- 2024/08/02
- 2024/08/22
大学オープンキャンパスの集客を増やす方法|今注目のメタバースを紹介!
大学にとって、未来の学生と出会う貴重な機会であるオープンキャンパス。しかし、従来の方法だけでは集客に限界を感じている大学も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが「メタバース」を活用したオープンキャンパスです。仮想空間でありながら、リアリティのある体験を提供できるメタバースは、オープンキャンパスへの参加が困難な遠方の高校生にも効果的にアプローチできるなど、従来のオープンキャンパスにはない魅力があります。しかし、具体的にどのようにメタバースを活用するのかわからない方は多いでしょう。
本記事では、オープンキャンパスの集客を増やすためのポイントと、メタバースでオープンキャンパスを行うメリットをわかりやすく解説します。最後には実際に体験できる事例も紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
オープンキャンパスの集客を増やす重要性
少子化が進む現代において、大学の志願者獲得競争は年々激しさを増しています。
文部科学省の調査によると、令和5年度の入学志願者数は前年度比で約12万人減少し、短期大学でも約7600人減少しています。
参考:文部科学省 令和5年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要
文部科学省 令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要
私立大学においても、日本私立学校振興・共済事業団の調査で定員割れの割合が前年比6.0ポイント上昇し53.3%に。半数以上が定員を満たしていないことが明らかになりました。
参考:令和5(2023)年度 私立大学・短期大学等 入学志願動向
このような状況を打開するために、大学は従来の広報活動に加えて、高校生に魅力を効果的に伝えるためのアプローチを行う必要があります。中でも、未来の学生である高校生と双方向のコミュニケーションが取れるオープンキャンパスは貴重な機会です。
高校生にとって、大学選びは将来を左右する一大イベントです。だからこそ、オープンキャンパスに参加し、大学の雰囲気を見学したり、教授や在校生と交流したりして、ホームページの情報だけでは得られないリアルな情報を集めています。
そのため、大学側はオープンキャンパスを通じて、高校生が在校生に直接質問できる時間や、キャンパスライフがイメージできるコンテンツなど、リアルを発信する機会をつくることが大切です。これにより、高校生に大学への親近感や入学後の安心感を持ってもらえれば、複数の大学で悩んだ際にも選ばれやすくなり、結果として志願者数の増加につながります。
オープンキャンパスの集客を増やすポイント
ここでは、オープンキャンパスの集客を増やすための大きなポイント3つを以下で解説します。
他校との差別化を図る
魅力的なオープンキャンパスにするためには、他校との差別化が重要です。自大学の強みや特色を明確化し、それを効果的にアピールできるような企画を検討しましょう。
例えば、独自の研究内容を体験できるワークショップや、卒業生によるキャリア講演会など、他大学では体験できないようなコンテンツを提供することで、高校生の関心を集めることができます。
オープンキャンパスに参加意欲を高めるコンテンツ制作
オープンキャンパスは、ただ大学の説明をする場ではなく、高校生が「参加してみたい!」と思えるようなその大学独自の、魅力的なコンテンツを充実させることが重要です。
例えば、人気教授による模擬講義や、学生が主体となって企画・運営するイベント、大学周辺の街歩きツアーなど、高校生が興味関心を持ちやすいテーマや体験を通して大学を知れるコンテンツにすると、参加意欲を高めることができます。
ターゲットに合わせた発信を行う
オープンキャンパスで多くの参加者を集めるには、高校生と保護者それぞれに響く情報発信が重要です。
高校生向けには、SNSで画像や動画を効果的に活用し、体験授業やイベント情報を発信して、楽しさをアピールします。ウェブサイトでは、先輩のリアルな声やキャンパスライフを具体的に紹介し、イメージを膨らませるようにしましょう。
保護者向けには、公式サイトや説明会資料を通して、就職実績や教育方針といった安心できる情報を提供します。進路選択のタイミングを見計らって発信することで、より効果的に関心を高めることができます。
このように、ターゲットに合わせた媒体と内容、タイミングで情報発信を行うことで、オープンキャンパスの成功につながります。
オープンキャンパスの集客に活用できるメタバースとは?
メタバースとは、インターネット上に構築された3Dの仮想空間のことです。アバターと呼ばれる自分の分身を使って、その空間内を自由に動き回り、他のユーザーとコミュニケーションを取ったり、イベントに参加したりできます。
近年、エンターテインメントとしてだけでなく、課題解決の方法の1つとして大学や自治体など、さまざまな分野で活用が広がっています。
メタバースでオープンキャンパスを行うメリット5つ
ここでは、メタバースでオープンキャンパスを開催する際の主なメリットを5つ紹介します。
1.物理的な制約がなく、幅広い学生にアプローチできる
メタバース上のオープンキャンパスは場所や時間に縛られず、インターネット環境があればより多くの学生に大学の魅力を伝えられます。遠方の学生はもちろん、海外からの参加も簡単にです。また、身体的な理由で来場が難しい学生も、自宅から気軽に大学の魅力に触れられるという大きなメリットがあります。
2.リアルのオープンキャンパスへの来場促進になる
メタバース空間で、キャンパス内を自由に歩き回ったり、施設の詳細を見たりすることで、「実際の大学の様子はどんなだろう?」と興味関心を高められます。大学に興味を持った高校生は、より具体的な情報を得るために、リアルのオープンキャンパスに足を運ぶようになるでしょう。
3.学生にキャンパスライフをリアルに想像してもらえる
学生は、メタバース空間で再現されたキャンパスを自由に歩き回ったり、施設や設備を間近で見たり、他の学生と交流したりすることで、キャンパスライフをリアルに想像できるようになります。例えば、メタバース内のキャンパスで模擬授業に参加したり、施設の雰囲気を味わったりすることで、入学後の自分を具体的にイメージできます。
4.リアルのOCで案内できない所も見せられる
研究室や実験室など、セキュリティや安全性上の都合でリアルのオープンキャンパスでは公開が難しい場所も、メタバース上であれば安全に公開できます。
5.簡単にコンテンツの差し替えが行える
動画や資料などのデジタルコンテンツを大学側で自由に配置したり、差し替えたりできるため、常に最新の情報を発信できます。例えば、オープンキャンパス当日に合わせて、メタバースに訪れた人だけが見られる特別な動画を公開したり、イベント情報をリアルタイムで配信したりできます。
メタバースを活用したオープンキャンパスの事例5つ
ここではメタバースを活用したオープンキャンパスの事例を5つ紹介します。実際にメタバース空間を体験できる事例もあるため、ぜひ体験を通してメタバースの活用方法について具体的にイメージを膨らませてみてください。
新潟工科大学:オープンキャンパス
新潟工科大学は、遠方の高校生がオープンキャンパスに訪れにくい課題を解決するため、メタバース上にキャンパスを再現した「メタバースオープンキャンパス」を制作しました。メタバースオープンキャンパスを通して、実際のキャンパスライフをより具体的にイメージしてもらうとともに、現地開催のオープンキャンパスへの来場を促すことも目的としています。
空間にはこちらからアクセスできるため、「キャンパスを再現したい」「受験生を増やしたい」とお考えの方はぜひご体験ください。
2.比治山大学 比治山大学短期大学部:キャンパスライフ体験型オープンキャンパス
比治山大学は、参加申し込み不要、入退室自由のメタバースオープンキャンパスを実施。メタバース内では、VRキャンパスツアー、大学案内動画、学科紹介(一部学科)、クラブ・サークル紹介、大学の活動紹介など、さまざまな情報が知れます。高校が楽しく空間を回れる工夫として、「秘密の部屋を探す」というお楽しみ要素も用意されています。
参考:比治山大学 比治山大学短期大学部
3.阪南大学:大学キャンパスを疑似体験
阪南大学は、メタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」上に「バーチャル阪南大学」を開設しました。この仮想空間では、実際の大学キャンパスが忠実に再現されており、ユーザーはアバターを通じてキャンパスを探索し、他のユーザーとリアルタイムで交流できます。
現在、「本キャンパス」「50周年記念ホール」「リバティラウンジ」「スチューデントコモンズ」の4つの空間が利用可能です。バーチャルキャンパス内では、各国の写真や卒業生の活躍を紹介する動画の閲覧、広いグラウンドの探索、にぎわう中庭などを体験できます。
参考:阪南大学
4.東京女子大学:VRオープンキャンパス
東京女子大学では、VRオープンキャンパスをメタバースプラットフォーム「cluster」で実施。キャンパスの一部を再現した東京女子大学のキャンパスの一部を昼と夜で再現した空間と、コミュニケーション専攻の学びに関するクイズワールドを作成しました。
大学訪問が難しい方々に向け、メタバース技術を活用して大学の雰囲気や専攻の特徴を効果的に発信しています。
参考:東京女子大学
5.成蹊大学:建設中の新キャンパスを見学
出典:成蹊大学
成蹊大学Society 5.0研究所は、現実と仮想空間を融合したSociety 5.0の実現に向けて、社会課題解決に貢献する研究開発と人材育成に取り組んでいます。
その一環として、建設中の新棟をメタバース空間上に再現。仮想空間でありながら、まるで現実の新棟にいるかのようなリアルな体験を提供しています。
この取り組みは、完成前の建物に誰でも自由にアクセスし、内覧できるという点で画期的な事例です。
参考:成蹊大学
代表的なプラットフォームの特徴を紹介
メタバースプラットフォームとは、メタバースのサービスやシステムを運営するための基盤となるソフトウエアやハードウエアのことを指します。プラットフォームは目的や、参加する人数などで適切なものを選定します。
メタバース空間を構築できるプラットフォームは多く存在しますが、ここではその中でも特に代表的な4つをご紹介します。プラットフォームの詳細については、以下のリンクをご覧ください。
メタバースのプラットフォームを提供する国内・外企業14選!選ぶときのポイントも紹介
DOOR™
出典:Door NTT XR
株式会社NTTコノキューの「DOOR」は、大学、企業、自治体向けに先進的なバーチャル空間を提供するメタバースプラットフォームです。高機能でありながら、ブラウザから直接アクセスできる手軽さが特徴です。アプリのダウンロードは不要で、メタバース初心者でも直感的に操作できます。詳細については、以下のリンクをご覧ください。
NTTの「DOOR™」とは?ビジネスの活用法や操作方法を紹介
参考:Door NTT XR公式サイトはこちら
VRChat
VRChatは、2014年にアメリカで設立された「VRChat Inc.」によって運営されているソーシャルVRプラットフォームです。英語表記ですが、世界中で利用されており、グローバルな交流や高品質なバーチャル空間の構築、大規模イベントの開催に最適です。詳細については、以下のリンクをご覧ください。
VRChatとは?基礎知識&できることや企業の活用事例を紹介
参考:VRChat公式サイトはこちら
Cluster
クラスター株式会社が提供する「Cluster」は、日本国内でも広く知られているメタバースプラットフォームです。総ダウンロード数は100万回を越え、ユーザー数は約800万人に達しています。
Clusterは、特にイベントの開催に適しており、多くの大学がオープンキャンパスや各種イベントで積極的に利用しています。無料でアプリをインストールするだけで、PC、スマートフォン、そしてHMDを用いた本格的な体験を含むさまざまなデバイスで利用できます。詳細については、以下のリンクをご覧ください。
メタバース「cluster(クラスター)」とは?できることやビジネス活用事例5選を紹介
参考:Cluster公式サイトはこちら
Spatial
アメリカのスタートアップ企業によるメタバースプラットフォーム「Spatial」は、リアリティのある空間やアバターで注目を集めています。海外サービスのため、すべて英語表記で提供されていますが、現実に近いメタバース体験を追求したいユーザーには理想的です。詳細については、以下のリンクを参照してください。
バーチャル空間「Spatial(スペーシャル)」とは?基礎知識やビジネス活用事例を紹介
まとめ
メタバースを活用したオープンキャンパスは、従来のオープンキャンパスでは実現できなかった、時間や場所の制約を越えて、より多くの高校生にアプローチできる画期的な取り組みです。メタバース空間でしか体験できない魅力的なコンテンツを提供することで、大学への理解促進、ひいては志願者増加につなげることが期待できます。
大学広報×メタバースについてより詳細を知りたい方は以下の記事も参照ください。
大学広報に役立つメタバースとは?活用方法やメリット、最新事例を紹介
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