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  • 2024/01/29

メタバースで農業はどのように活かされる?活用事例とメリットを紹介

ゲームやコミュニケーションツールとしての活用が多いメタバースですが、農業への活用ができないか考えている方もいるのではないでしょうか。

現在、日本の農業は高齢化や後継者不足といった課題を抱えており、状況を改善するための手段としてメタバースに注目が集まっています。

今回は、農業にメタバースを導入した場合のメリットや活用事例を紹介します。本記事を読むことで、どのようにメタバースを利用しているかが把握できるため、導入を検討している方はぜひご覧ください。

目次

1.メタバースとは

メタバースとは イメージ

メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間を指し、超越を意味する「meta」と世界を意味する「universe」を組み合わせた言葉です。1992年に出版されたアメリカのSF小説「スノウ・クラッシュ」の中で使われたことが始まりとされています。

メタバースの特徴として、自分の分身である「アバター」を操作してほかのユーザーとのコミュニケーションが可能です。また、土地や不動産などを仮想通貨で取引ができるなど、現実と同じような経済活動ができる点も特徴の一つです。

スマートフォンやパソコンなどのデバイスで、メタバースへのアクセスが可能。また、Meta Questのようなヘッドマウントディスプレイを装着することで、より没入感のある体験ができます。

2.日本の農業における課題

現在、日本の農業分野において抱えている課題は以下の通りです。

ここでは、上記の課題について詳しく解説します。

2-1.高齢化・後継者不足

日本の農業における一番の課題として、高齢化と後継者不足が挙げられます。農林水産省の調べでは、65歳以上の基幹的農業従事者数は全体の70%を占めており、一方で49歳以下の若年層は11%程度です。

高齢化や後継者不足が進んでいる原因として、新規就農者が増えてないことが挙げられます。近年では若年層の就農者が増加傾向であるものの、同時に離農者が出ている状況でもあります。

農業経営が軌道に乗ることは簡単なことではなく、数年でやめてしまうケースも。そのため、長期的に農業を続けられるよう地域ぐるみでのサポートが重要です。

2-2.海外との競争の激化

日本は食料自給率が40%ほどと低く、先進国の中でも最低水準です。食料の半分以上を輸入に頼っているため、海外との競争に勝たなければなりません。

日本は「TPP(環太平洋パートナーシップ)」や「FTA(自由貿易協定)」などに加盟しており、農産物にかけられていた関税の低減・撤廃がされています。これにより、海外産の安い農産物が市場に出回るようになり、価格競争を強いられています。

また、農家へ効率化やコストダウンなどの取り組みも求められており、これまで以上に負担を強いられている状況です。

2-3.小規模経営

日本の農業は、ほとんどが小規模経営で行われています。そのため、ほかの業界よりも経済的なメリットを受けにくく、生産の効率化が難しい状態です。国内だけでなく海外との競争に勝たなければならないものの、現状のままでは競争力の低下が懸念されます。

現在は法人化による大規模経営化や、ロボットやICTを活用したスマート農業の導入も進められており、小規模経営のあり方について改めて考える段階となっています。

2-4.販売戦略の強化

農産物はこれまで卸売市場を経由しての販売が一般的でしたが、現在は直接販売の増加やニーズの多様化が進んでいます。また、インターネットを活用した通販も増えてきており、さまざまな販売チャネルへの対応が求められています。

販売戦略を展開するためには、マーケティングに関する知識やノウハウが必要です。しかし、マーケティング知識の習得から構築までには相当な努力が求められます。そのため、価値のある販売戦略を立てるためにサポートを受ける必要があるでしょう。

3.農業にメタバースを取り入れるメリット

メリット イメージ

さまざまな課題を抱えている農業分野ですが、メタバースを取り入れることで以下のようなメリットが得られます。

メタバースの活用により、上記のようなメリットが期待できるため、以下の解説を参考に導入を検討してみましょう。

3-1.作業の効率化

質の高い農作物を育てるには長い年月がかかるほか、細かな手入れが必要です。そのため、作業時間を多くとられるなど生産者に大きな負担がかかります。

メタバースを活用することで、仮想空間上での農業訓練が可能です。また、田植えを行う際にAR(拡張現実)を活用することで、均等に稲を植えることも可能となるでしょう。メタバースを上手く使うことで効率的な作業が実現し、従事者の負担軽減も期待できます。

3-2.農作業の技術の習得

農作物を育てるには、天候や季節ごとの環境、生産者の技術などが重要です。そのため、栽培に関する知識やノウハウをほかの作業者に伝えるには多くの時間が必要です。

メタバース上に実際の環境を再現することで、品質の高い農作物を育てる条件が把握でき、作業者の技術の向上につなげられます。また、さまざまな条件下での対応を何度でも学べるため、生産者との技術の差が埋められる点もメリットと言えます。

3-3.栽培リスクの軽減

農作物を栽培する場合、天候の変化などで生育に影響を及ぼすことも想定しなければなりません。台風や猛暑、害虫の発生などを考慮しながら市場に出荷できるだけの品質に仕上げる必要があります。

収穫前に被害が出た場合、出荷できずに廃棄が必要なケースも考えられます。その場合、利益が出ないだけでなく廃棄にかかるコストが発生するでしょう。

栽培リスクを少しでも軽減できるよう、メタバースを用いた取り組みが有効です。メタバース上で想定されるリスクを再現し、対応策を考えることで迅速な対応が可能となります。

さらに、24時間リアルタイムで農作物を監視できるため、リスクの発生に素早く対応し、被害を最小限に抑えられるでしょう。

3-4.プロモーションチャネルとしての活用

メタバースは、プロモーションチャネルとしての役割も持っています。さまざまな商品を紹介できるだけでなく、購入ページへ遷移できるといった特徴があります。

農業分野においても例外ではなく、メタバース上でユーザーとコミュニケーションを図れるほか、販売活動も可能です。メタバースの活用により、現実世界と同じようなプロモーション活動ができるため、訴求力を高めたい場合に有効です。

3-5.新規就農者の獲得

先述した通り、高齢化や後継者不足により新規就農者の獲得が喫緊の課題です。特に若手の就農者を獲得したい場合、メタバースを利用して農業の魅力を発信することも検討してみると良いでしょう。

メタバース上で生産者と就農希望者との交流会や情報交換会などを開くことで、就農者の獲得が期待できます。現状ではメタバースを活用しての採用活動などは多くありませんが、今後若い人材を増やしていくために積極的に取り入れることも大切です。

3-6.ECサイトとの連携

販売戦略の強化については先述しましたが、ECサイトと連携しての販売が可能な点もメタバースのメリットです。現在は、スマートフォンやパソコンからECサイトでお買い物をすることが当たり前となっており、農業分野においても積極的な活用が求められます。

メタバース上で農産物をPRし、ECサイトへ直接移動できる動線を作ることで、興味を持ったユーザーへ購入を促すことが可能です。現在は「Amazon」や「楽天市場」といったモール型や「食べチョク」「ポケットマルシェ」などの産直系などさまざまなプラットフォームが展開されています。

リアルでの販売だけでなく、オンラインを上手く活用することで利益の向上も期待できるでしょう。

4.農業におけるメタバースの活用事例8選

ここでは、実際にメタバースを活用している企業や行政機関の事例を紹介します。

どのようにメタバースを活用しているのかが把握できるので、ぜひ参考にしてください。

4-1.農情人

株式会社農場人 イメージ

出典:メタバース総研

農業ブランディングサービスを手がける株式会社農場人では、同社が立ち上げた「Metagri研究所」と熊本県益城町でスイカ栽培を営む「しまだスイカ農園」が共同でメタバース空間を立ち上げました。Metagri研究所とは「農業×ブロックチェーン」をキーワードに、持続可能な農業の実現を目指している組織です。

農情人では「農家がメタバース上でアバターを立てて広告する」「メタバース上で農地情報を登録し、ボタン一つで農家のもとに移動できる」といった「メタマルシェ構想」を掲げています。

しまだスイカ農園と共同でメタバース空間を構築したことも、メタマルシェ構想の一環です。20体限定の「スイカNFT」も発行し、スイカとのセット販売も実施。収益はNFT制作費やスイカ仕入れ代金、Metagri研究所の研究費などに充てられます。

4-2.日本農業新聞

日本農業新聞 イメージ

出典:PR TIMES

日本農業新聞は2022年10月に東武トップツアーズと共同で「第12回全国和牛能力共進会(鹿児島全共)」の会場をメタバース上にオープン。「メモリアル鹿児島全共」と称したメタバース空間では、アバターを通じて審査会場や出品された牛の鑑賞が可能です。

開催当時はコロナ禍であったものの、現地に行けなかった方でも会場と同じような雰囲気を味わうことができました。

4-3.カンジュクファーム

カンジュクファーム イメージ

出典:PR TIMES

フルーツの栽培や販売を行っているカンジュクファームでは、2022年6月にメタバースプラットフォーム「GAIA TOWN」内にメタバース空間を構築。自社栽培のフルーツの販売や、商品開発に取り組んでいます。

メタバース上でのコミュニケーションを通じて山梨県や南アルプスの魅力も発信しており、農林水産省発行の「令和4年度食料・農業・農村白書」への掲載も果たしています。

メタバース内ではボイスチャットを活用し、生産者へ果物のおいしい食べ方のレクチャーや、桃の生産工程の見学も可能です。カンジュクファームでは新規就農者の獲得も目指しており、就農希望者向けの説明会などにも意欲を見せています。

4-4.one rere

one rere イメージ

出典:メタバース総研

one rereは食に特化したメタバースサービスで、農作物の栽培や販売などがメタバース上で体験できます。野菜や果物、乳製品などの栽培が可能で、土地の購入だけでなく農場の拡大も可能です。

「ORAGEトークン」と呼ばれる独自の通貨を発行しており、one rere内のマーケットで農作物が購入されると収入を得られます。そのほかに、レシピに沿って調理しORAGEトークンが獲得できるミニゲームなど、楽しみながら農業の魅力を感じられるコンテンツが用意されています。

4-5.Web活用経営株式会社

Web活用経営株式会社 イメージ

出典:Web活用経営株式会社

Web活用経営株式会社では、メタバース上に作成された水田で田植えを行う「META田植え」を開催。新潟県新発田市の農家や23名の参加者と共同で行われ、参加者は普段の仕事の合間を使って田植えを体験しました。

イベントを進めていく中で、苗を植えすぎてデータの読み込みに負荷がかかったほか、心無い荒らし行為に見舞われるなどトラブルに見舞われることも。しかし、トラブルを乗り越え最終日には富士山の田んぼアートも完成させました。イベント参加者には後日新潟県産コシヒカリが配布され、現実と仮想世界の融合を実感できるイベントとなりました。

4-6.株式会社Happy Quality

株式会社Happy Quality イメージ

出典:株式会社Happy Quality

農業支援や青果卸売を手がける株式会社Happy Qualityは、株式会社フィトメトリクスと共同で、メタバース上に農作物栽培環境を再現するデジタルツインのプラットフォームを開発。このプラットフォームでは、AI開発用教師データセットの生成や農業技術研修システムのシステム構築などのサービスを提供します。

プラットフォームを活用することで、モニタリングや分析、シミュレーションなどが可能。遠方にいながらでもVR空間上で現場の圃場を確認できるほか、データ収集やデータラベリング作業の省略化が実現できます。

4-7.農林水産省

農林水産省では、2023年度にメタバース上で地域性のある作物の産地と実需者をマッチングする事業を始めます。メタバースの活用による生産者の販路拡大が目的です。

桑やホップ、ベニバナなどが対象となります。これまでも対面でのマッチング事業が行われていたものの、連携できる範囲が限られていました。

今回の取り組みでは、メタバース上で生産者や都市部の加工業者を対象とした交流会や消費者向けのイベントの開催を検討。取り組みを通じて、商品開発やファンの獲得を目指します。

4-8.岩手県フードショーinメタバース

黄金の國いわて。フードショーinメタバース イメージ

岩手県では全国初となるメタバースを活用した食の商談会を開催しました。「黄金の國いわて。フードショーinメタバース」と称したイベントは「商談会」と「交流会」の2部構成とで実施。販売促進を目的として、岩手県で生産された食材のPRや新規就農希望者との交流が行われました。

メタバース内に講演ブースや商談ブースが設けられ、イベントに出展した生産者や加工業者に関する資料の閲覧が可能。また、商品開発に関するお話など食材への理解を深められる場となりました。

対面ではなくメタバース空間でのイベントでしたが、現実世界と同じようなコミュニケーションが可能であることがわかり、岩手県産の食材や加工品の販売促進につながるイベントとなりました。

5.まとめ

現在、高齢化や後継者不足、海外との競争が農業分野においての課題です。新規就農者の人数も減少しており、課題解決のためにメタバースを活用した取り組みが注目されています。

農業分野にメタバースを導入することで、作業の効率化や栽培リスクの軽減、ECサイトとの連携も期待できます。また、農業の魅力を発信し、新たな担い手の獲得にもつながることから、今後より一層メタバースの活用が重要となるでしょう。

メタバースtipsを運営しているリプロネクストでは、法人・自治体向けメタバースについて企画・プラットフォーム選びから開発までを一貫してサポートしています。「農業の取り組みにメタバースを活用したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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