- 2024/04/28
- 2024/05/16
メタバースの価値として考えられる側面とは?最大化させる方法や市場状況、今後活用が見込まれる分野を解説
メタバースという言葉が世の中に広く認知されるようになってから、数年が経過しました。近年、さまざまな分野での活用が進んでおり、市場も拡大傾向だといえるでしょう。
このようにメタバースが注目される背景には、どのような価値が存在するのでしょうか。今回は、メタバースの価値として考えられる側面や最大化させる方法、市場状況、今後活用が見込まれる分野などをご紹介します。
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目次
メタバースとは
メタバース(Metaverse)とは、仮想空間の集合体であり、現実世界の枠を超えた、インタラクティブで没入型の仮想世界の総称です。具体的にはSNSや仮想現実技術、オンラインゲーム、デジタルアート、仮想通貨などの技術の発展により、ますます注目されています。
メタバースの詳細を知りたい場合は、以下の記事も併せてご確認ください。
メタバースの価値として考えられる側面
メタバースには、具体的にどのような価値を創出するのでしょうか。ここでは、メタバースの価値として考えられるおもな側面をご紹介します。
社会的交流とコミュニケーションを創出できる
メタバースは、地理的な制約を超えて人々が仮想空間で出会い、交流し、共有することが可能です。これにより、人々は新しい友人やビジネスのパートナーを見つけたり、共通の趣味や興味を共有したりできます。
メタバースは、人々が仮想空間においてリアルタイムでコミュニケーションを取る場所として活用されています。アバターを通じて友人や知人と会話したり、新たな人々と出会ったりできます。特に、遠隔地に住む人々にとっては、物理的な距離を超えて交流できる貴重な場所です。
例えばイベントやパーティー、カンファレンスなどもメタバースで開催され、参加者はリアルな体験を共有できます。
新たなエンターテイメントと体験を提供できる
メタバースは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などの技術を活用して、没入型のエンターテイメント体験を提供することが可能です。仮想世界でのゲームやライブイベント、コンサート、映画鑑賞など、現実では不可能な体験を楽しめます。
メタバースは、新しいエンターテイメントの形態を提供できる技術です。音楽ライブ、アート展示、映画鑑賞、スポーツ観戦など、リアルな体験を模倣しつつ、すべて仮想空間で楽しめます。ユーザーは自分のアバターを操作して、仮想世界で冒険やクエストを楽しむこともできます。
なお、メタバースの音楽ライブについては、以下の記事で詳しく解説しています。
メタバース音楽ライブとは?メリットや活用事例、プラットフォームを紹介
経済的価値とビジネス機会を創出できる
メタバースは、仮想空間内での商品販売、サービス提供、デジタルアセットの取引など、新たなビジネスモデルを生み出します。また、ブロックチェーン技術や仮想通貨を活用することで、デジタル経済が発展し、新たな収益源を生み出す可能性が高いでしょう。
メタバースは、仮想経済を形成しており、仮想通貨やNFTの取引、仮想商品の販売、広告スペースの提供などが行われています。メタバースは、新たなビジネスモデルを生み出す場所でもあり、クリエイターや企業は独自のプロダクトやサービスを提供しています。
メタバースのビジネスモデルの詳細は、以下の記事も併せてご参照ください。
メタバース事業のビジネスモデルとは?活用メリットや国内外の事例も紹介
教育やトレーニングに活用できる
メタバースは、仮想空間内でのシミュレーションやトレーニングを通じて、教育や訓練の場を提供します。例えば医療や航空業界では、危険な状況をリスクなしに訓練することが可能です。
メタバースは、教育やトレーニングにも活用されています。仮想教室やシミュレーション環境を通じて、学習者はリアルな体験を積極的に行えます。また、職業訓練やスキルアップの場としても期待されており、特定のスキルや知識を身につけるためのプラットフォームとしても活用されている状況です。
創造性と表現の場として活用できる
メタバースは、デジタルアートやデザイン、音楽、映像などの創造的な表現の場としても機能します。仮想空間内で自分のアバターをカスタマイズしたり、自分だけのデジタルアートを制作したりすることも可能です。
メタバースは、アバターのカスタマイズや仮想空間のデザインなど、創造性を刺激する場所といえるでしょう。アーティストやデザイナーは、メタバースをキャンバスとして、新たな作品を発表しています。
メタバースの価値を最大化させるための取り組み
単純にメタバースをビジネスやサービスに活用するだけでは、大きな効果は得られません。ここでは、メタバースの価値を最大化させるための取り組みを5つご紹介します。
技術基盤の強化
メタバースを活用するためには、高度な技術基盤が欠かせません。仮想空間の安定性をはじめ、スケーラビリティやセキュリティを向上させるために、インフラストラクチャの開発と改善を進める必要があります。
標準化と相互運用性の確立
近年、多くのメタバースプラットフォームが存在しますが、これらのプラットフォームの相互運用性を高めるための標準化が求められています。共通のプロトコルや規格を策定し、異なるメタバース間でのデータやアセットの共有を容易にすることが重要です。
UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上
メタバースが発展するためには、ユーザー体験が鍵となります。直感的で使いやすいインターフェース、リアルタイムの対話、快適なアバターコントロールなど、ユーザーが楽しめる環境を提供することが重要です。
法的・倫理的規制の整備
メタバースは新たな法的・倫理的問題を引き起こす可能性があります。プライバシー、知的財産権、仮想通貨の規制など、適切な法的フレームワークの整備が待たれる状況です。
教育と啓発
メタバースの概念や利用方法を広く理解してもらうために、教育と啓発活動も必要です。ユーザーや企業、政府、学術機関など、幅広いステークホルダーに対して情報を提供し、協力を促進しなくてはなりません。
メタバースの市場規模
メタバースにどの程度のポテンシャルがあるのか知るためには、市場規模を把握しておかなくてはなりません。ここでは、国内外におけるメタバースの市場規模をご紹介します。
国内におけるメタバースの市場規模
矢野経済研究所によると、2021年度の国内メタバース市場規模は約744億円と推計されています。さらに、2022年度では前年度比245.2%の1,825億円まで成長し、2026年度には1兆円を超える規模にまで成長する予測です。
メタバース市場は急速な成長が見込まれており、年率成長率は約170%程度と予想されています。このような背景から、多くの企業がメタバース市場に参入している状況です。
参考:株式会社矢野経済研究所/2022 メタバースの法人向け市場動向と展望
海外におけるメタバースの市場規模
2022年時点での世界のメタバース市場規模は約618億ドルと評価されており、2027年には約4269億ドルに達すると予測されています。市場の平均年成長率は約47.2%で推移する見込みです。この急速な成長は、メタバースが注目を集めている要因の1つといえるでしょう。
また、メタバースゲーム関連市場においては、2024年にはゲーム向けのソフトウェアと広告が最も大きな割合を占めることが予想されています。
メタバース市場の詳細は、以下の記事も併せてご確認ください。
参考:ResearchStation,LLC/メタバース(Metaverse)の世界市場:コンポーネント別、業界別2027年予測
今後、メタバースが積極的に活用される分野
メタバースの価値は、具体的にどのような分野で活かせるのでしょうか。ここではメタバースが今後、積極的に活用されることが予想される分野をご紹介します。
ゲーム
アバターを通じて仮想空間で人々が交流し、活動できるメタバースは、ゲームに広く活用されています。従来のゲームとは異なり、メタバースではユーザーが自らイベントを開催したり、独自の世界を作ったりすることが可能です。
また、NFTを活用したゲームも登場し、ユーザーが投資したアイテムはサービス終了後も残ります。代表的なメタバースゲームには、マインクラフトやあつまれどうぶつの森、フォートナイト、ポケモンGOなどがあり、ソーシャル機能や経済活動などの観点で注目されています。
今後もメタバース市場は拡大し、新たなゲームの登場が期待されている状況です。メタバースのゲームについては、以下の記事もご参照ください。
メタバースゲームとは?おすすめタイトル7選や他のゲームとの違いを解説
医療
医療業界でも、メタバースがさまざまな形で活用されています。例えば、アステラス製薬はバーチャルMRを使った医療従事者向けの講演会を開催し、情報交換やコミュニケーションを促進している企業です。また、イマクリエイトはVRを活用した注射手技の研修を提供し、医学生の実践的なトレーニングを支援しています。
さらに、メディカロイド社はMRを活用した手術支援ロボットの操作を可能にし、医師の手術精度を向上させているそうです。これらの取り組みは、医療分野における革新的なソリューションとして注目されています。
医療におけるメタバースの活用については、以下の記事もご確認ください。
教育
メタバースは教育分野でも、幅広く活用されています。遠方の学生とのコミュニケーションをリアルタイムに行うことや、能動的な体験学習を促進することが可能です。
また、歴史や科学の授業では疑似体験を通じて学べるため、3Dコンテンツを活用することで学習効率が向上します。さらに、ひきこもりや障がいを持つ生徒にとっても、メタバースは学習や社会的スキルの獲得を支援する有力なツールといえるでしょう。
教育分野におけるメタバースの詳細は、以下の記事も併せてご確認ください。
メタバース×教育の最新事例6選!体験学習や遠隔コミュニケーションが可能に
小売
小売業界でも、メタバースの活用が進んでいます。例えば、楽天市場は「Rakuten Metaverse」を導入し、3Dモデルで商品を表示し、バーチャル試着や購入が可能になりました。またWalmartもメタバースを活用し、消費者にインタラクティブで魅力的なショッピング体験を提供しています。
パーフェクト社はAIとARを組み合わせた「3Dバーチャルブース」をメタバース内で展開し、バーチャル試着やNFTにも参入しました。これらの取り組みは、小売業界における革新的な体験を提供し、消費者とブランドとの関係を強化しています。
建築・設計
建築業界においても、メタバースがさまざまな用途で活用されています。設計シミュレーションでは、メタバース上で3Dモデルを作成し、建築物の問題点を洗い出すことでコストを削減し、効率的な設計を行える点がメリットです。
また、完成イメージを具体化するためにVR内見や建物の表示も行われています。遠隔地からの参加も可能であり、リアルタイムでプロジェクトの進捗状況や設計を共有することが可能です。
さらに、メタバースを活用した建物の再現により、危険な状況やリスクを把握し、安全性の向上につながります。ただし、メタバース導入にはコストやセキュリティリスクが伴うため、慎重な検討が必要です。建築業界では、これらのメリットとデメリットをバランスよく考慮し、適切な活用方法を選択しなくてはなりません。
なお、建築業界でのメタバースの詳細は、以下の記事でご確認ください。
建築業界でのメタバース活用事例7選!活用できるプラットフォームも紹介
まとめ
近年、メタバースをビジネスに活用する企業が増えています。メタバースを活用することで多くのメリットが得られ、ビジネスの拡大や課題解決につなげる企業も多いです。
メタバースの価値として考えられる側面は、以下の要素が挙げられます。
- 社会的交流とコミュニケーションを創出できる
- 新たなエンターテイメントと体験を提供できる
- 経済的価値とビジネス機会を創出できる
- 教育やトレーニングに活用できる
- 創造性と表現の場として活用できる
しかし、メタバースをビジネスに活用するためには、専門的なスキルや経験を持つ人材や、開発機材も必要です。そのため、メタバースを専門に扱う業者へ相談することも一案でしょう。
メタバースをビジネスに活用したい場合は、ぜひリプロネクストにご相談ください。数多くのメタバースのサービスを立ち上げた経験と実績がありますので、貴社のビジネスの成長や経営課題の解決をお手伝いいたします。
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