般社団法人島根城下町食文化研究会 プレスリリース
6-7.メタバース花屋
メタバースプラットフォーム「Spatial」上のバーチャルフラワーショップ「GardenBee」。メタバース上で「花を贈りたい」方のための3Dフラワーショップで、色鮮やかなブーケやお花を無料・有料で提供しています。
現実で暮らしを彩るように、メタバース内で過ごす時間を彩るためのデジタルアイテムが今後も増えていくのではないでしょうか。
▶︎▶︎バーチャルフラワーショップ「GardenBee」 公式サイトはこちら
7.まとめ
今はインターネットショップが普及しオンラインで手軽に買い物ができる時代ですが、やはり店舗で実際に商品と出会う体験を大切にし、楽しんでいるお客様も多くいます。
そうした中、店舗で買い物しているような気分や新たな買い物体験を味わえるメタバースECというカタチは、これからの時代にマッチしたサービスとなるでしょう。
メタバースtipsを運営しているリプロネクストでは、法人・自治体向けメタバースについて企画・プラットフォーム選びから開発までを一貫してサポートしています。「こんなメタバースは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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